1−1はじめの言葉
『VSTWRPG (Virtual Space Transition World Report Program Generator) _クリエショナル(Creational)』
2046年に発売し世界的ゲームとなったこの作品は名の通り創造。この創造が意味するのは何もかもが個人の自由に創造できるという事だ。
発売当時の総プレイヤー数1億5826万、5年後の現在に至っても1億3561万、最高総プレイヤー数2億2154万とかの数字を見たもだけでも凄いゲームだということがわかるだろう。
このゲームのプレイヤーが多い理由は沢山ある。1つにまとめると先ほど述べた限界がない創造だが、細かく分けるとバトル.建設.開発.商売.娯楽…等ある。
限界のない創造といったがそれは初期設定から創造できるのだ。まぁ、ステータス等の設定は覆せないのだが顔.性別はもちろん衣類.種族.系統.職業.スポーン地点はほぼ無限に創造できる。全726億2400万通りある。
種族はエルフ.ダークエルフ.ドワーフ等の人族、猫人.犬人.魚人族.リザードマン等の亞人族、精霊.妖精.天使.幻獣.神獣等の神族、魔物.魔獣.悪魔.魔王等の魔族…代表的な種族は今述べたものそして全て合わせると720ほど種類がある。
系統と職業は似たようなもので一言で説明すると系統は戦闘的で職業は仕事的なものと思って欲しい。というかそういう事だ。系統は最大999レベル、職業は最大500レベルだ。
種族によって初期ステータスまたレベルいた事に上がっていくステータス量が異なる。
亞人族や神族、魔族などが初期ステータスから高い能力を持っている。しかしこのゲームは人族が多い。何故なら人族は職業.系統の変更が可能であり他の種族よりも優遇されるところが多々ある。さらに全種族の中でも平均的かつ安定的なステータスだからだ。
そうは言ってもどうでもいいと思えばそれだけの事なのだ。それでも人族が人気な理由は神族.魔族は先着100名ずつと余っていること、亞人種は差別的なものがあるからだ。
神族.魔族は先程述べたようにステータスが桁違いだ。なので戦闘系イベントでの入賞はその2種族しか見たことがない。
このゲームでの公式イベントでは戦闘系.建築系.芸術系.調理系.ポーション系と6つあり年に其々1~2回ある。戦闘系は春夏秋冬1回ずつある。春秋は個人.夏冬は団体となっているためだ。
団体とは最大人数5名。その理由は冒険者が参加するためだ。冒険者はチームを組む際に5名以内に絞らなければならないという規定がある。
その冒険者を纏めているのがギルドだ。
ギルドとは簡単に言うと国みたいなものだ。其々城(拠点)を作りそこに財政.防衛等の担当者を作る。
ギルドのメリットは運営からのボーナスや補助金.モンスター討伐時の賞賛品.防衛成功時の報酬等色々といいのだ。
ギルドの最大人数は50人.最小は1人だ。現時点でのギルド総数は1200程、その中での最大人数はやはり50人.最小はまさかの1人だ。
1人でどうやって防衛をするかと言いたいだろうがギルドには防衛した分だけのギルド経験値が与えられる。それによってNPCを作成できる。これもまたギルド経験値がある限り自由に創造ができる。基本は動きはしないが敵が侵入してきた際は敵の排除へと起動する。NPCの上限もプレイヤーと同じだ。
魔法、これは誰しもが聞いたことがあるだろう。全てで5階級初級.中級.上級.禁忌.神気だ。その中でも初級魔法は更に10分けられる。
初級魔法を全て使いこなせるようになるには150レベルは必要だ。またその他の魔法も300.600.850.999となっている。まぁ、レベルだけでなく経験値と一緒に得られる魔法ポイントがないとダメなのだ。
魔法の他にスキルというものがある。これは初期設定で選んだ種族.系統.職業によって得られるスキルは違うのだがこれはMP消費なしの魔法と思ってもらったらいい。攻撃スキルは回数制限があるが体制等守りに関してのスキルは制限がない。
これもまた経験値と一緒に得られるスキルポイントで追加が可能だ。最大レベルに達しても300くらいしかスキルが得られないらしい。しかしそのスキルの性能等をあげると考えると最大レベルでも50と言ったところだ。
スキルは全680種類ある。この中には一瞬で相手のHPを0にするスキルもある。こう言った事からスキルは禁忌.神気魔法を使えない者たちの為のものと言われている。
以上こ創造という能力によってこのゲームは世界的に大ヒットしたのだ。そして今もなおゲーム界のトップに在り続けている。
天空の城: カオス・ネメシス
1人しかいないギルドでどのイベントにおいてもトップにいる存在。唯一トップになれないのはギルド順位だけだろう。
そのプレイヤー名は〈unknown〉
これはわからないという意味ではなく正真正銘のプレイヤー名だ。その者の姿を見たものは誰もいない、いや覚えていないと言ったほうが正しい。
ステータス.職業.系統…あらゆる情報が誰の記憶にも残っていない。あるとしたらイベントの結果くらいだろう。しかしこのような噂もある。
unknownはレベルを創造したものだと。
「あー、疲れた。今何時だ?」
そう言って男、_天之 神也_はベッドから起き上がりスマホの電源をつける。
7:30、そう示していた。
「まじかよ、一晩中イベントやってたって事か。」
男はそう言ってスポーツドリンクを2口飲む。
「このゲームは最高だが…糞ゲーだ。」
その男はそのままパソコンをいじる。
一件のメール。
カチカチっ
男はメールを開く
⦅やぁ、unknownよ。このゲームを楽しんでいるかい?
