世界
悪者正体やいかに!?
「う~ん……。いてて……。ポタンめ本気で魔法を撃ち込みやがって……。あれ?皆は?」
気絶から目が覚めると、元気は周りを見渡す。
「ひでぇ……。置いて行ったのか……。フフフ……。まったく……ツンデレな奴らめ……」
気絶してるフリをしている間に言われた、褒め言葉が嬉しすぎて、その前の罵倒は全て忘れた元気だった。
「さて、急ごう……。フフフ……。以外に役に立つ俺が、素直な俺が、ポタンを守らなくては!」
ポタンの懸念通り、調子にのる元気だった。
元気がゲートを潜るとそこには、草原だった。
「あれ?ボス部屋じゃ無いのか?……!ミリャナの匂いがする!」
元気がミリャナの匂いを辿って視線を送ると、草原の中心に、白いテーブルと椅子……そこで、お茶を飲むミリャナの姿を発見した。
「ミリャナ!悪党も一緒か!俺が無実の罪で酷い目にあっている間に、ミリャナと楽しそうにお茶なんか飲みやがって!絶対に許さん!……」
悪党に怒る元気だったが、電撃は元気のやって来た事の結果。無実では無い。
「……でも……何か、楽しそうだな……。お~い!俺もまぜてよ~!」
自分の気持ちに素直な元気だった。
元気は階段を降りミリャナ達に駆け寄る。
「あ!元ちゃん!お疲れ様……」
「うん!ミリャナが無事で良かった!」
「フフフ……。心配かけてごめんね……」
「ハハハ……。何言ってんだよミリャナ……。ミリャナになら、何をぶっかけられてもいいさ!……」
「元ちゃん……。フフフ……ありがとう」
「……。やっぱり、正体はお前だったか……スラト……」
なんと!?悪党の犯人は!町で元気がクッキーをあげた。白いアルビノの少年!スラトだったのだー!
スラトは楽しそうに微笑んでいる。
「なんと!って……。殆ど先バレしてるじゃ無いかフフフ……」
「?先バレ?誰と話してるんだ?スラト?」
「ん?何でも無い」
メタは良いが……。作者に話しかけるのは辞めていただきたい。
「ごめんごめん……。気を付けるよ……。まぁ、座りなよ元気……」
「あ、あぁ。まったく、何でこんな事したんだよ?」
元気は椅子に座り、自分のお茶を準備すると、少なくなっているお茶菓子を補充する。
楽しそうなので、元気は少し居座るつもりだ。
「それは……。物語が……。いや、約束したろ?祭りの時に、僕とも遊んで。って……。なのに、途中でここに来るの辞めちゃうんだもん……」
スラトが少しいじけた様子を見せる。
「前もって言ってくれれば、ちゃんと来たのに、まったく……。まぁ。ミリャナも無事だし、もういいよ……。ってか他の皆は?」
「29階層の迷路に送ったよ……。あのままじゃ。話しをする暇も無く日が暮れちゃうよ……」
「……うん。そうだな……」
「ミリャナさんには、僕がお願いして色々と協力して貰ったんだ」
「なるほど、だからミリャナはあんなお芝居をしたのか……」
「だって……。元ちゃんと遊びたい。って、スラトが言ったのが嬉しくて……。それに、約束したんでしょ?」
「……うん」
すっかり忘れていたが、とりあえず元気は返事をする。
「フフフ……。面白かったよ。ありがとうミリャナさん。元気」
「私も楽しかったわ。フフフ……」
「俺は、地獄だったけどね。まぁ。皆が俺の事?本当は、好きだってのが解ったから、良いけどね~!フフフフ~」
元気が腕を組んで胸を張る。それを見てスラトと、ミリャナが笑う。そして、それが嬉しくて元気も笑った。
笑いが収まると、元気はお茶を一口飲む。そして、本題に入った。
「遊びたいってのは、解ったけどさ……。スラト。お前一体何者なんだ?マーリュクやユグドリアスから感じる神のオーラも無いし……でも、普通の人間……じゃぁ、無いんだろ?」
「フフフ……。やっぱり気になる?」
「当たり前だろ?ダンジョンをいじくり回して……。あぁ、昔、召喚された子供ってのがスラトなの?」
「いや、彼は遠い昔に、何処かに行って死んじゃったよ。ここで遊ぶのに飽きちゃったみたい……。大人になっちゃったんだ」
「何だそれ?……大人になったって……。それじゃ、俺はまだ子供で、子供だから呼んだって言いたいのかな?スラト君?」
元気がスラトに凄む。
「ハハハ……。怒らないでよ元気……馬鹿にしたんじゃ無いよ。まぁ、アレだね、色々とあるでしょ?大人になると……」
スラトがミリャナを見やる。それにつられる元気。
「…………。なるほどな……。俺も早く大人になりたい物だ……」
元気は、大人になる。の意味を理解した。
「元ちゃんは、そのままで良いわよ……フフフ……」
「そ、そう?ハハハ……」
ミリャナは、大人になる。の意味を理解出来ていない様だった。
「フフフ……。ミリャナさんは手強そうだね元気」
「まったくだ……。でも、そこが良いんだけどね……」
「そうなのかい?元気は、ドMなんだね」
「こら!子供がそんな事を言うんじゃ無い!しかも俺は、何処でもドMな訳じゃ無い。ミリャナ専用ドMだ!」
「フフフ……。そうなんだね。やっぱり元気は面白いな……」
「ハハハ……。そうか?」
元気も楽しいと思う。おっとりとしたスラトとは、とても気が合うのだ。
「ねぇ?元ちゃん。ドMって何かしら?私専用って事は私もドMなの?…………。ちょっと!二人とも何で笑うのよ!?もう!知らない!」
「ごめんごめん。ミリャナ……。怒らないで……。今度教えるよ」
「約束だからね!」
「フフフ……。その時は僕も呼んでよ……見てみたいな……ハハハ……」
「呼ばないよ!ったく……。フフフ……。それで?スラトは一体何者なんだ?神では無いんだろ?」
「そうだね。僕は神じゃ無い。だからオーラも無いよ。……だって、僕は世界なんだから……」
「は?」
「この世界『ラスト』それが、僕さ」
ラストの言う事が、まったく理解出来ない元気だった。
少年の正体は世界そのもの『ラスト』でした!
魔族を蘇生した時に制限が掛からなかったり。ダンジョンの設定をイジれたのもこう言う理由ですw
皆さんは解ったかな?w
次回は、ダンジョン攻略報酬の話しですw
ダンジョンを攻略すると……。何が手には入るか……覚えていますでしょうか?もちろん、元気は忘れています!w
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