気持ち。~元気~
元気とミリャナのパンツのお話し
「ミリャナ!はい、これ!」
元気がミリャナを睨みながら。昨夜ポタンと作った。ダンジョン用ポーションと今日洗濯した衣類を一緒に渡す。
「あ!り!が!と!う!」
ミリャナはそれを受け取ると、元気を睨みながらお礼を言う……。そして二人は睨み合い……
「「……ふん!」」
……今日、何度目かの鼻ならしをした。
「ネェネェ、先輩。朝から何してるの?あの二人?」
「さぁ?喧嘩ッぽいけど……」
アイリスとポタンは、いつもと様子の違う二人を見やる……。
「元ちゃん!手間がかかって大変だから。朝パンツは、干さなくていいって……。干すのは、昼パンツだけでいいって。いったはずよね?朝、元ちゃんがいつも早起きしてて、大変そうで、心配だからって!」
「あっれれ~?そうだっけ?それはそれは。すいませんね~。あ。これ、はい、今日のお弁当~」
「ありがと~。じゃ、私行くから、元ちゃんも怪我しないようにね。ちゃんと帰って来るのよ!」
「こ、子供扱いするなよな~!ミリャナこそ、怪我に気をつけて、転ばないように、無茶をしないようにしろよな~!」
「元ちゃんこそ、子供扱いしないでよね!私の方がお姉さんなんだからね!無茶もしないわ!ジャム!残り少なかったから!バーニャおばさん!のところで帰り!買ってくるからね!」
「はいは~い。ありがとさ~ん」
「……」
「……」
「「ふん!」」
怒ったときは、語尾を強くすれば良い。と思っているミリャナと、伸ばせばいい。と思っている元気。そしてまた二人で鼻を鳴らし合う。これも、怒ってますよ。のサインだ。
ミリャナが行って来ます。とポタンとアイリスにキスをする。そしてまた、ふん!と元気と二人で鼻を鳴らし合い、ミリャナは家の外に出た。
「お、ミリャナ殿。今日は一人でござるか?では、拙者がお供いたすでござる!ささ、お背中にどうぞ!」
「まぁ!ろしさん、ありがとう。今日もよろしくね」
そして、二人はパッカパッカとダンジョンへ向かっていった。
「……。ポタン~どうし~よ。ミリャナとケンカしちゃった~!」
「ちょっと!パパ!涙はいいけど、鼻水!汚い!抱きつこうとしないで!」
「旦那様、抱きしめるなら私をどうぞ。はい!」
ポタンに泣きつこうとする元気を、アイリスが両手を広げながら、なぐさめる。
「ってか、やっぱりケンカだったんだね」
「うん……。あんなに怒るとは思わなかった」
元気は膝をかかえながら床に座り。うしろの椅子に座ったアイリスに、撫で撫でされながら、ポタンへ人生相談をする。
「あんな事があったから、心配なだけだったんだ……」
「パパ……。うーんパパにプライドの話しとかしても、わからないかな?」
「ポタン、失礼だぞ!俺にもプライドはある」
「なに?」
「ミリャナ」
「……」
「それに、もちろん、ポタンにアイリスもだ」
「やーん、旦那様好き」
アイリスはそういうと、元気の頭をぎゅっとする。
「パパのそれは、大切なものであって。自分のきもちとかで譲れないもの。とかは無いの?」
「気持ちねぇ……。ミリャナのパンツは他の人には洗わせたくない……とか?」
「……。まぁ、それでもいいか……。
パパがママの。大好きなパンツを上手に洗えなくて、自分が下手くそなせいで、パンツを破いてしまいました。パパは自分をどう思う?」
「おいおい、ポタンちゃんや、舐めてもらったら困るよ。俺がミリャナのパンツを破るなんて……ーー」
「ーーさっさと答えないのなら、話やめる」
「はい……。ごめんなさい……。自分に腹が立つかな?そして絶望するかな?」
「絶望?パンツよ?……。まぁ、いいわ。でも、そのパンツはママのおかげで、なおす事が出来ます。ママのおかげで絶望からも立ちなおれました。パパはママをどう思う?」
