VSロボット
格好いいじゃなく……面白いを突き詰めて行きたいと思いますw
「元気!囮は私に任せろ!」
「フェルミナ!?アイツ勝手に……。マーリュク!ポタンを頼む!」
元気が急いでポタンをマーリュクに渡す。
「え!?いいわ!任されたわ!この美人で可愛いこの……って聞きなさいよアンタ!」
「後でな!露死南無天!俺達が前線に出るから、後方でサポートを頼む!」
「うむ!任された!フフフ……。いいのぉ。この緊張感……。若い頃を思い出すでござる……。土遁:泥沼の術!」
ロボットの足元に泥沼が現れ。動きを封じる。そこへフェルミナがすかさず斬りかかった。
しかし、ギイィン……!と衝突音がしただけで傷一つ。つかない……。
「くあ~!硬すぎる~!反動で全身ビリビリするぞ!」
「フェルミナ!どけ!機械の弱点は、雷魔法なんだ!うらぁ!サンダー・ボルト!」
「げ、元気!?ま、まだ。反動が!ちょっとま……ぎえぇぇぇぇ!」
バリバリバリ!っとフェルミナの絶叫と一緒に、雷音が辺りに響き渡る。しかし、ロボットは傷つかない……。
「元気!貴様!何をするか!馬鹿者!」
黒焦げになったフェルミナが怒る!フェルミナには高い魔法耐性がある様で無事だった。だが。髪の毛がチリチリだ……。
「ご、ごめん。フェルミナ。ってか反動があるなら先に言って突っ込め……ってか突っ込むな!」
「仕方ないだろう!全力で行かなければ弾かれるんだから!」
「フェ、フェルミナ!?後ろよ!ビームがーー」
「ーー馬鹿者!油断しすぎじゃ!風遁:風風車!」
「ふあぁぁぁあぁ…………!」
露死南無天が出した風で、レーザーを回避する事には成功したが……フェルミナがクルクルと何処かへ飛んでいく。
「ちょっと!馬!フェルミナが可哀想じゃない!」
「可哀想じゃと?死にたいのか!?馬鹿者!気を引き締めろ!遊びでは無いのじゃぞ小娘!!!」
「ひっ……」
戦いに集中している露死南無天がマーリュクを怒鳴ると、マーリュクが萎縮してしまった。
「あ……。す、すまぬでござる……。つい昔のクセが……。しかし、一度真っ二つになっているのでござろう?今度は死ぬかもしれん。気をつけるでござる……」
「うん」
「うむ。素直な娘は可愛いでござる」
「……へへへ」
マーリュクが露死南無天にデレた。
「元気!どうでござるか?」
「駄目だ!魔法がほとんど効かない!」
「うぬ……。ポタンよ。何かよい策は思いつかぬでござろうか?」
「外が硬いだけなのよね……多分……。パパ!あれの中に電撃を放ってみて!」
「中に……なるほどな!内側からショートさせるのか!おっし!やってみる!うわ!あぶね!」
ロボットが元気にレーザー銃を連射する。そして、背中のブースターを点火させ……沼から上空へと飛び上がった。
「逃げても無駄だ!俺の魔法はイメージだけで、そこに発生させられるんだからな!喰らえ!サンダー・ボルト!」
バチバチバチっとロボットの内側から稲妻が走る……「やったか!?……ぐあぁ!?」……ぴゅんとレーザーが元気の腹を貫いた。
「パパ!」
「まったく……。油断しすぎ……ヒール!」
マーリュクがすかさず、元気の回復をする。フェルミナの回復担当のマーリュクは、仕事が早かった。
「うわ!すご!速攻治った!ありがとうマーリュク!」
「ふん!いいわよ!それより!前を見なさい馬鹿!」
「うわ!危な!本当に早すぎだろ!ってか!何で効かないんだよ!機械に電気はテンプレだろ!うわ!くそ!ソードをブンブン振り回しやがって!避けるだけでもひと苦労だ!」
「元気!加勢する!」
髪の毛が。雷と風でグシャグシャになったフェルミナが、前線復帰した。
「え?……あ!フェルミナ?……お、おう!行くぞ!」
元気とフェルミナが、スイッチしながら。次々に剣技を繰り出す。
『シュベルアル・スラッシュ!』『チョコ・クッキー』『ヴォルガ・オルガ・ニスタ!』『オーガニック・オニオン・ステーキ!』『ラッシュ・ゴンボ・オメガ!』『エビ・アボカド・カルパッチョ!』『大好・パンツ・勲勲アタック!』『ウマシ・オニギリ・エビマヨ!』『ミリャナ!大好剣』『パフェ!タベターイ』
厨二っぽいのが元気。食べ物がフェルミナだ。2人とも叫んではいるが。剣を打ちこんでいるだけだ。
「クッソ……。硬すぎる。足止めしかできね~!パンツァー・ホワイト!」
「しかし、相手は防戦一方だ!これならば。100年もあれば削れ切れる!ワタシャー・ダンゴ!」
「エルフの時間で考えるな!馬鹿!俺もミリャナも寿命で死んじゃうだろ!ヘヴンリー・ドルフィン・アタック!」
「そうだったな!不便だな人間は!アイス・クリーム!」
戦闘は拮抗状態に入る。
「ぐぬぅ……。空を飛ばれては、拙者にはどうしようもござらん……。変身も禁じられておるし……」
