ギルド登録
冒険者の説明や基礎のお話し。
元気とミリャナはダンジョンに入る為の手続きをするため。噴水広場にある役所の2階。冒険者ギルドカウンターへ来ていた。
1階は総合受け付け。3階は鍛冶ギルド、4階は商業、5階は国民相談や支援の部署だ。
「では、聖人様。こちらの書類に記入をお願いします」
「はい……」
元気は冒険者登録受付スペース内にある椅子に座り。獣人の女性に登録用木札を貰って、ミリャナと一緒に名前と年齢性別、誕生季節を書き込む。
元気には誕生季節は無いので、ミリャナと一緒の炎季節にしておいた。
受付の女性は人間と獣人とのハーフで、人間に近い容姿をしている。猫族の様で、キリッとした顔つきに可愛い黒い耳と尻尾が生えていた。バランスが素晴らしい。と思い。元気はまじまじ見てしまう。
「元ちゃん、見過ぎ。失礼よ」
「あ、すいません。お姉さんがあまりにも美人さんだったので、つい……あいた!」
隣で書類を書いていたミリャナに、脇腹を肘で突かれた。
「フフフ……聖人さまはお口が上手なのですね、猫族のヒルネです。今日はよろしくお願いします」
「ははははは、元気です。よろしくお願いします」
本当に素晴らしいんです!耳をハムハムしちゃいたい位ですよ!と言おうとしたが、ミリャナが少し怒っているので、から笑いと挨拶だけにしておく。
「では、聖人さま。冒険者登録は受けつけ完了しました。 では次に、奥様とのパーティー登録ですね」
「お、奥様!?」
ミリャナが奥様と言われ、顔を真っ赤にして反応する。
「あの、まだ……違います。でも!その内……ごにょごにょ……」
「そうなのですね。フフフ……失礼しました」
元気はミリャナがモジモジしている姿を見て、よくやった!とヒルネを心の中で賞賛した。
「ほら、パーティー名。ミリャナが決めて良いよ」
「う、うん」
ヒルネが照れているミリャナを、微笑ましい笑顔で見つめながら記入木札を渡す。
「では、先に聖人さまのステータスを調べさせていただきますね」
「えぇ!ステータスとかあるの?」
「ええ、冒険者にはLVとステータスがあり。それを元にお仕事を紹介させていただいています。……それでは、こちらの魔紙に血を一滴垂らしてください」
「は、はい!よろしくお願いします!」
元気はLVとステータスという響きにわくわくしながら、ヒルネに針と魔紙を貰う。そして魔紙に血を一滴垂らした。
「おぉ~すげぇ!」
元気が血を垂らした場所から、青白い光が発生すると紙全体に広がり、魔紙が全体的に青白く光る。そして魔紙に金色の文字列が浮かび始めた。
「綺麗……。初めてみたわ」
隣のミリャナも一緒に驚いている。二人で不思議現象を眺めていると、金色の文字列が浮かび終わった様で、魔紙は普通の紙に戻った。
文字も金色のから普通のインク色に戻っている。元気は、どんな感じなんだろう?とドキドキしながら魔紙をのぞき込む。
『 LV:12 属性:神
HP:680 MP8720
力: 280 体力:200
守り:120 素早さ:180
賢さ:78 運のよさ:200
称号:『自然神』『運命神』『森の支配者』『魔王』『勇者』『聖人』『ブルマニスト』『ミリャナマスター』『しっかりスケベ』『ロリコン』『シスコン』『女好き』『変態』『馬鹿』『アホ』『マヌケ』『頭は子供身体も子供』 』
MPは凄く高いが、元気には凄いのかどうか良く解らなかった。
後半、悪口じゃないか!と思って紙を破こうと思ったがやめておいた。
「さすが聖人様ですね……LV12でそのステータスは初めて拝見しました」
「そ、そうなの?ってか、この紙って誰が作ったの?悪意を感じるんだけど」
「魔紙の基盤は、ダンジョンを作った。冒険者ギルド創始者。リョヘイ様と言われています。それを、最近ポタン様が見やすい様に数字変換されたのです。それまでのはD~SSのランク付けだったらしいので、結構あやふやだったらしいです」
「なるほど、ポタンかならいいか」
ポタンはパパをよく見てくれているのだな。と元気は納得したが。賢さが低すぎるので検査基準を見直して貰いたいと思った。