「そりゃ、ミリャナだもん好……。パンツを大切にしてくれてありがとう……尊敬かな?物を大切に出来るっていう事に。そして、またパンツを洗える事に、感謝するかな」
「そう……。じゃ、続けるね。ママのおかげでパンツがまた洗えます。パパは次からどうする?」
「次から……パンツを破らないように頑張ろうと思う。ミリャナの為に、そして……自分の……為に……」
「そうね。パパはそう思いましたが。ママはそのパンツを。それはもういらない。と言って。ポイっと捨ててしまいました。……パパはどう思う?」
「えぇ!何で捨てるんだよ!酷い……。あ、えっと……ショック……かな……。感謝と信用と信頼。パンツと一緒に俺の気持ちも捨てられた。と感じると思う……」
「そして、その一度の失敗で、もう洗わなくていい、自分でするからパパいらない。ってママに言われ。頑張ろう!と思ってた次のチャンスが無くなったら?どう?」
「死ぬ」
「極論が過ぎるけど……。パパはママの大切にしていた気持ちを……パンツを自分勝手にぽいってしちゃったのよ」
「そ、そんなつもりは……俺はただパンツを……」
「パンツは忘れて。その俺は。って……それはパパの気持ちでしょ?ママの気持ちは、どこ?本当のママのパンツは?パンツで例えるとややこしいわね……」
「ミリャナの気持ち……ミリャナのパンツ……なくなっちゃった……マロニーちゃん……」
「マロニーちゃん?まぁ、いいわ……私なら迷わず。パンツと一緒にパパをぽいってしちゃうんだけど、怒るだけで許してくれようとしてるママの優しさに、感謝した方がいいよ」
元気はポタンの話しを聞いて。何だかぽっかりと、心に穴が開いたような感じがした。
失敗して悔しい。だけど、次は失敗しないように頑張ろう。そう奮い立てた心を、その思いを。他の誰かに……一瞬にして崩され、否定される……。
「何か、やな気分だなこれ……。俺のパンツ……最悪だ」
「気持ちね……。ママも今……昨日から、ずっと、そんな気分じゃないのかしら?そして、ママは今。失敗したことを克復するために、前を向いてる。パパは今、何してるの?」
「俺は今……」
童女に撫で撫でされながら、幼児に人生相談していた。
「旦那様はそのままで、いいですよ~アイリスがずっとお側にいますよ~」
「ア、アイリス~……」
「アイリス!『悪魔の囁き』をしないの!変なことばかり覚えて!」
「は~い。でも、旦那様、アイリスはいつでも、旦那様の味方ですからね~」
「まったく……。はい。パパ、これ。ママに教えてあげて。昨日フェルミナに、ダンジョン内のペナルティーを聞いといたから、書き留めといた……早くママにあやまりに行きなさい……」
「ありがとうポタン!ありがとうアイリス!俺、行ってくるよ!」
愚図る元気に優しく説教し。会話をするための機会までをも作り出した。スーパーベイビーポタンから、ダンジョン内での注意書きを受け取った元気は、ダンジョンへ向かってかけだしていった……。
「フフフ……。どちらが子供か、わからないですね」
「本当に……。手がかかる子供ほど可愛いって言うけど、気持ちがわかった気がするわ」
「甘えん坊な旦那様、可愛いですもんね~。ダメンズを駄目にする感じ……フフフ……」
「さて、アイリス。お馬鹿な事言ってないで、学校に行くわよ。生徒が待てるわ」
「はいは~い」
「はい。は1回!」
「は~い」
「まったく……この子は……」
「へへへ~」
ポタンとアイリスは、会話のやり取りを終えると、二人で学校へと向かったのだった。
童女と幼児と16歳の少年の会話内容であることを、お忘れなきように……。
人のパンツは十人十色。です。
手段やパンツは違えど、思い合う事で愛を育む事は世界共通ではないでしょうか?と思いますw
この二人はどんな風に育んでいくんでしょうね?しかし、露死南無天がいい仕事してっまっせw
これから、どんどん活躍しますw
ブクマ:評価:コメント等等、よろしくお願いいたす。




