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03.天宮と萩野家

 透真達の隣に住むことになった天宮だがそんな彼女に椿は一つ疑問を持っていた。

 こういった挨拶では親が挨拶に来るのが普通だと思っているが来たのは天宮結依だったので椿は何か事情があって引っ越してきたのではないかと考えていた。


「私透真の姉の萩野椿。昔一緒に遊んだの覚えてるかな?」


「はい。なんとなくですが······」


「どうしてこっちに引っ越してきたの?」


 椿は何故こっちに引っ越してきたのかがとても気になっていた。


「親の都合というか······両親の転勤が多くてそれを見越して父が部屋を契約してくれたんです。」


 そういう事か。幼稚園の頃も親の都合で別の街に行ったんだっけか。

 恐らく両親が転校ばかりしてしまって申し訳ないから一人暮らしのマンションを貸したのだろう。

 それも偶然萩野家の隣に。


「昨日引っ越してきたってことはまだ荷解きとか色々終わってないんじゃない? 手伝おうか?」


「いえ! そんなわざわざ申し訳ないですよ」


「いいのいいの! 別に私が手伝いたいから言ってる事だから」


「······そういうことならお言葉に甘えさせていただきます」


 椿が天宮の手伝いたいと言い出し荷解きの手伝いをする事になったが透真は遠慮した。

 手伝いたい気持ちはあるが一応女子の部屋に男子が入るのはまずいと思ったため自分の部屋に残ることにした。

 2人の作業を待っている時に透真の兄である朝陽が帰ってきた。


「ただいま」


「おかえり兄貴」


「椿姉はどこいった?」


「隣の人の荷解きとか手伝ってる」


 朝陽は基本的に物静かな性格で興味を持つものがとても少ない。

 だがこの時は椿が他人の荷解きを手伝うことが今まで無かった事なので少し驚いた。


「は? 荷解きを手伝ってる? 隣知り合いなのか?」


「いや、その、知り合いというか」


 そんな会話をしていると椿と天宮が部屋に戻ってきた。

 当然朝陽はたった今帰ってきたので天宮が誰なのか全く分からない状態だ。


「終わったよ〜って朝陽帰ってたんだ」


「ちょうど今帰ってきたとこ。それより椿姉隣の人誰?」


「ああ結依ちゃんのこと? 多分朝陽も昔遊んだ事あると思うから覚えてるはずなんだよな〜」


「······もしかして透真が幼稚園児のときずっと遊んでた女の子か?」


 椿の思い通り朝陽も天宮の事は覚えていた。朝陽も天宮とはほんの少し一緒に遊んだ事があったので名前を聞けばすぐに思い出した。

 やはり透真以外も天宮の幼稚園の頃の面影はほとんど無くなっておりとても可愛くなったということを感じていた。


「俺とはそんな遊んで無かったから名前分からないでしょ。俺は椿姉の弟で透真の兄の萩野朝陽です。天宮さんよろしく」


「こちらこそよろしくお願いします。天宮結依です」


「······ところで萩野、いや透真君、この他にご家族いるの?」

「一応祖父母は居るが少し遠くの家に住んでるし両親は離婚した後消息不明だ。だから今はこの3人で暮らしてる」


 朝陽との挨拶を交わした後天宮は透真に他の家族は居るのかと質問をしたが予想外の質問が返ってきて少し気まずい雰囲気を作ってしまったのではと思い、申し訳なく謝った。


「その、ごめんね? 少し気まずい雰囲気作っちゃった······?」


「全然大丈夫だよ結依ちゃん。それよりもう夕方だし結衣ちゃん今日はうちで夕飯食べない?」


 椿は両親の件はもうとっくに慣れているため別に気まずいだのそういったネガティブな感じにはならない。

 それよりこの場を明るくしようと話題を変え今日は萩野家で夕飯を食べないか、天宮にそう提案してくる。


「いいんですか? 何から何まですいません」


「謝ることないよ! なんていうか結依ちゃんはもう家族の一部みたいなものだって私は勝手に思ってるし」


 椿の一言で天宮は目を大きく見開きとあることを感じ取っていた。この空間はとても温かく、良い空間だなと。

 

「では、今日はご一緒させていただきます!」


「いいね、そうと決まれば皆で買い出しに行こう!」


こうして萩野家と天宮でスーパーに買い出しに行くことにした。






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