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番外編 加害者の結末

 透真の事件から約2週間が経過した頃、朝陽の被害届が警察に届き横田はようやく事件を解決へと進ませることが出来ると思い気合が入っていた。

 早速結依からもらった映像データを調べ名前が挙がっていた五十嵐大誠、青山康太、吉田秀人の3人の家に向かう事にした。

 まず横田は吉田秀人の家に向かった。


「はーい」


「すみません、私○○警察の者で、先日の夏祭りの最中に付近の公園で起きた暴力事件について、息子さんてある秀人くんにお話があって参りました」


「うちの子が暴力事件の加害者なんですか?」


「今現在確実とまでは行きませんが疑いがあります。ですので息子さんを呼んで頂けないでしょうか」


「······分かりました。少しお待ちください」


 インターホンを鳴らすと出てきたのは秀人ではなく母親で警察が急に家に来たのだから驚くのも仕方がないと思っていたが、母親は横田からの話を聞いた途端に心配そうな表情をしていた。

 なにせ自分の息子が暴行の容疑を掛けられているのだからそれは当たり前だ。そう思いながらも母親は息子である秀人を呼びに言行った。

 待つこと数分、2階から秀人が降りてきた。


「なんすか、俺に何か用があるんですか」


「そうだ、君には少し署まで来て欲しいんだ。そこで事情聴取をしたい」


「は!? なんで俺が警察署に行かなきゃなんですか!?」


「大丈夫、疑いが晴れればすぐ家に帰れる事は約束しよう」


「······分かったよ、行けばいいんすよね」


「すまない、ありがとう」


 秀人は降りてきてすぐに自分に容疑が掛けられており今から一緒に署まで来いと言われようものなら驚きで声を荒げるのは当たり前のことだが、横田は面倒にはしたくなかった為可能性はほぼ無いに等しいが疑いが晴れればすぐに家に返す事を約束した。

 すると秀人は面倒臭そうだったがすぐに家に帰れるならいいかと仕方なく横田に付いていき署まで向かった。

 秀人を署まで送った後は青山と五十嵐の家にも同様に向かい署まで来ることをお願いしたものの、秀人と同じように何故自分の家に急に警察が来てその上署まで来る羽目にならなければいけないのか自覚していない様子で声を荒げていたが、横田は2人にも疑いが晴れればすぐ帰すと言うと大人しく署まで来てくれた。

 そして今回の暴行事件の容疑者が全員集まった。話を聞く場所は少し広めの取調室だ。


「まずは急に呼び込んでしまったことは申し訳なかったね」


「そういうのいいんで早く話を済ませてくださいよ」


「そうだね。話というのは約2週間前にこの街で行われた夏祭りの会場付近の公園で暴行事件が起きたんだが、その事情聴取をしたくてここに呼んだんだ」


「公園での暴行事件······?」


 3人は内心少しだけ冷や汗を掻きはじめていた。それもその筈、あの場には透真を加え4人しか現場に居なかった訳だし証拠という証拠も揃っていないはずだからこの様な形で警察に呼ばれるのはいささか疑問に感じていた。

 

「そうだ、そこで君たちには今から流す《《映像》》を見て欲しいんだが」


「······映像?」


 ここで横田は確実な決め手である証拠、結依が隠れて撮っていた暴行事件の最中の動画を3人に見せることにした。

 生憎結依の撮っていた動画の画質は問題無いどころか鮮明にその事件の状況がくっきりと映っていたので、3人の顔や暴行の様子もしっかりと見えていた。

 それを見た3人は急に慌て始めたのを見た横田はやはりこの3人が事件の犯人だったんだなと確信を持ち始めた。


「この映像で1人の男子高校生を多人数で暴行しているのは君達だよね? 映像にはしっかりと顔も映ってる」


「······違う、違う! こんなの出鱈目だ! 誰かがフェイク動画を作ったんだろ!」


 一番声を荒げ焦っていたのは五十嵐だった。それもその筈で結依の撮った動画の大半が五十嵐の暴行の瞬間を収めていたからだ。

 しかし五十嵐の言っていたフェイク動画の可能性、これは無いに等しいものでもあった。

 現在はAIの動画作成も話題になっているがこの動画に乗っている五十嵐達の音声はAIには真似の出来ないような激しい言葉だらけだったのと、この動画には微かだが撮影者の震えが感じ取れるような揺れがあった。そのためこの動画がフェイク動画の可能性はゼロであった。


「自分達がやったことを今すぐ認めるなら罪もそれ相応に軽くはなる。逆にずっと粘っているようならこちらも対応は厳しくなる一方だよ」


「······おい、どうするんだよ」


「ここは黙秘権を使えば何とかなるはずだ」


「黙秘権を使えば何とかなると思っているなら大間違いだよ。一応相手側から裁判なども視野に入れても構わないと言われているのでね」


「そんな······」


 横田は自分達の行った過ちを今すぐ認めれば罪は軽くすると言ってはいるものの、五十嵐達は一向に口を割る気配が無かったので横田は朝陽から伝えられていた裁判も視野に入れて解決してほしいという言葉を五十嵐達に伝えると、もう自分たちには逃げ場が無いと思ったのか絶望した様子を見せていた。

 そこからは五十嵐達は罪を認めたが、裁判の余地は無く1週間もすれば刑事裁判が行われ証拠も十分と言う事で五十嵐達は実刑判決が下され少年院に入れられる羽目となった。

 五十嵐の登校していた高校でも瞬く間に話題となりクラス学年問わず噂が暫く絶えなかったそうだ。


「なぁ、2組の五十嵐暴行で捕まったらしいな」


「3組の青山と吉田もだって」


「噂によると1人の男子高校生を集中攻撃したとか」


「可哀想だよねー」



◇???視点


 学校が終わりいつものように家に帰りリビングに行くとお母さんが険しそうな顔でテレビを見ていたので私もテレビを見てみるとそこには五十嵐大誠ら3人が実刑判決で少年院に入れられたというニュースが流れていた。


『8月未明、○○県○○市にて集団での暴行事件が起きました。容疑者は3名で五十嵐大誠······』


「あら、帰ってたの? おかえり。この五十嵐って子、確か小学生の時一緒だったわよね?」


「うん、まさかこんなことをするなんてね」


(あの五十嵐が捕まった。これは予想外だけど、今後の計画には支障は出ないし後は警察さんに任せるか。だけど気になるのはなんで捕まったか。近くで動画でも撮っていてそれを警察に提出したのかしら?)


 ???は五十嵐達のニュースを見て少しばかり驚いていたが自分の今後の計画に支障をきたすほどでは無いため事件がバレて可哀想な人達とだけ思っていた。


(動画を撮っていた人を探すのも面白そうかもね。その人は絶対に萩野透真と繋がりがある人······)


 ???は萩野透真だけでなく今回の事件を誰が解決にまで至る手助けをしたのかがとても気になっており恐らく透真と繋がりがある人だと考えていた。

 透真と繋がりがあるということは学校内もしくは家族の可能性が大いにあるので???は学校内で繋がりのある人物を探すことにした。


(2学期も楽しくなりそうね)







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