私のおうち~アイリス~
アイリス目線です。
みなさん!お久しぶりです。
ラブリー・デビルメイド。のアイリスちゃんです!
ダンジョン編で出番が無くなって、そのまま、消えちゃうのかな~?と思っちゃいましたよ~。
よかった。よかった。
今日はですね。この場をお借りして、大事なご報告があります……。
そうなんです。なんと!お父様が生き返ったのです!
なので。私はもう、ここにいる意味は無いのです……いる意味が無いのです。
私が帰るべき。本当のお家が出来たのですから……。
いえ。とても嬉しいのですよ?嬉しいのですが……。
みなさんと……今日で。サヨナラなのです……。
あ、あれ……。涙が出て……………………。ませ~ん!なんちゃって!てへぺろ~。
フフフ……。帰りません!私は帰りませんよ?誰が帰るもんですか!
お城は、ご飯も不味いし。魔物臭いし。ひまで面白くないのです!私を甘やかす、旦那様もいません!
「アイリスよ……。本当に残るのか?」
「帰っても、お父様はお仕事……。お母様はまた、どこかに行かれましたし……。お城に戻っても……私は独りぼっちなのです……」
ここで、悲しげにうつむく……すると、お願いが聞いてもらえます。
「ア……、アイリス……。さみしい思いをさせていて……すまぬ……」
私の本当の姿……。真の姿を知っているお姉ちゃんが、呆れた顔で見ていますね……。
フフフ……。お城ではいい子でしたので、これでいいのです……通じるのです。
お姉ちゃん相手にこれをすると、お外に放り出されますけどね。
「アイリス……。でも、やっぱり家族と一緒にいた方がいいんじゃないのかしら?」
「お姉ちゃん……。私は……ここの家族じゃ……ないの……?」
ここで、ホロリと涙を出すのです!
「はぁ……。アイリス……あなた。また、ウソ泣きをーー」
「ーーな、泣くなアイリス!お前の言う通りだ……。これから、また忙しくなる……。ミ、ミリャナ殿よ……もうしばらく、娘を頼めないだろうか……?」
ギュッとするのは良いですけど、お父様……鎧が痛いです……。
「お、お父様……。本当はさみしいけど……。アイリス我慢します……。え~ん!」
え~ん。は、わざとらしいでしょうか?
「はぁ……。私は、かまいません……。いいよね。元ちゃん?」
「あぁ!もちろん!アイリスはもう、家族なんだから!だから、泣かないでいいんだ。アイリス……」
「元気にミリャナ殿……。本当にありがとう……」
「アイリス……。後でお話しがあるわ……」
「…………。べっ!……べろべろ~ば~」
フフフ……。お姉ちゃん。お父様がギュッとしてるから、何も出来ないでしょ~?勝った!
私を追い出して、旦那様と二人でラブラブチュッチュなんて、させないんだからね!
べろべろべろべろ~、アハハハハ……!お姉ちゃんたら、口がピクピクしてる。いつものお説教の仕返しよ!お父様がいれば私は、無敵なんだかーー
ーー「では、そろそろ、行くとするか……。ミノスにも、会っておかなければいかんしな」
…………ヤバい……。
「お、お父様……。もう少し、休んで行かれた方が……」
「いや。早く、城を建て直さなければいかん。国民の為にも、もちろん、アイリスの為にもな……」
「で、でも……」
お父様……。本当に私の為を思うのなら、今、残ってください……。ピンチです。
「アイリス~……。あんまりわがまま言っちゃ駄目よ~?ヴェルゴレさんも、さみしいんだから……」
「ミリャナ殿……。アイリス……いい人間に出会えて……本当によかったな……」
「…………うん」
「この子には。あまり、かまってやる事が出来ず……。さみしい思いをさせて来た。その……。教育の方も……。あまり、出来て無くてな……」
「…………お、お父様?」
「母親がアレなので、ワガママな所もあるかもしれんが、どうか、厳しく。あまり甘やかさずに……。それと、どうか、愛を持って一緒に暮らしてやって欲しい……」
お父様?そんなことは、頼まなくていいですよ?
「もちろんだよ!な!ミリャナ」
「うん。そうね。もちろん……。ね~アイリス……。フフフ……私達……家族……だものね……。フフフ……」
「…………うん」
「そうだな!俺らは家族だ!」
先輩が、旦那様にムカつく。と言っていたのはこう言う事だったのですね……。ちょっと、黙っていて欲しいです。
「では、アイリス……。良い子でいるのだぞ……またな……」
「あ。お、おとう……」ーー
ーー「あ、ミノスの所だろ?俺が案内するよ!」
「あ、あの……」
「あぁ、すまんな。よろしく頼む。ミリャナ殿もありがとう……。娘を、アイリスをよろしく頼む」
「わ、私も……」
「はい。ヴェルゴレさんも、お体にお気をつけて……。アイリスの事は……しっかり!と面倒見ておきますので……。ご心配なさらず……」
「あの……」
「うむ。ハハハ……。元気はいい嫁さんを持ったな!では、案内を頼む」
「よ、嫁さん……。へへへ……まだ。違うけど……。フフフフフ……。おし、じゃ、行ってくるね。ミリャナ!アイリスもお留守番よろしく」
「行ってらっしゃい。元ちゃん……」
「わ、私もい……ぐえ!?ちょっと!お姉ちゃん!服ひっぱんないでよ!?このメイドのお洋服、お気に入りなんだから!」
「ふ~ん。そうなの……。よい子のアイリスちゃん……」
あら……。これはこれは、相当怒ってらっしゃる様ですね。
「人の後ろに隠れて、人を馬鹿にして!そんな姑息な事しないの!」
「良いじゃない!うるさいな!いつもそうやって怒るからよ!鬼ばばあ!」
「何ですって!」
「何よ!このやろう!」
「いった!?すぐに人を蹴るなって、いつも言ってるでしょ!」
「べっ!人じゃ無くて、鬼ばばあを蹴ったんです~……ぎゃ!いったぁ!コブが出来たらどうすんのよ!こんにゃろめ!」
いやはや~。お見苦しい物をお見せして、すいませんです。
とにもかくにも。こうして、私はお家に残る事になりました。
いつか戻らなくては、いけないかもしれませんが……。
その時までは。『アイリスちゃんの為に世界を救おうと思う!』と。
この私!ラブリー・スーパー・エンジェル・小悪魔美童女メイドのアイリスちゃんを、これからもよろしくお願いします。デビ~!
……さてさて、今日もお洗濯しなきゃ!
…………今日の旦那様のパンツの匂いは……。うん!合格!今日も、いい事がありそうです!
いるべき場所といたい場所。前にもなんかこんなの書いた気がするw
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