減らない本の山
話が乗って即興で描いた奴
売れっ子作家がある所のホテルに缶詰にされておったそうじゃ。後ろにはこわーい編集さんが居り。作家さんの前に本の山を次々に追加していき。いくら書いても延々とサイン本の山は消化しきれず日が暮れ時間の感覚もなくなったそうな。
そのまま本の山に埋もれて気付けば日もとっぷりくれた頃、ぎぃと扉の開く音が聞こえ振り向けば新しい段ボール箱が追加されておったそうな。それを見て作家さんは流石に休憩をしようとしてベッドに横にならせて寝させて貰った。だが、がやがやとうるさい音に薄目を開けて部屋の中を見ると、編集長が来ておりサイン会の打ち合わせをしてたそうな。それからその作家さんは来る日来る日もサイン本を書きあちこちの書店を連れ回されて気づけば1週間経っておったそうな。
這々の体で何とか家路につくことが出来、ベッドに寝て起きたと思ったら、外からドンドンとうるさい音が聞こえ外を覗いて見れば玄関には打ち合わせをすっぽかされて怒ってる担当さんと手元のスマホは着信の履歴で埋まり、気付けば数日間眠りっぱなしだったとさ