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それぞれの冒険譚

やっぱり、こうじゃないと……。

 8階層からはドーム型の水族館だ。


 フィールドの岩や地面も海の中同様。じゃりみち。砂。貝の岩山など……。ダンジョン内というよりかは、雰囲気がアトラクションパークだった。


『キラーフィッシュ』『ビッグハンドクラブ』『キラータートル』『シースネーク』等の水属性モンスターが生息し。自由に空中を遊泳し、幻想的な空間が広がっていた。


 「キラキラしてて綺麗……」


 「食ったら美味そうでござるな」


 「ミリャナ。水着あるけど?」


 反応は三者三様だったが。やる事はひとつだ。


 「パライズアロー!元ちゃんお願い!」


 「あぁ!任された!てい!」


 モンスター、一体一体の強さが格段に上がり。元気とミリャナは連携をとって戦う様になり。露死南無天は、連携を練習するように。と元気達に告げ。ソロで日銭稼ぎをする。


 「ふう。魔力を使わない戦い型にも、だいぶなれてきたな。ミリャナは大丈夫?」


 「うん……。でも……元ちゃんばっかり動いてて……なんだか申し訳ないわ」


 「いや、ミリャナのサポートがあるから、動けるんだ。凄く助かる。泳ぎ回る魚を倒すのって、かなり苦労するんだな~。って思いしったよ」


 「凄く素早いものね。矢を当てるだけでもひと苦労……。でも、やくにたててるなら良かったわ」


 「俺は細かいことが苦手だからさ、魚に矢を当てるだけでも本当に凄いよ」


 「フフフ……。ありがとう」


 「ところで、ミリャナ……。これーー」


 「ーーあ!あそこにキラーフィッシュ!パライズアロー!ほら!元ちゃん出番よ!」


 「よ、よしきた!麻痺したらこっちのもんだ!」


 元気はミリャナの水着を諦めきれずにいた……。


 家に帰るたびに最近。元気は思うのだ……。


『何か……。違う!』


 ミリャナとのダンジョンデートも特訓や修練も楽しい……。魔族対策も大事だ。


 だがしかし……。なにかが足りないのだ。と毎夜、毎晩。元気は思うようになっていた……。


『ミリャナがいきいきしている姿は、素晴らしい。楽しそうなのも嬉しい……。そうだ、これでいいんだ。これで……』


 元気がそう思うたびにチラつく影……。平和ないつもの日常……。洗濯機から出した時に手に張り付く様な……。あの湿った感触……。干すと輝くあの素晴らしい光景……。くんくんするとフローラルな香りがする。パンツ達……。


『パンツを干したい……』


 そして……。元気は考える……。もう、こっちから魔王国に行こうかな?と……。


 元気は争いごとは嫌いだ。しかし……ミリャナのパンツと、魔族を待ちながらの鍛錬……。どっちが大事か?と問われれば……。何の迷いも無く……パンツだった。


 そして……。ダンジョン探索を終え。家に帰り……。夜も更けた頃……。


 元気は家を飛び出した……。魔国に向かって、パンツを干す生活を取り戻す為に……。


 元気の冒険。それは、パンツなのだ。


 そして……。魔王城についた元気は、違和感に気付いた。


 「あれ?誰もいない……?」


 魔王城が復旧もされないまま。放置されていたのだ。飛んでくる途中……。海面に船の一隻おろか、魔族の姿は全然見当たらなかった……。


 元気は城下町に降り、酒場の店主に話しを聞いて見ることにした。中に入るのに少しちゅうちょしたが……。客がほとんどいない。


 「魔王なら、巨人に踏み潰されたとかで死んじゃったよ。そのせいでこの有様さ……。人間に殺されるってみんな、何処かへいっちゃったんだ」


 「え?」


 魔王オルガンは、救出後のミリオレの暴走で、既に他界。その他の魔王軍幹部達も、今はバラバラらしかった。


 「天罰を恐れて、次の魔王になりたがる人もいないし……。前魔王様の魔石がどこにあるかもわかんないし……。この国はどうなるんだろうね」


 「前魔王の魔石って?」


 「魔石があれば、寿命じゃ無い限り復活出来るじゃないか……。あれ?アンタ……。人間……」


 「こ、これ……。少ないけど……」


 元気は酒場のマスターに、大金貨を5枚出して渡した。


 「……。お坊ちゃん、ミルクでもいかがですかい?へへへ……」


 「いや……。大丈夫です……。それより、どうなるの?この国……」


 「どうでしょうね……。人間次第ですが……大勢が殺されるでしょうね……。坊ちゃんみたいに、俺達を見て普通にする人間はいねぇですよ……ほら。この右足も、魔族ってだけでやられたんです」


