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第一話 スタート ~れきそたん~

 朝06:15


 日中の春の陽射しは、暖かく優しく私を包み込む……春先とはいえ、しかし今は朝だ!肌寒い!そう肌が寒いんだ!私を包む布団から出たくない!それは至極当然の権利だと声を大にして訴えたい!



 ジリリリリリリ――――


 目覚ましは無機物の存在で私に指図する。

 そう……起きろと!

 朝陽を浴びることで本能は体内の時間を調整するという1日25時間の体内時計だ。



 素晴らしい!

 素晴らしいぞ人類!!




 だからおやすみなさい。


 ジリリリリリリ――――


 スヌーズまで来た……起きろと!

 だが断る! 私は布団ここをキャンプ地とする!

 しかし、スヌーズを仕掛けてまで私を起こそうとする昨日の私は何を………!


「やばい! なんで? こんな大事な日にふえぇぇっ」


 私にだって解るよ自業自得だってしかし、自分の意思力ではあの温かな布団から抜ける事が困難なのだから仕方無い。

 時計を見ると《06:28》だった。

 身仕度もそこそこキッチンへ行き昨晩に購入した割引58円のシーチキンマヨのおにぎりをマッハで食べて水で流し込む。


「今日は可燃物だっけ」


 歯みがきをすませながら、おにぎりのラップを玄関に用意してあるごみ袋に入れて外に出る。


「めんどいなぁ」


 ゴミ集積所と駅に行く道は真逆だからゴミを出して引き返すことになる非効率この上無い。

 集積所こっちこーい!


「遅刻だよ」


 私は駅から30分掛けて学校へ行く。

 そして普段は、7時発の上りに乗るのだが遅れると二段飛ばしをしても通勤ラッシュに巻き込まれる。まぁ二段飛ばしは危ないからやらないのだけどね。


「それだけはいや!」


 ここで私は選択に迫られた。


 1) ラッシュの地獄に耐えて通学する。

 2) 遅刻覚悟で8時発の電車で通学する。


 私の答えは決まってる!


「3)キャンプ地へ戻……」


 ♪♪♪♪

 携帯電話が『断頭台への行進』を流し始める。

 ギロチン台と曲名ある割に軽快な曲調は回りに気付かれずに処刑用音楽を垂れ流すには丁度良かった。

 私を現実に引き戻した電話は、高梁たかはし女史……学担からだ。


『おはよう 一三にとり 志穂しほいえ志穂ちゃん!』

「…………おはよう、まゆまゆ」

『担任教師をまゆまゆ言うな! そこはお姉ちゃんかお姉様だろ?』

「いや、そこは『高梁先生だろ』が定番でしょ」

『わかったわ、志穂ちゃんがそこまで言うならお姉ちゃん先生でも構わないわ! ってか是非!』


 私と高梁たかはし 真由まゆは教師と生徒の間柄で姉妹でも無いのだが、入学式で受付で花のコサージュを付けてくれたのが高梁先生なのです。


『ところで今どこですか?』


 かなり喰い気味に聞いてくる教師を横に、話ながらだからか普段より速く駅についた。


「まゆまゆごめんね 駅に着いたから」


 まゆまゆが何か話していたが無視して通話終了ボタンを押した。

 改札口には通勤の会社員や学生が沢山いて騒々しい、みんなユックリ乗れば私は平静でいられるのにね。


 結局私の選択は、ラッシュの通勤列車だった……帰りたい。

 別に人が嫌いなのでは無いのだけど、自分空間プライベートスペースが他人に侵食されるのが嫌なんだよ。

 隣の人の腕や荷物が私に触るのがダメだから混んでる電車はダメなんです。

 しかし、私がホームに居ると後ろに行列が出来ていて抜ける事が難しい状態に陥っていた。

 そして、到着した電車が開いたと同時に流されるまま中に詰め込まれていく。


「…結局乗ってしまった 約束だから仕方無い」


 既にすし詰め状態の車内は私には地獄でしか無かったが、地獄に仏と言うか掃き溜めに鶴なのか私の目の前には素敵な光景があった。










始めは軽くアクも少ない感じでやってみました。


次回は、抹茶ミルクさんの登場です。


宜しくお願いします。

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