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27.結依の行動

 その日はもう夜0時を回っていたのですぐに宗一郎の家に戻る事にした。

 結依は帰る際に今後どうやって透真を助ける為に動けば良いのか考えていたが、もう一つ懸念点も抱えていた。それは高校をどうするかだ。

 現在日時は8月15日金曜日で、結依達の学校が始まるのは約1週間後の25日から始まるが透真がこの1週間で怪我だけでなく精神面も完璧に治るとは結依は考えていなかったので学校を休んで透真に付き添うか、学校に通うか迷っていた。


「朝陽さん、私、学校に行った方が良いんでしょうか」


「どうしたんだ急に」


「透真は多分、あと1週間で完治はしないと思っていて、それだと学校が始まってしまって、透真に付き添った方が良いのか、学校に通った方が良いのか迷っていて······」


「無理をして付き添いをしなくてもいいよ。俺も出来ることのサポートはしていくつもりだから」


「分かりました。ありがとうございます」


 宗一郎の家に着き、玄関を開けそれぞれの部屋に入ろうとし結依が部屋のドアノブに手を掛けた時に朝陽がその手を止めてとある事を提案してくる。


「暫く、椿姉は1人にさせてあげてくれないか? 多分天宮さん以上に椿姉は負い目を感じている筈だから」


「そうですか、分かりました」


「それで暫くは俺達の部屋を使って欲しい。俺は1階のソファで寝るから」


「そんな、申し訳ないですよ」


 椿は朝陽達より先に帰ってきていたので部屋に居るのは分かってはいたが今の椿は精神的に負い目を感じており立ち直りまで時間が掛かると朝陽は思っていたのでその部屋に結依を入れるのは少々まずいと感じていたので朝陽と透真の部屋を使わせる事にした。

 だがそれだと朝陽が寝る部屋が無くなってしまうが、朝陽はリビングのソファで寝るとの事だった。それに結依は自分の為に寝床を借りてしまうのが申し訳なく感じていたが朝陽は問題無いとの事だったので言葉に甘えて朝陽達の部屋を借り寝ることにした。


「······取り敢えず明日はあそこに行ってみよう」


 朝、結依は昨日の事もありあまり寝付けずにいてようやく眠りについたのは2時頃だったので起きたのも相対的に遅くなってしまい時刻は9時半だった。

 急いで支度をし、今日の目的の場所へと向かう準備を済ませ玄関に向かうとリビングでソファに座っていた千代子が結依に話しかけてくる。


「あら天宮ちゃん、どこかに行くの?」


「はい。少し用事があるので」


「それなら宗一郎さんに送って行って貰ったら? 外とても暑いわよ?」


「いえ、割と近い場所なので自分の足で向かいます。お気遣いありがとうございます」


「そう。気をつけて行ってらっしゃい」


 千代子は8月と言うこともあり猛暑なので出掛けるとの事ならば宗一郎に車で乗せてもらい行ったほうが良いのではないかと提案してきたが、結依の行こうとしている場所はどうしても一人で行かなければならない場所だったので千代子の気遣いに感謝しつつ自分の足で向かうことにした。

 歩く事20分程、千代子には近い場所と伝えたものの、場所は少し家から離れた場所だった。


「······よし」


 目的地というのは警察署だった。どうして警察署に行くのかというと昨日の事件を結依は少しばかりではあるものの、事件の証拠となるような動画を押さえていたのでこれを警察に提出すればあの五十嵐達に一矢報いる事が出来ると考えていた。

 警察署に入り、受付の方まで向かうと女性の人が結依の事を対応しに向かってきた。


「こんにちは。何か御用ですか?」


「はい。あの、昨日この地域の○○公園の付近をパトロールしていた警察の方にお話がしたく来たのですが」


「○○公園付近でパトロールをしていた警官ですね、分かりました。確認しますのでそちらの待合室にて番号札を持ってお待ち下さい」


「分かりました」


◇警察官視点


 俺の名前は横田賢治よこたけんじ、警察官だ。

 先日、夏祭りということもあり窃盗などの事件が多発することを踏まえ付近のパトロールをしていた時に、高校生らしき男性が数人数で一人を暴行していた所を丁度発見した。

 病院から暴行を加えられた少年は今のところ順調に回復しているとの連絡を頂いた時は一安心できたが、今回は事件として一応報告書として書かなければいけない為今事件の内容を書いている最中だ。


「横田さん、横田さんいらっしゃいますか?」


「はい、何でしょうか」


「先程、横田さんと話をしたく署に来た女子高生が居るのですが今お時間ありますか?」


「ええ、大丈夫ですが」


「でしたら2階の応接室にて待機をお願いします」


「分かりました」


 すると職員から俺に話がしたいという人がいるとのことで呼ばれ空いている応接室にて待機しておいてと言われた。

 一体誰なんだと思いながらも俺は人が来るのを待っていた。


◇結依視点


 受付の人から番号札を持って待つように言われ始めてから約15分程経った頃に受付からのアナウンスで自分の番号が呼ばれたので早足で受付まで向かうとさっきと同じ人が対応をしてくれた。

 

『番号札15番の方、受付までお越しください』


「お願いします」


「受付番号15番ですね。先程確認したところ対応可能との事でしたので2階の応接室までご案内します」


「分かりました」


 受付の人が案内をしてくれるとのことなので受付の人の後ろに付いていき、階段を登ってすぐのところに応接室はありそこに着くと受付の人は使用時間と部屋の使用注意事項等を伝え、その後は一礼し戻っていった。

 この部屋に、あの時透真の為に救急車を呼んでくれた、少なからず助けてくれた警官が居る。

 深呼吸をし、部屋のドアをノックすると「どうぞ、お入りください」 と籠った声が聞こえたので結依はゆっくりとドアを開き部屋に入る。


「失礼します」


「どうぞ、お掛け下さい。私、○○警察巡査の横田賢治と申します。」


「私、高等部1年の天宮結依と申します。本日は貴重なお時間を頂き感謝いたします」


「それで、お話とは一体······」


「先日の、夏祭りの時の暴行事件でお話があります」





 




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