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13.週末デート...?①

 土曜日、朝8時。透真は深刻な顔で朝を迎えていた。何故なら透真は昨日殆ど寝ることができなかったのだ。

 寝れたとしても約1時間で流石に気を抜くと二度寝しそうなくらい眠気が凄い。

 しかしここで寝てしまえば結依との約束を破ってしまう為それだけは何としてでも避けたいと危機感を感じた透真はベッドから起き上がる。


(······まずい、本当に眠い)


「おはよう姉さん、兄貴」


「おはよう、ってどうしたの透真!? クマ凄いよ!?」


「絶対寝れてないだろ。大丈夫なのか?」


「······あぁ、大丈夫、それより準備して行かないと」


 椿と朝陽にも挨拶はするが2人からも透真がかなりの寝不足なのが分かるほどだったので心配であった。

 透真は眠気を少しでも無くそうと最初に洗面台に行き冷たい水で顔をよく洗うと少しだけだが目が覚めた気がした。

 その後は朝御飯を食べ歯磨き、着替え等を終わらせ時計を見ると9時を過ぎた頃だった。

 ここから駅まで大体20分程かかる為今から出れば30分前後には着くだろうと考えていた。


 準備を終え、玄関で椿と朝陽に挨拶をする。


「じゃあ、行ってきます」


「行ってらっしゃい。結依ちゃんと楽しんできてね」


「気をつけてな」


「うん」


 挨拶を終えた透真は駅に向かい、歩いていく。

 その頃結依はというと······


「あぁどうしよう!?」


 結依は服選びに悩んでいた。

 髪はいつものロングウルフ系の髪型だ。この髪型は自分でも気に入っている為このままでも大丈夫だと思っていたが問題は服選びだった。

 昨日の内にやっておけば良かったなどの後悔が浮かんでくるがもう時間が無い。


「こっちの服は少し色鮮やかでお洒落だけどこっちは逆にシンプルで可愛いし······」


 仕方なく目に入った白黒のワンピースにする。これで透真が何も言ってくれなかったらどうしようなどという不安もありながら結依も9時30分前程の時間に家を出た。


(服装とか髪型、おかしくないよ、ね?)


 服装など外見に今日はこれでもかというくらい確認したのだから大丈夫だろうと思い駅に向かう。

 駅に着くとそこにはもう透真が待っていた。


「透真ごめん! 待たせちゃった?」


「いや、気にしなくていいよ」


「ありがとう...その...今日の服、どうかな...?」


「服、いや、可愛いと思う、とても······」


「そう? 良かった······」


 透真は結依に照れ隠しをしながらも可愛いと評価した。透真は今日の結依はなんだが一段と身だしなみに気を使っているような感じがした。

 お互い早く着いた為10時の電車より1本早い電車に乗ることにした。


「電車ちょっと早いのに乗ろうか。ここで待ってるのもあれだし」


「そうだね」


 電車がホームに到着し、2人は電車に乗る。

 今日は休日という事もあり混雑していても仕方がないと思っていたが思っていたより席が空いているところがちらほら見られた。

 入口からすぐ横にある席が丁度2人分空いていたので2人はそこに座ることにした。


「今日休日だから混むかと思ったけど座れてよかったね」


「そうだな」


『ドアが閉まります』


 駅員がお知らせを行い、ドアが閉まり、電車が目的地に向かう。

 電車では2人とも遠くの景色を眺める事が多く、話す事はあまり無かった。というのも透真は今にも寝てしまいそうなくらい瞼が重かった。


(······やばい、このままだと寝てしまう)


 そう思っているのも束の間透真は寝てしまった。

 それに気づいた結依は少し恥ずかしながらも透真の事をじっと見つめていた。


(寝るなら私の方に寄りかかってくれても良かったのに······)