「ミリャナ様も終わったようなので、見比べて貰えれば、聖人様の凄さがわかると思いますよ」
「ミリャナ見せて」
「う、うん」
少し恥ずかしそうに、ミリャナが元気に紙を渡す。
『 LV:6 属性:ママ
HP:62 MP:36
力:52 体力:45
守り:28 素早さ:40
賢さ:62 運のよさ:80
称号:『森の子供達からの加護』『変態からの執着』『ポタンの愛』 『ポタンの加護』『LOVE』『可愛い』『好き』『怪我しないでね』『小悪魔娘からの伝言』『イチャイチャし過ぎないようにね』 『旦那様好き❤︎』 』
ミリャナのステータスカードを見て、基礎パラメータが違うのか。と元気は思う。そして、メッセージカード化しているミリャナの称号部分を見て、職権乱用は駄目だぞ。とポタンにお説教しないといけないな。と思い。
アイリスには何かお土産を買って行ってあげようと思った。
「レベルが上がると基礎値を基準にしてステータスが上昇していきます。なので聖人様の基礎値でレベルを上げると、1レベルで他の人の4,5倍はパラメータが上がると思いますよ」
「凄いな……。それじゃ、この低い賢さも4,5倍で上がるの?」
「そ、それは…………あ!でも、そこの賢さは魔法の威力関係の物なので、知性には関係ないはずです!」
「本当に?」
「えっと……た、多分……?」
ヒルネの目がばしゃばしゃ泳いでいるが、ヒルネをせめても仕方ないと元気は思う。
「ミ、ミリャナさんのステータスも人間にしては高いので、レベルを上げれば上位の伝説級冒険者になれると思います!」
ヒルネがいたたまれなくなり、話題を変えたので元気もそれにのっかることにする。
「冒険者にもランクがあるの?」
「はい!駆け出し~初級~中級~上級~銅級~銀等級~金等級~伝説級~神話級とあります。上級まではLVでの管理ですが、銅等級からは功績により上がる感じです。聖人様のステータスは金等級なのですが、業績込みですと既に神話級です」
「そうなの?」
「それは、もちろんですよ。エルフ達を従え、奴隷解放や難民保護、魔王城の壊滅等。国家勲章物ですよ。早速神話級への申請を行いますか?」
成りゆきで色々とそうなったが、改めて人から聞くと悪い気はしないな。と気が大きくなる元気。
「元ちゃん、凄いね。尊敬しちゃうわ」
ミリャナがキラキラした目で元気を褒めると、元気の大きくなった気が爆発した。
「申請しちゃおっかな~!」
「かしこまりました。その様にします!ちょっと~フィリップさ~ん!聖人様の神話級申請お願いします!」
「ほ~い、ヒルネ。了解だホゥ!」
ふさふさのフクロウ獣人フィリップにヒルネが申請をするように指示する。そして、手続きも殆ど終わったので、やっとダンジョンだ!と思い元気達は席を立つ。
「そうそう、聖人様。今、中央では王様が死んだとかで、不穏な空気が流れているので、出向く時はくれぐれも、気をつけて下さいね」
「え?何で?もう、アルカンハイトと中央は関係ないでしょ?」
「え?神話級になった者への褒美に、中央王国で勲章と賞金の授与式があるんですよ?」
「え!ちょっと!申請止めて!」
元気は中央に思い入れも良い思い出も何一つ無い。そして、王様を脅した挙げ句、宝を持ち逃げしているので、出来れば行きたくない。では無くて、本当に関わりたく無いのだった。しかし元気の身から出たサビである。
「もう、飛翔郵便出しちゃったホゥ……」
フィリップの仕事が早すぎて、申請を止めることは出来なかった。
「まぁ、いいか……ありがとう。また来るよ」
「はい!聖人様!いつでもお待ちしております!」
ヒルネ達のに見送られて役所から出る。そして元気は中央から連絡があったら無視しようっと。と考え、ミリャナと二人でダンジョンのある、島の東側へ向かうことにしたのだった。
次回からやっとダンジョンです?w
ダンジョンの周辺に実は……!?
中央の動きはおいおい書きますw
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