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自サイト掲載のものの設定変更やら加筆したものです。

(不可解だ。)


薬液の香り、不気味な人体模型、餌をねだるウーパールーパー、そして…理科部顧問と一人の男子生徒に群がる女子達。うん、いつもの光景だ。

私、こと志島耶子しじま やこは読んでいた本から顔を上げて思う。


私が不可解だと思うのは別に理科室に出来上がったハーレムではない。こうなるのは入部する前に顧問が大谷先生になった時点でわかっていた。

物理担当の大谷陽翔おおや はると先生。去年からこの学校に赴任した。この学校に勤める教師の中で一番若く独身、しかもイケメンである。当然、お近づきになりたい女子は多いわけなんだけど、担当は物理。文系女子にはなかなか関われるチャンスがない。しかし、今年から去年、定年退職されたらしい生物担当の理科部顧問の後を引き継いだらしく…その結果が、我が学校で不人気な理科部への入部者の増加だった。

そして入部者増加の原因は大谷先生だけではない。大谷先生とともに女子に囲まれている森田誠もりた せいもこの異常事態の原因だ。

入学式からびっくりするぐらいの優れた容姿で大谷先生とセットで話題になった人である。ちなみに私と同じクラスだが、全く接点はなくのでどんな人物なのかは不明。友人曰く、無愛想だけど友人は多い。また、責任感が強くて真面目。勉強もできれば、運動神経もいいらしい…。そんな彼が何故理科部に?と学校中で話題になった。

森田君が理科部に入部したことで、大谷先生狙い+森田君狙いが合体してとんでもない人数になった理科部。けれど、まともに理科部として活動しようと考えて入部したのは全部員の中で1割しか満たないだろう。


(あ、まただ…)


ぼけーっと考えながらハーレムを見ていたら森田君と目があった。しかも何故かめっちゃ睨まれる。綺麗な顔をしているから他の人よりも迫力がある。すんごく怖い。


(不可解だ。)


さっと目を逸らして本に集中することにしようとした。だけど、まだ森田君に睨まれているような視線を感じる。思わず小さくため息をこぼした。

私の最近の悩みは同じクラスで同じ部活なのに全くと言っていいほど関わりがない森田君に、何故か嫌われてしまったということだ。


(私、何かしたっけなぁ?)


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