 そんな事を思いながらも寝不足の透真を起こすわけにもいかないのでそっとしておくことにし、結依は一人ずっと景色を眺めていた。

 眺めている間に時間は過ぎていき目的の駅の一つ前まで来たのでそろそろ透真を起こそうと結依は透真の事を揺すり起こす。


「透真、そろそろ着くよ」


「······ん、あぁ、悪い。寝てしまってた」


「いいよ全然。透真眠そうだったし」


「ありがとう」


『次は、○○、○○です。お出口は右側です』


 駅員のお知らせで2人は席を立ち電車から出ていく。

 駅を出てすぐ右を見ると新しく建ったかのような新しいショッピングモールが大きく建設されていた。まさかとは思うが水篠が言っていたショッピングモールとはこのことだったのだろうか。

 まさか遊びに行くところが今日の予定地だったとは思わなかったので少し苦笑いを浮かべる。


「あのショッピングモールだよ。今年3月くらいに完成したの」


「3月って本当に最近だな」


「しかもあのショッピングモールはここ周辺だと一番のテナント数なんだって」


「凄いな」


 行き先のショッピングモールの事は結依は全て知っているかの様に透真に沢山教えてくる。恐らく今回の買い物に対してこれでもかとネットなどで情報を集めていたのだろう。

 その話をしている内にショッピングモールに着いた。


「まずは何処に行きたいんだ?」


「最初はお洋服見たいからお洋服屋に行くよ。それとあの人気アニメの映画も見たい!」


「あのアニメの映画か。俺もいつか見たいとは思ってたし。それなら最初に席取っておいた方が良いんじゃないか?」


「それもそうだね。じゃあ最初は映画館に行こっか」


 結依は買い物以外にも某人気アニメの劇場版が最近公開されたので見たいと思っていた。これは透真も一緒で都合が良い時に見たかったのでナイスタイミングだった。

 映画館に着き席の予約をする。さすが人気作品と言わんばかりに席はほとんど埋まっていたが、運良く席が隣り合わせで2席空いていた。


「透真! ここ2席空いてるよ!」


「本当だ。ラッキーだな」


 人気なのですぐさま取らないと別の人に取られてしまうため速攻で席を取った。神様は俺達に味方してくれたようだ。

 席も取ることが出来たので結依の買い物に付き合う時間となった。


「少し着替えるから待ってて」


「分かった」


 結依は気になる服を何着か手に取り更衣室で着替えている。透真は少しだけ結依が手に取った洋服を見たがどれも雰囲気は結依に似合いそうな物ばかりだった。

 まぁ学校一の美少女と言われているのだからどの服も基本的似合うのは間違い無いと思っているがその中でも良し悪しはある。

 そんな事を考えていると結依が着替え終えたようで透真の事を呼んでいる。


「透真、着替え終わったよ」


「あぁ、出てきていいぞ」


「······どう、かな?」


 結依が最初に着てきた服は薄い青色の花柄があり白がベースのワンピースだった。

 透真の思った通り結依には白系の服は似合う。


「······あぁ、その、綺麗?」


「感想が単純すぎ!」


「なんて言うんだ、清楚感? が出てるなぁって」


「······透真は次のお出掛けまで女の子の褒め方を勉強して来るように」


「······誠に申し訳ありません」


 透真は今まで椿以外の女子と出掛けた事は一回も無かった為服の良し悪しが分かっても服の感想までは詳しく伝えることができなかった。

 この事から透真は人に感想を言う時はもっと詳しく言わないと駄目なのだなと実感した。


「もぉ。じゃあこの4着から透真が一番良いと思った服買うから」


「ごめん」


「別に謝らなくてもいいよ。今後透真がもっといい感想言ってくれたら嬉しいなって」


「分かった。頑張るよ」


 その後、結依の選んだ4着を全て見たが、最初に見た花柄のワンピースが一番良かったので結依はその服を購入した。

 透真に選んでもらったからなのか服を買った結依は何かと嬉しそうな雰囲気を出していた。


(この服、大切にしようっと)


 





 



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