表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/35

02.偶然にもほどがある

「え?本当に天宮結依なの?」


「だから言ってるじゃん天宮結依だって」


 今目の前で萩野の話しているのは幼馴染である天宮結依だ。

 だがしかし萩野と天宮は約10年間会っても話してもいなかった。それには大きな理由があった。

 天宮は幼稚園を卒園後親の仕事の転勤の都合上で別の街に行かなければならないため必然的に萩野と離れてしまった。

 そして萩野にも様々理由はあるのだが...


「それにしても萩野君背結構伸びたよね。幼稚園の頃は私の方が大きかったのに」


「幼稚園児の身長差なんてほとんど無いようなものだろ」


 幼稚園の頃は天宮の方が身長が大きかったらしいのだが今では萩野は176cm、天宮は157cmと結構な差が出来ていた。


「それより天宮、その、何時からそんな可愛くなったんだ······?」


「気になる? 中学2年だったかな? その頃雑誌で見たモデルさんがすんごい綺麗でね、そこから美容とかオシャレに気を使うようにしたの」


「2年そこらでそこまで行くのか······」


 萩野にとって天宮の小中時代は全く分からない事だが確かに肌は白く化粧をしているのかと思うくらいだが校則でメイクは禁止されているため恐らくすっぴんだろう。

 

「ところで用ってのはもう終わりか? 終わりなら早く帰りたいんだけど······」


「用は確かにもう済んだね。ごめんね? 急にこんな事しちゃって。あ、最後に連絡先交換しようよ」


「まぁ良いけど」


 別れ際に天宮から連絡先の交換をしようと頼まれ仕方がなく天宮と連絡先を交換した。

 これで用は済んだためお互い家に帰ることにした。


「じゃあ萩野君また明日ね!」


「言っとくが学校内では俺と天宮が幼馴染だって事は隠しておけよ」

「なんで?」


「幼馴染だってことがバレたらお前だけじゃなく俺にも被害が来る。それだけは避けたいんだ。」


 萩野の言う通り天宮は今後学校一の人気者になるだろう。その状態で萩野との関係がバレようものなら被害は天宮だけに留まらずこちらにも被害がくる。

 萩野はその状況だけはどうしても避けたいのだ。


「まぁそこまで言うなら黙っておくけど」


「助かる。そういうことでまた明日」


「うん。バイバイ」


 そう別れの言葉を告げてお互い家に帰る。

 家に帰ると萩野の姉が家にいた。どうやら今日は大学は休みだったらしい。


「おかえりー 高校生活初日はどうだったの?」


「まぁまぁだった。クラスも月島と水篠とまた一緒だったし」


「そこの3人組は今後も崩れる事は多分無いんだろうね」


 ソファで寛いでいる女性は透真の姉、萩野椿はぎのつばきだ。

 現在萩野家は透真と椿の他に長男の朝陽あさひがいる。両親は昔離婚しその後最初は母親のもとで過ごしていたがとある日を境に母親が帰ってくることは無くなり今は3人でこの家に住んでいる。

 一応祖父母の繋がりはまだ残っているので生活費などの必要最低限は給付してくれる。

 その他の出費は朝陽と椿のバイト代で賄っている。


「あと······」


「ん?」


「天宮結依って覚えてるか? 幼稚園の頃俺と遊んでた女子」


「天宮って······あの天宮結依ちゃん?」


「あぁ、高校が一緒になったんだ。俺は完全に忘れてたけど」


 椿は天宮が幼稚園の頃透真と一緒に遊んでいた為名前を聞くと思い出した。やはり10年近く会わず話さずだと記憶が薄れていってしまうものなのだなと考えた。


「良かったじゃん結依ちゃんと一緒で」


「昔なら良いと思ったんだろうが今は半分良かった半分不安だ」


「どうして? 久々に会えたんだもん嬉しいに決まってるじゃん」


 椿の言う通り普通なら幼馴染と久々に出会った喜びを分かち合うはずだが今は違う。

 天宮は今学校中で注目を集めている為そんな天宮と透真が幼馴染だと分かった瞬間被害は透真の方向にも来るからだ。


「あいつは今学校で人気者なんだよ。そんなやつと幼馴染だという事が知れ渡ったら俺にまで被害が来るかもしれないだろ?」


「確かに透真は目立つこと嫌いだしね。昔の事もあるし」


 透真は卒園後地元の小学校に入学したが小6の頃にとある事がきっかけでいじめの被害を受けてしまってからは人前で目立つ行為はしないように心掛けてきた。

 また人前に立ったらいじめを受けるのではないか、笑われるのではないか、そういった不安が透真の心の奥底にずっと根付いてる為、今回の事も安全とは言い難いため不安を感じているのだ。


「まぁな、今回はあっちが気をつけてくれれば被害は出なさそうだし」


「そっかぁ、まぁそんな話は置いといて透真、お昼食べてないでしょ? 何か作ろうか?」


「いいの? じゃあお願い」


「あいよ」


 昼ご飯は椿が作ったご飯を食べのんびりしていると家のインターホンが鳴り椿が対応する。


「はい、どちら様ですか?」


「あの······昨日からお隣に引っ越してきた者で一応ご挨拶をと」


「ああどうも!私萩野と申します!よろしくお願いします〜」


「えっ······萩野······?」


 家を訪ねてきたお隣の人が萩野という苗字を聞いて反応がおかしくなった。

 透真はなんだお隣が引っ越してきたのかと一応裕太も挨拶しようと玄関に向かった瞬間


「あの······もしかしてこの部屋に萩野透真君っていらっしゃいますか?」


「え?」


「は?」


「なんでここいんの天宮!?」


「ええ!?さっき話してた結依ちゃん!?」


 神様がこの世に存在しているなら質問したい。何故急に天宮結依と関係が近くなったのか。

 お隣に引っ越していたのはなんとさっきまで話していた天宮結依だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