まぁ、今見る限りそうは見えないけど…⦆
男はビビる。
今いった発言をまるで聞いてたかのようなメール。そのまま恐る恐る読んでいく
⦅僕は運営でもプレイヤーでもない。このゲームそのものの存在だ。そしてその権限によって君を楽しませてあげるよ。⦆
それだけの文章だった。そして何も起こらない。
(いたずらか、)
だとしてもおかしい。unknownが誰なのか知るものはいないはず。セキュリティも万全なのでアカウントをたどっては99%ない。
(まぁいいか別にバレてもあまり支障はないだろう。)
そして天之神也がメールを読み終わると
ピロンっ
スマホがなった、そして天之神也すかさずスマホを開き通知を見て見ると。
クリエショナル:unknown討伐イベント…
(なんだこれは、)
空かさず詳細を確認する。
試合開始は今から1時間後、参加人数501人(unknownも含め)、制限時間無限、討伐側賞品WORLDスキル、防衛側賞品世界…
意味がわからなかった。イベント開催元は運営ではない、では何故公式イベントでこんなものが開催されるのか。
考えてもわからなかった、しかしこれは参加したいと思った。
なぜならunknownは絶対の存在として今まで苦戦をしなかった。それを今回のイベントで苦戦を強いられるとように設けられている。
「やってやろうじゃねーか」
最早、天之神也の頭の中には誰がメールを送ったかそしてこのイベントを開催したのは誰かなどが消えてしまっていた。
イベント開催。
今回のイベントを参加できるのは系統レベル800.職業レベル350以上で戦闘スキルを2つ以上コンプリートしていることだ。
勿論unknownはクリアしている。そもそもクリアしてないとイベントが成り立たない。
パッパーッパラパーパパラララー♪
ゲーム内時間15時になったとともに音楽が流れ始める。
「それでは第1回unknown討伐イベントを開催いたします。」
その声の元に皆が注目する。
会場に来ているプレイヤーは2150万人程、これは過去最大規模に近い。
「今回のイベントの説明をさせていただきます…」
対戦場所は1500m×2000m×1000mの直方体。
討伐者はHPが0になり次第《無力ナ透明化》が発動され試合終了まで会場内にいることになる。
制限時間はなし、装備設定なし、治癒回復薬等の魔法道具の使用も可能。
以上が主なイベントの内容だ。
その説明と後、参加者は指定の転移システムへと行く。
「それでは、始めます。3.2.1…」
ブー
バスケ部によく置いてあるタイマーと同じ音と共にイベントが始まった。
30分後、残すは5名。
魔法使用者2名と前衛剣士2名そして弓ノ手段だ。
魔法使用者の内の1人は回復者ノ特権と言う称号を得ておりその称号を持つ者はMP節約、威力トMP反転、魔力暴走を持っている。
これを保有していると言うことは奴をリタイアさせない以外勝ち目はないと言ってもいい。
更に前衛剣士2名も厄介でゲーム内で9人しかいないと言われる世界ヲ超越シ者の称号を持っている。
「特殊能力|森羅万象斬り」
前衛剣士の1人が攻撃して来た。
そのまま水平方向に移動して避けようとするが弓ノ手段がいいポジションを取っていて避けれない。
「伝説能力|ハッスルダンス」
unknownのHPが回復した。
そのおかげで相手の攻撃に耐えることができた。それどころかこのスキルの効果は自分のレベルの1.5倍〜2.0倍の回復力で2〜6回繰り返される。使用回数は1日に3回となっている。
unknownはレベルを創造することに成功した者、彼にとってこんなにあっている回復スキルはない。普通の回復力だけで良いじゃないかと思われるが、彼にはレベルの制限がない分いくらでも強くなれる。そこで運営側はステータス向上に一時的停止をかけたのだ。
そしてunknownは空かさず攻撃体制へと移る。
「世界ノ能力|God to force death to force⦅ :神は強制的に死を与えた⦆」
一瞬にして魔法使用者以外は消える。
「即死耐性持ってて良かったぜ。」
1人の魔法使用者が言う。
そしてそのまま
「世界ノ能力|Person sealed with my strength⦅:我が力によって支配される者⦆」
unknownが攻撃をしようとした瞬間に発動されたこのスキルなよって彼は身動きが攻撃されるまで出来なくなった。
「禁忌魔法|My greatest power」
会場全体に紫色の空気が流れる。
ドギャーンッッ
残りMPを全て消費して使用したこの魔法の威力はとんでもない者だった。これで決着はついた、、そう
unknownの勝利だった。
彼も即死耐性を持っておりギリギリ2人を倒したのであった。
『ウォォォォォ』
会場は大盛り上がりだ。
「名無しと呼ばれていた彼の名はunknownと今ここで名を公開します。」
何故か知らんがunknownは賞品の世界をもらったことにより名が変わったらしい。
こうしてイベントが終わった。
と思ったのだが
「皆さまここでお待ちください。」
1人のメイドが今回のイベント参加者全員を部屋に案内する。
そして個々にカードを渡した。
その5秒後に、
「ここはどこだ…。」
見たこともない草原が目の前に広がっていたのだった。