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09.頭が良い人って羨ましい

 透真が決意した事。それは兄である朝陽に分からない部分を教えてもらう事だった。


「別に空いてるときなら良いけど、どうしたんだ急に勉強教えろとか」


「再来週期末テストがあるんだ。でも小テストとかで良い点数取れてなくてこのままだと成績悪くなるから」


「なるほどな」


 どうして天宮ではなく兄である朝陽に勉強を教わりたいのか。それは朝陽が天宮より頭が良いからだ。

 何を隠そう朝陽は今透真と天宮が通っている高校のOBであり、毎回テストでは学年一位で今通っている大学も名門の国公立大学という実績をもっているのだ。


「まず何の教科が分からないんだ」


「······数学と化学基礎」


「理系科目が苦手なのか。分かった。今日はとりあえずその2教科をやりどの箇所が苦手なのか探し教える。そして後日問題演習だ」


 朝陽は透真の苦手科目を聞いた瞬間計画を練り上げた。頭の回転が速いのはもちろんの事だがどういった勉強法が透真にとって最適なのかもすぐに出せるのは本当に凄い。

 この時透真は(やっぱり頭の良い人羨ましい)と感じていた。

 そんな事を思っているのも束の間、朝陽は早速勉強を始めようと促してくる。


「ほら、そうと決まれば早速やるぞ」


「今から!?」


「当たり前だ。成績をキープ、もしくは上げたいと思ってるなら時間は無駄に出来ない。なんなら俺はこの後バイトが入ってるんだ」


「······分かったよ」


 朝陽のバイトの都合も考え、迷っていても仕方ないと思った透真は早速数学から手を付けることにした。

 30分程問題を解いている時に朝陽が手を止めるように言ってくる。一体何なんだ。


「よし、そこまでで分からない所あっただろ。その部分を一旦教える」


「分かった」


 朝陽は範囲を一気に全部やってから解説するより範囲をもっと絞ってやった方が効率が良いと思ったのか数学の範囲の約4分の1くらい終わった頃にその範囲で分からないところを解説し始めた。


(何だこれめっちゃ分かりやすい!!)


 朝陽の解説がとても分かりやすい。今まで難しいと思っていた箇所が解説を聞いただけでスラスラと解けるようになっていた。

 そうして最初に解いた問題を再度解くと殆どが出来るようになっていた。兄貴凄い。


「こんな感じだ。だが出来ると言っても今教えたから出来たんだ。これを頭の中に定着させ問題演習を繰り返し行う事で忘れる事は殆どない」


「すげぇ······」


「ほら、次やるぞ。数学もう少しやったら次は化学基礎やる」


「分かった!」


 こうして約2週間という期間朝陽による手助けを受けテスト当日までには範囲を全て終わらせ問題演習も繰り返し行った。もちろん教えてもらった科目以外もしっかりと勉強時間に充てている。

 そしてテスト当日、勉強の成果を見せる時が来た。


「それじゃあ、初め」


 試験官の合図で問題を解き始める。

 勉強の成果が出ているのだろう。分からない問題が無いんじゃないかと錯覚するくらい問題を次々と解いていく。

 

「はい。そこまで。ペン置いて後ろの人は解答用紙回収してねー」


 今までで一番と言っていいくらい朝陽に感謝したい。そう思えるくらい手応えを感じこれならば高得点も取れるのでは無いかと思った。

 翌日の化学基礎は難易度が高く数学よりは解けなかったが70点は固いなと感じる手応えだった。

 そして期末テストが終わり翌週には期末テストの順位50位以上が廊下に張り上げられていた。

 それを見た透真は目を見開く結果だった。


「······まじか」


 なんと順位は10位だった。

 期待していた順位よりも遥かに上の順位を取れたことに驚く事しかできない。

 ちなみに朝陽に教えてもらった教科の点数は数学94点、化学基礎84点だった。もう一度言おう。今までで一番と言っていいくらい朝陽に感謝したい。

 驚いていると月島と水篠も順位を見に来たようで透真の順位を見て同じような反応をする。


「透真10位!? すげぇなどんだけ勉強したんだよ!」


「萩野君自信ないとか言ってたけどこの順位は凄すぎるよ!」


「誰かに教えてもらったのか?」


「まぁ、兄貴に······」


「俺らも透真のお兄さんに教えて貰いてぇー」


 ちょっとした笑いも起きている中透真は再び順位表を見る。天宮の順位が気になっていたのだ。

 恐らく一桁台なのだろうなと思いながら探していると天宮の名前が載っていた。一番上に。


「······あいつ学年1位かよ、しかも失点12点しか無いって······」


「透真どうしたんだ? あぁ天宮さんか。凄えよな学年1位」


「あぁ」


 これはもう天宮の頭の良さを認める他無いといった結果だと実感した。

 もちろん透真は学年10位というのはとても嬉しいことだが幼馴染の天宮との差を少し感じた期末テストだったなと思っていた。


「ただいま」


「おかえり透真。期末テストどうだったの?」


「驚く事に学年10位だ。今でも信じられないくらいの結果だった」


「学年10位凄いじゃん! ところで結依ちゃんは何位だったの? ってもう予想はついてるんだけどね」


「あぁ、予想通り学年1位だ」


「ですよね〜」


 帰ると椿が居て透真と天宮の結果を聞いてくる。透真の順位は純粋に驚いていたが天宮の順位はおおかた予想がついていたそうだ。


「じゃあ今日は透真学年10位記念で奮発ちゃいますか!」


「まじで!?」


「うん。という事でスーパーに行こう!」





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