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プロローグ
暗い
体がダルい
両手両足が痛い
そんな中で一番気になったのは…むせ返るような血の匂い。
ぼーっとした頭でここは夢か現実かを考える。
自分は横になって寝ているのかと思ったが、そうではない。
立っている。
そして段々と意識がはっきりしてくると次に脳に飛び込んでくる情報は、音。
うめき声、恋人の名を呟いている声、今にも息絶えそうな声、助けを求める声。
視界も開けてきて、そこにある景色が飛び込んできた。
戦場…
倒れている者、死んでいる者しかいいない戦場。
鬼と言われている者、魔物、そして…人。
そして自分だけがそこに立っている。
必死に思い出す、さっき起きた出来事。
自分は
戦場で戦っていた味方、そして敵を…
皆殺しにしまったと。
僕はその景色を、事実を受け入れたくなくて。
そこから…逃げ出した。