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ミリャナ救出作戦開始

『姉救』本気のパーティーで。ダンジョン攻略が始まります。

 「露死南無天。ミリャナの事よろしくな」


 「あぁ、任せるでござるよ!まぁ、元気が戦いで燃える人間では無いのは、わかっていたでござる」


「元ちゃんは、パンツが好きなのよね」


「ミリャナそれは、この前も言ったけど、違うよ?ミリャナのパンツが好きなんだ」


「……嬉しく無いわよ……そんなの……フフフ……。じゃ、行って来ます!」


 「ミリャナ殿の事は任されたので、安心するがよい」


 「うん。いってらっしゃい!」


 ミリャナは笑顔で、元気に手を振りながら。露死南無天の背中へ乗って、ダンジョンへ向かった。


 本日から、元気のスローライフが復活する……はずだったのだが……。ダンジョンのゲートへ入ったミリャナが、忽然と姿を消してしまったのだった。


「ど、どう言う事なんだよ!露死南無天!」


「わからぬでござる!ゲートを一緒にくぐったはずなのに、ミリャナ殿だけが消えたのでござるよ!」


 露死南無天と元気は、瞬間移動でゲートまで行き。ゲートを調べた。だが。おかしい所は何も見つからない……。


「クソ!何がどうなってるんだ!?」


「誤作動などは、今まで一度も無かった。と兵士は、言っていたでござる……」


「ミリャナ……。ちょっと、ポタンに聞いて来る!」


「わかった。拙者はちと、ここら周辺を捜してみるでござるよ」


「あぁ、頼む!」


 元気は露死南無天と別れると、瞬間移動で城の書庫まで飛んだ。


「ポタン!ミリャナが!大変なんだ!」


「…………。はぁ……やっぱり……。パパを直接連れて行くかな?と思ったけど……。まさか、ママを連れて行くなんて……」


「お兄様……。お姉様がどうかされたのですか?」


「相当焦っている様だな?」


 ヴァイドとメルディも、書庫で書物を読んでいた。


 「ミリャナが……。ダンジョン入り口で……消えました……」


「何だと!?急いで捜索隊を!」


 ヴァイドが弾ける様に立ち上がり。それに、メルディがビクッと驚く。


「お爺様。待って下さい……。多分。無駄です」


「何でだよ!?ポタン!大勢で捜した方が早いだろう?」


「とりあえず。話しを聞くぞ、元気……。メルディ……驚かせてすまなかった……」


「いえ。大丈夫ですわ。お父様……」


 ヴァイドは、メルディに謝ると椅子に座り直す。


「……。それで……。何で無駄なんだよ?ポタン……」


「居場所が解ってるからよ……。……ここは……ダンジョンの……30階層ね……」


 ポタンが謎の道具で、ミリャナの居場所を言い当てる。


「さ……30階層だと……?人類未到達地点ではないか……。しかし……何故解るのだ?」


「ママに追跡の魔道具を渡してあるの……。渡しておいて良かった」


「ナイスだポタン!それで……。30階層には、何があるんだ?」


「…………。神の部屋よ……。どの神のものかは……解らないわ……」


「神って……。神が何でミリャナを……」


「解らない……。でも……。魔力の反応があるから。そこにいるのは間違いないし……。生きてる……」


 書庫には、ダンジョンの情報はあったが、神々の情報は無かった。


「そ、そうか!ありがとうポタン!ちょっと行って来る!」


「パパ!私も行くわ!おんぶして!」


 ポタンが元気に向かって、両手を広げる。


「いや……でも……」


 ポタンが来てくれるのは正直。心強い。だが、何かあった時が……怖い……。と元気は思う。


 そして。元気はとりあえず。ポタンを抱っこする。ポタンが自分から抱っこをせがんだのは、もう遥か昔の事だった。


「パパひとりで、最下層まで行けるの?謎掛け問題とか出たらどうするの?いちいち戻ってくる?それに。何かあっても、パパが私を守ればいいでしょ?ねぇ……パパ……ダメ?」