ポタンに。変身は切り札になるから。使わない様に。と露死南無天は言われていた。
「だ、大丈夫よ。露死南無天!その内チャンスがくるわ!」
「うむ。其方の言う通りでござるな!ありがとうマーリュク」
「えへへ……」
マーリュクが、露死南無天になついた。
「どうすれば……」
ポタンは深く考える……。機械の弱点は電気。基本だ……。いくら対策をしたとしても、絶対に効かない。と言うのはおかしい……。
何故効かないのか?絶対防御だから……。じゃあ、どうやってあれは動いているのか。それは……魔力……。絶対防御も魔力……。
魔力切れを狙う?……でも、魔力が切れる気配は無い……。
魔力……を流し込んで暴発させる?……あの強度……。無理ね。パパの魔力そのものが充電されてもっと手がつけれ無くなる……。
もっと。視野を広げるのよポタン……。
露死南無天の何にでもなれる能力で、同士討ち……。無理ね。パパ達が死んでないのが証拠……攻撃力はそこまでない。
やっぱり……。活動限界を狙う?……。何年かかるかしらね……。却下。ハァ……。あれを作った人間は……相当な性悪ね……。
作る……?どうやって?そんなの魔力に決まってるじゃない……。でも。過程工程がそこにはある……。
そして、これは神々のゲーム……。ゲームであれば……攻略法があるはず……。いったいそれはなに……。解らない……。
でも。ひとつだけある……。知る方法が……。機械に通じるか解らないけど……。やる価値はあるわ!
作られた道具であっても。それには、ちゃんと作られた歴史と、記録があるのだから!
「パパ!『アカシックレコード』で、そのロボットの過去を見て!ゲームなんだから攻略法があるはず!」
「そ、そっか!さすがポタン!」
「でも。消滅は駄目よ!死んだ人が生き返ったり、下手したらダンジョンが無くなったり。どうなるか解らないから!」
「解った!フェルミナ!少しの間。頼む!」
「あぁ!解った!」
元気はロボットから、少しの距離をとる。
以前。元気はポタンとアカシックレコードの研究を行っていた。
アリを使った実験だ。
アリを繁殖させ、巣穴を作らせた。
そして。最初の1匹にアカシックレコードを発動する。すると。アリの記憶が、走馬灯の様に流れ。脳に浮かんだ消したい映像を消す。実験の時は、アリの卵の映像を消した。
そして。アカシックレコードを解除すると……「パパ?何やってるの?そんな所で?変な顔して……キモいよ?」……ポタンのアリに関する記憶。記録も全て……。繁殖したアリ……そして、繁殖に使った箱ごと……消えてしまったのだった。
その後。元気が実験の結果を、ポタンに話して聞かせた。
「これを人間でやったら、大変な事になるわ……。絶対!しちゃ駄目よ!パパ!使ったら、ママと一緒に出て行くからね!」
それから、元気はアカシックレコードを封印したのだった。
元気がロボットを見据える。
「自分でもこんなの、忘れてたぜ!『アカシックレコード』発動!」
元気にロボットの記憶が一気に流れ込んだ。
「かっは!キッツ……何百年分の記憶だ……。これ……。はぁ……はぁ……くそ!」
記憶の記録の多さに、元気の精神と脳が疲弊する。
「げ、元気!ちょっと!大丈夫なの!?アンタ!鼻血が……!?しかも。何で泣いてんのよ!?痛いなら言いなさい!とりあえずヒールするわ!えい!」
怪我人に優しいマーリュクだった。
「ありがとう。はぁ……。はぁ……。あぁ……。大丈夫……。。……コイツ……。相当殺してる……。酷すぎだ……。そして。解るかよ……こんなの!」
元気がダッっとロボットに駆け出す。そして……。ロボットのクビ元についた。スイッチをオフにした。
その後。ロボットの動きが止まり。魔石に変わった。
「な、何をしたのだ元気?」
フェルミナが驚きながら。元気に近寄る。
「……。スイッチを切ったんだよ……。おもちゃのスイッチを……」
「おもちゃ……。あれが……おもちゃか……」
フェルミナが、魔石になったロボットのを見て驚く。
「俺達が、ロボットで遊ぶのと……同じ感覚なんだろ……。人殺しも含めてな……」
元気は腹が立つのと同時に、今現在。神と一緒にいるであろう。ミリャナの事が心配になった。
そして。ゲートの前に出現した宝箱の中には、古いガンプラが1つ入っていた。
「いらねぇ……。こんな物の為に……あんなに人が……。。……みんな。先を急ごう。ミリャナが心配だ」
こうして。ロボットに勝利した元気達は、次の階層へと進むのであった。
アカシックレコード……出て来ました~が。人間が使うにはキツイ能力ですね~。人の記憶のすべてが入って来る……。気が狂うと思いますw
次回は21階層……。
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