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夏生詩集

1セント銅貨が、居りまして

作者: 夏生


1セント銅貨がなぜか

うちに居ります

一度も海外へ出たことのない我が家に

どうやって来たのか知りませんが


船で来たのか、飛行機で来たのか

太平洋を渡って遥々来たのは

間違いなく


一円玉の上に1セント銅貨をのせますと

一回りも一円玉が大きくて

1セント銅貨は玩具のように見えます


よく見ますと、

立派な髭を蓄えた男の人の横顔が

彫りこまれています

男の人の頭上には


「我々は神を信じる」と

後頭部辺りには

「自由」と

刻まれています


成りは一円玉より小さくとも

思想は一円玉より大きいようです


知りたがり虫が騒いだので

ちょっと調べてみました


髭を蓄えた男の人の偉業、

その国の独立物語、などの

一覧よりも気になったことが

ありました


1セント銅貨の価値は残念ながら、一円玉より低く

産みの親からは、もう要らない、と

手を払われたとか


可愛そうな1セント銅貨

それでどうなった、1セント銅貨!


貨幣価値はなくなっても

1セント銅貨には

何とも言えない愛着が

あるんですよ

と、暖かな眼差しの中に

1セント銅貨は守られたそうです


こうして、

波乱を乗り越え、海を越え、

小さな島国の、小さな街で、

何らかのご縁あって、

小さな私の家へいらっしゃいました


こちらでは

貨幣としてではなく

一篇の詩のモデルとして

使わせてもらっています

















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