 ポタンが甘える様に、元気を見上げる。


「よし!わかった!パパが守る!一緒に行こう!」


 即答だった。


「お爺様。お姉様……。スミマセン。今日のお勉強会は、ここまでです……」


 ポタンが二人に頭を下げる。


「あぁ。わかった。武運を祈る……」


 ヴァイドが胸に拳を当て。騎士の敬礼をする。


「わ、わたくしも応援してますわ!」


 メルディがそれを真似する。


「ありがとう。叔父上。メルディ!」


 元気は2人に挨拶を済ませると、ポタンを抱っこ紐で背中に縛り。ダンジョンへと舞い戻った。


「早かったでござるな……。そちらが、ポタンでごさるか……。可愛いでござるな……」


「こんにちは。ポタンです……よろしくお願いします」


「おやおや。丁寧に、これはどうもでござる……拙者は露死南無天!ろしさんでいいでござる。よろしくでござる」


「解りました。ろしさん」


 ポタンが、露死南無天の鼻を撫でながら。笑顔で挨拶を終える。


「拙者は町の中を見て回ったが……ミリャナ殿はいなかったでござる……」


「それなら、大丈夫だ!ポタンが30階層にいる事を、魔道具を使って調べてくれたんだ」


 ポタンの手柄で、元気が胸をはる。


「凄いでござるなポタンは。喋る赤子と言うだけでも、驚くのに……」


「フフフ……ろしさん、それはお互い様ですよ」


「ブルッファハハハ!そうでござるな!賢い。賢い。……してポタンよ。ダンジョンはやはり。1階層から進まねば、ならんのか?」


「ちょっと。調べてみます……。パパ。ゲートの装置までお願い……」


「よし来た!」


 元気は、ポタンをゲートの装置まで連れて行く……。門番の兵士は、城でポタンを見かけるので驚かないが、周りの冒険者が何事か?と見物に集まっていた。


 消えたり出たりする。喋る赤ちゃんを背負った子供と。喋る馬がいるのだ。当前の結果だった。


「よし……。これで……20階層までは行けるわ……。それ以上は……無理そうね。神の制限がかかってる……。これ以上すると……身体のどっかが、破裂するかも……」


「も、もう。いいから!ポタン!20階層まででいい!」


 元気は急いで、装置から離れる。


「本当は、改ざん自体が駄目っぽいんだけど……。何故か出来たわ……。やっぱり。ママをさらった神は……私達を……。パパを待ってるみたい……」


「俺に用があるなら、俺を連れてけよ……クソ!」


 元気が地面を蹴る。


「……多分でござるが……原因は、元気がダンジョン攻略をやめた事に、関係があるのではござらんか?」


「えぇ……。ママをさらえば……。パパは来る……。だから、ママをさらった。ってのが。多分1番確率が高い解答ね……。パパなんかに会いたい理由が解らないけど……」


「うむ。確かに……」


「おい。ヒドいなお前ら……。ってか、俺のせいでミリャナが……」


「パパ!落ち込むのは後よ。早く行きましょ。今は良いけど……。遅くなるとママがどうなるか解んないわ!パパとママを交換して、今なら何事も無く。安全無事に物事が終わるかもしれないわ」


「うむ。ポタンの言う通り。迅速に動くが吉でござろうな。元気、気を引き締めるでござる」


「……あぁ!そうだな!行こう!」


 元気はポタンの発言に。あれ?俺の安全は?っと思ったが、ミリャナ優先!と思う事にした。


 そして3人は設定を変えたゲートをくぐる。


 20階層……。そこはボス部屋だった。


「お、元気と露死南無天ではないか……。ミリャナはどうしたのだ?」


 ゲート前にフェルミナとマーリュクが立っていた。


 「おぉ。マーリュクに。フェルミナか、さっきぶりでござるな!」


「あれ?露死南無天。この2人知ってるの?」


 会った事は無いはずだけど。と元気は思う。


「ミリャナ殿が消える前に。丁度会ってな……」


「ミリャナが消えただと!?大変ではないか!どうなっているのだ!」


「パパの変わりに、ママがさらわれたの……ママは30階層にいるわ……」


「ポ。ポタンまで出向くとは……。相当な緊急事態だな。そう言う事なら、私達も一緒に行くぞ!」


 フェルミナが大きなお胸を、ぶるるんと叩く。


「まったく……。仕方無いわね。フェルミナが行くなら、私も行ってあげるわ!」


 マーリュクがフェルミナの真似をして、小さなお胸をぺちんと叩いた。


 「ありがとう。2人共……。助かるよ……」


 元気が2人の行為……もとい好意に喜びを感じていると。ポタンがマーリュクに挨拶を始めた。


「お初にお目にかかります。マーリュク様……。私ポタンと申します。以後お見知りおきを……」


「え?赤ちゃんが……喋った!……エルフの子供?そう……あなた……私が見えるのね……。特別よ!普通に喋りなさい!子供に敬語使われるとか……。私。嫌なの!」


 マーリュクが、無い胸をはる。


 「……解ったわ。マーリュクよろしくね……」


「あっさりと……。それはそれで、何か腹立つわね……」


「お前はどっちがいいんだよ。まったく……。それで。ここボス部屋みたいだけど……何が出るんだ?」


「ロボットだ」


「は?ロボット?」


「あぁ……。大きくは無いが、羽がついた格好いいヤツだ。硬くて早くて、攻撃力が今までのボスとは、桁違いなのだ……」


「なるほどな……。子供が作ったダンジョンだもんな……。ここからが、その子の作った本気のダンジョンて事か……ポタンを連れて来て大正解だったよ……」


 現代のゲーム……。謎解き能力は必須である。元気は頭を使うゲームが苦手なのだった。


 元気達が階段を降りると、赤いゲートから、格好いいガンドムの様な白い機体が現れた。


「か、格好いいな……」


「だろ?あれが強いんだまた……。銃のビームと、レーザーソードに気を付けろ。一度。真っ二つにされたからな」


「……。お前……。何で生きてんだよ?」


「マーリュクに治して貰った!」


 フェルミナが、えっへん!ぶるるんと人の手柄で胸をはる。


 「そうよ!私が治したの!凄いでしょ!」


 マーリュクが真似をして、えっへん!と。また無い胸をはる。


「あぁ、本当に凄いよ。頼りにしてるぞマーリュク」


「あ、当たり前でしょ!凄くて可愛い私が!頼りにならない訳が無いんだから!」


 ぐぐぐっと、マーリュクが胸をはるが、無いものは無い……。はりすぎて後ろに倒れそうだった。


「お前達。そろそろ気を引き締めるでござる。動くぞ!」


 ロボットがビームソードを構える。


「待ってろミリャナ……。今。助けに行くからな!」


 こうして。子供。馬。赤ちゃん。巨乳。ちっぱい。で構成された。即席パーティーで。


 ミリャナ救出大作戦が、幕を開けたのだった……。


戻ってき来ました。ダンジョン!

さて。誰がミリャナをさらったのかは……大体解りますよねw


次回はVSロボット戦です。


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