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救いの女神

フェルミナとマーリュクのお話し

 ダンジョン16階層にてフェルミナは、グランドドラゴンに単身で挑み……敗北。


 アイテムを使い果たしたフェルミナは、現在。マーリュクと一緒にお金を手に入れる為。真夜中のアルカンハイトの町へ来ていた。


 「フェルミ……。本当にそれ……大丈夫なの?」


 「うん。ここなら大丈夫らしい」


 中央バザー通りの裏路地。そこのいっかくにフェルミナは看板を立てた……。


『ぬぎたてパンツ売ります』


 「でも……。その服装、スカートがちょっと短か過ぎない?」


 「うむ?そうか?スカートは短く。ギリギリ見えるか見えないかが、いいらしいぞ。ミールが言ってた。このセーラー服ってのがいいらしい」


 「男がそんなのが好きってのは、異世界の本で読んだけど……」


 「気が乗らないなら。マーリュクは遊んできていいぞ!売り終わったら。私も合流する!」


 「……。一緒にいる」


 「そうか……。ならば、終わったら一緒に遊びに行こう!」


 「……。うん」


 マーリュクは姿同様。精神年齢も14~5で止まっている。なのでパンツを売る。ということに抵抗感があった。


 「マーリュク、そんな顔をするな。すぐ終わるから」


 「うん……」


 生前のマーリュクの実家は、道具屋だった。


 お金を稼ぐ大変さは重々知っている……。なので、マーリュクはしぶしぶ了承した。


 何故、パンツを売るのか……。


 それは、説明書を読まない派のフェルミナ達が、魔石が売れる事を知らずに探険しているからだ……。


 「あの~……。ぱ、パンツを……ください」


 「おう。パンツ1枚……。銀貨5枚だ!」


 「は、はい……」


 「ちょっと待ってろ……。ほら」


 フェルミナが何事でも無いように、パンツを脱いで男に渡す。すると1分もしない内に銀貨5枚が稼げてしまった。


 「こ、こんなに、あっさり……。お母さんのお店じゃ、これだけ稼げぐのに1日はかかったわよ……」


 「そうなのか?ハハッ。やっぱり。ミールは賢いのだな!」


 「アホそうだったのに……。やるわね。あの男……」


 その後も、次々とパンツが売れて行き、積み上がる銀貨……。その光景にマーリュクが驚く……。


 そしてマーリュクの奥底に眠っていた。商人の血がミールへの嫉妬心により。覚醒してしまった。


『フェルミナのパンツは私が売らなければ!フェルミナの1番は私がもらうの!』と……。


 「フェ……フェルミナ……。これ、ちょっと値段上げてもいいんじゃない?」


 「う~ん。これ以上あげると、売れなくなるんだ。ミールが言ってた」


 「また……。ミール……。そうだ!こう言うのはどうかしら!昔、お父さんが知り合いのおじさんと話してたのを盗み聞きしたんだけど!パンツを履いて、お尻を叩かれるのが好きな人もいるらしいわ!」


 「む?そうなのか?私は嫌だが……。やってみるか?どうすればいい?」


 「任せて!その看板の下に私の言ったこと追加で書いて!」


 「おう!任せろ!」


 お馬鹿+お馬鹿は、純粋に大馬鹿となる……。何人集まっても文殊の知恵にはならない。フェルミナは言われた通りに看板に文字を書き足す。


 「こんなもんかしらね?」


 「ほ、本当に。お金になるのか……これ……」


 「お父さん達が言ってたから、間違いないわ!そして、ミールより稼いで、フェルミナの一番に私がなるの!」


 「マ、マーリュク……。そんなに、私の事を思ってくれていたのか!?私は嬉しいぞ!マーリュク!一緒に頑張ろう!」


 「うん!」


『パンツ売ります。


 基本パンツ料金:1枚。銀貨5枚 


 追加:オプション料金表


 罵倒:小銀貨1枚 罵倒リクエスト:追加1枚


 ビンタ:小銀貨2枚 お尻踏み:小銀貨3枚


 セット料金:大銀貨1枚


 黄金水:大銀貨2枚         


 お触り禁止:守らなかった場合は天罰を下します。               』


 賢いお馬鹿ほど手に負えないものは無いのだが……。マーリュクの考えたプランは、夜の町を徘徊する男達に、バッコシとハマった。


 「フェ、フェルミナ様……。わたくしめをどうか、豚のように罵りお叱り下さい!」


 「……。マーリュク、わかった……。私はそう言えばいいんだな……。……この!パンツをかぶった変態豚やろうめ!恥をしれぇ!ここで、軽くビンタっと……。この豚め!」


 「ぶひ~!!!あ、ありがとう御座います!いい夢が見られそうです!あ……それと……。黄金水も1本ください!」


 「うむ。待ってろ」


 フェルミナは男に後ろを向き、パンツを脱いだまましゃがみ込んだ……。


 そして空き瓶のふたを開けると、そこにチョロチョロと音を立てながら……レモンティーを入れ始める。


 フェルミナは普通に渡せばいいのに。と思ったが、マーリュクに音と雰囲気が大事。と言われ、雰囲気は遊びにも大事だ。と納得した。


 「マーリュク!凄いな!アイツだけで大銀貨3枚だぞ!」


 「フフフ……。ミールなんか、私の足元にも及ばないわ!」


 「あぁ!次から、マーリュクと一緒にお金を稼ぐとしよう!しかもみんな嬉しそうだしな!」


 「そうね……。お父さんが何であんなに楽しそうに話していたのかわからなかったけど……。お金になる話しだったからなのね!」


 「マーリュクのお父さんは、賢いのだな!さすが、マーリュクのお父さんだ!」


 「へへへ……。気持ち悪いと思ってて、ごめんねお父さん……」


 その日。アルカンハイトではひとつの都市伝説が生まれ、後生まで語り継がれるようになった……。


『救いの女神』


 夜中……ある路地裏に行くと謎の美女が現れる。彼女は……選ばれし者にしか姿を見せない。


 店主は不思議な格好をした、ぜっせいの美女……。彼女に出会う事が出来れば、天にも昇る。最高の救いをたまわる事が出来だろう。


       アルカンハイト昔話し



 彼女達がその話を聞くのは、200年も後での話し……。そして、自分達の事だとは気づくはずも無かった……。

あ~、くだらねwだが!それがいいw


くだらない異世界日常系!それが書きたいので仕方ないっすw


見せ場はほとんど無いけどねw


次回は新学校のメルディでも書こうかな?


ブクマ:評価:コメント等等、よろしくお願いいたす。

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