(1)
「た、たすけてくれ・・・。」
目の前の獲物はそんな事を言っているが彼は聞くつもりは毛頭無さそうだ。
というか、彼はめちゃくちゃ腹が今減ってるから、何をされようがこの獲物を手放すはずがない。
「うるさいよ。----------------死んじゃえ。」
その瞬間、彼の指先から謎の液体が吹き出し、獲物にかかった。
謎の液体は緑と紫を混ぜたような色をしていて、非常に気持ち悪い。
「ぅ、うぁうぅあ・・・。
獲物は動かなくなった。
「めんどくさいなぁー。もっと簡単に食事出来ないかなー」
彼は獲物の腕を引きちぎり、モグモグと美味しそうに頬張ると、残りの[食料]をヒョイと担いでその場を去った。
「・・・・俺と同じなのかな。」
どこからかそんな呟きが聞こえてきた。
次の日。
「あぁ?何だてめぇら。」
昨日謎の液体を出していた青年が三人の体格のいい男達に囲まれている。
「俺らはお前の仲間だって言ってるだろうが!!」
三人のうち、髪の色が赤い男がそう言うと、青年は
「だから、俺は向こうには行かないって言ってるじゃんか!!!」
と言い、三人のうち髪の色が青い男を吹っ飛ばした。
「ぐっ・・・・くっ。」
青い髪の男は、気絶したようだ。
気絶した男の元に、三人のうち緑色の髪の男が飛んでいった。
「大丈夫か!スナ!」
青い髪の男はスナと言うらしい。
「ふん。俺の力が分かったか。なんなら説明してやろうか。」
青い髪の男を蔑むように青年は言いはなった。
「俺の力はな、すべてを逆転させる力でな、[逆さまの力]って言うんだよ。」
相手が闘う気で襲いかかって来ても、あの液体をかければ逆の気持ちの闘いたくない気持ちになったりする。
「・・・・まぁ、一旦引くぞ!スナ、リフ!」
「了解」
男達はどこかへ立ち去った。