 「それは……。なんかごめん……」


 「いや、坊ちゃんが謝る必要は無いですよ。この金で俺も、店たたんで……。何処かに逃げようかね……」


 さみしそうに店内を見渡すマスターを見た元気は思う……。


『これも何か……。違う……』


 元気は魔王城に乗り込み。中央の国王の様にちょっと脅してやろう。と、思っていただけなのだった……。すぐ、終わらせるつもりだった。


 「ちょっと、足見せてね」


 「ちょっと何してんだい。ぼっちゃ……!?アンタ!一体!おぉ!足がはえてきたぞ!」


 「……。これで、まぁ。少しは人間の事許してやってよ。悪いやつばかりじゃ無いんだよ」


 「も、もちろんですとも!ありがとう!ありがとう!」


 酒場のマスターが泣きながら足をさすり、元気にお礼を言う。そして、元気はマスターに質問した。


 「前魔王の魔石って、誰が持ってそうなの?」


 「え?あぁ……。そりゃ、お妃様だった。ミリオレ様じゃ無いですかい?」


 元気は店主にお礼を言うと、店内にいた数人の魔族に酒をおごり店を出る。そして、アルカンハイト城へと向かった。


 「フフフ……。どうじゃ、ヴェルニカ……。言うてみい……。何処がどう……感じるのじゃ……」


 「はっぁ……。はぁ……。私の……その。あぁ……。それ以上は……。んっ……」


 「!……。誰じゃ!くせ者め!サンダーボルト!」


 「あぎゃぎゃぎゃぎゃ!!!」


 「なんじゃ……。元気か」


 「げ、元気!?なぜこんな時間にここに!?」


 「いった~……。まったく、帰ってこないと思ったらこんな事してたのか、うらやま……。けしからん」


 「元気もまざるか?」


 「え?いいの!?」


 「ミリオレさま!?元気も!そんな顔するんじゃありません!」


 「母上……。何か、その……。ありがとうございます……」


 「え?なにがかしら……。ひゃ!」


 ヴェルニカは自分がすっぽんぽんであることに気付き、布団に潜る。そして、行為中だったミリオレは、素っ裸で堂々と元気に尻を向けている。しかし、堂々とし過ぎていて元気の琴線には触れなかった。


 「ミリオレ……。もっと恥じらいを持った方がいいぞ?」


 「ぬかせ、こわっぱが……どうせまだ……ひゃん!尻を叩くな!馬鹿者が!ったく……。何の用じゃ?」


 「実はさ……」


 元気はさっきの出来事をミリオレに話し、魔石のある場所を聞き出す。


 「ミリャナのパンツを干したいから、魔王を復活させるか……。馬鹿じゃな。お前は……。魔石は部屋に置いてある……。勝手に持ってけ。爆発系じゃから、空に投げるとよいわ」


 「わかった。母上……。その……。また……」


 「そんなに、ジロジロ見るんじゃありません!早くお帰りなさい!」


 元気はヴェルニカになごりおしそうに挨拶すると、部屋の窓から外へ飛び出す。そして家に戻った。


 「アイリス……。寝る時いつも裸なんだよな~」


 「す~。す~」


 「ちょっと、お胸が大きくなったかな?」


 「す……。す~す~。す~す~」


 「いつもお風呂でお尻を見てるから、気づかなかったな……。そうだ、今日はアイリス鑑賞会じゃなくて、魔石。魔石……」


 「すぅ~……」


 「あった、これだな……。うわ!」


 「だ、旦那様!?とうとう夜這いを!?私に夜這いですね!ささ!どうぞこちらへ!鍵は私がかけておきますから!早くベッドへ!」


 「ち、違う。違う!落ち着け!ひっぱらないでアイリス!」


 「だ!旦那様!何もしないから!ちょっと!待って……」


 元気は興奮するアイリスを振り切ると、海岸へと向かった……。


 「まったく、アイリス……。何処であんな言葉を……。まぁ、ミールの部屋だろうな……。ちゃんと隠しとけって言わなきゃな……。おし……。やるか……」


 元気が魔石を魔力弾に乗せて打ち上げ……。大爆発させる。すると上空で大きめの衝撃と爆発がおきた。


 そして……。魂が魔石から解放され、元気に前魔王の姿が見える様になったのだった。


え~……。格好いい文章もいいですが……やはり自分はこっちでした。面白いおかしいまったりが好きです!ミリャナの冒険は別にその内、書きますw


次回は魔王復活です!


ブクマ:評価:コメント等等よろしくお願いします!



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