第四幕
グラーティアがいつものカフェテラスで紅茶を飲んでいると、中からコーギがやってきた。
「グラーティアさん!」
「コーギ様、アメル様の新作はどうですか?」
「いつもよりも面白いよ。魂から叫んでるって感じ。でも、『単色小説』よりもエンタメ性があるね。」
「まぁ、『単色小説』は洗脳するようなものですからね。」
コーギがグラーティアの席から向かい合って座ると、すみませんと店員を呼んだ。
「あの、ココアを一つください。」
かしこまりました、と店員が言い、立ち去ると、コーギとグラーティアは雑談を始めた。
「アメルと会いましたか?」
「ええ。今もアシスタントを続けております。」
ココアが置かれ、コーギがそれを啜る。グラーティアは続けた。
「最近、無理することも減り、笑顔も増えております。」
「ほんと、グラーティアさん、ありがとうございました。」
「いえ、わたくしは何も……。」
「だって、グラーティアが言ってくれなかったら、私は何も知らなかった。」
「それは……、いや、これは素直に受け取っておきましょう。」
そう言ってくす、と笑うと、グラーティアは続けた。
「しかし、コーギ様も勇敢に挑んでくれました。最大の功労者はコーギ様でしょう。」
「ははっ……。」
コーギが少し笑うと、二人して空を見上げた。
雲が少ししかない、快晴だった。
「……なんだか、清々しいや。私のつっかえも無くなった気分。」
「わたくしもです。あ、そうだ。これからアメル様と会う約束をしているのです。一緒に行きませんか?」
「え、いいんですか!?行きます。」
「……ふふ、この間ぶりでしょう。」
「……そうですね。」
それぞれ飲み物を飲み干した二人は立ち上がり、アメルの元へ向かう準備をした。
この清々しい快晴が、いつまでも続きますように。




