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私をダンジョンへ連れてって!

新編スタートです。

 アルカンハイトダンジョン。

『自然の迷宮』

 迷宮を突破し者は世界を手にする事が出来るだろう。


 「この話し本当なのかな?誰も突破してないんだよね?」

 

 「お城の古い書物に書いてあったけど、何か手に入るのは本当みたいだよ?はむ、むぐむぐ……。どうやら、ダンジョンは神様と異世界人が、遊びで作ったみたい」


 夕食後、ポタンはミリャナにプリンを食べさせて貰いながら、元気の質問に返答する。


 「異世界人が?だって相当昔だろ?千年、二千年前から異世界人が召喚されてたのか?」


 「ううん、パパの世界で言う。『神隠し』によって、転移したみたいだね。時空の裂け目ってヤツね」


 「神隠しか。確かに昔話だ」

 

 「まぁ、事実はわかんないけどね。それに、迷宮攻略報酬は、それなりに期待出来ると思うよ?神様も関わってるし」


 「神様ねぇ……。ろくなのいないんだよな」


 「性格は置いといて、力は凄いでしょ?ああいう性格だから、世界が混乱して無いとも言えるわ」


 「確かに……」


 無尽蔵に魔力を生み出す。自然の神の力。『エナジーチャージャー』


 対象の生きた証、全てを無にする。運命の神の力『アカシックレコード』


 耳にした者の幸福以外の感情や心の傷を、全て消滅させる。『エンジェルヴォイス』

 どれも使い方によっては、危険で強力な物だ。


 「ねぇ、元ちゃんは何でダンジョンの事を気にしてるの?」


 「魔族進行の対策かな?ダンジョンに行ってちょっと訓練しよっかな~って」


 「ダンジョンって……危ないんでしょ?」


 「ん~。どうなんだろ?」


 「……私、嫌よ。元ちゃんが怪我したりするの」


 「大丈夫!危なくなったすぐ逃げるし」


 「でも……心配よ。とても心配……。行って欲しくないわ……」


 ミリャナがうつむいてしまう。


 ミノスが言っていた通り。魔族戦で魔法が効かない敵が現れた時に、基礎能力が低いと困る。今回は元気も折れる事が出来ない。


 基礎能力の強化。魔族達の侵略からミリャナ達を守る為に。元気が今、一番にしなければならない事だった。


 「はぁ~ぁ。暑い暑い。暑くてのぼせてしまいそうです~」


 元気の背後から、お風呂上がりのアイリスが茶化してきた。

 バスタオル1枚で、ほのかにピンク掛かった体からは湯気が上がっている。


 「アイリス!あなた、またそんな格好で!元ちゃんもそんなにまじまじ見ないの!」


 「み、見てない見てない!まじまじは見てない!」


 落ち込んでいたミリャナがアイリスと元気を見て怒る。


 「お姉ちゃんも、心配心配って言うならさ……」


 そう言いながら、元気の膝の上に座るアイリス。


 「一緒について行けばいいじゃん。ね、旦那様?家のことは私がやっときますよ?」


 「ア、アイリス、お前何を言ってるんだよ」


 「そ、そうよ、私が行ったって足手まといになるだけじゃない」


 「じゃ、一人で行かせるの?」


 アイリスが体の向きを変え、元気に抱きつく。


 「お姉ちゃんが行かないなら、わたしと旦那様とでいきましょ?旦那様と一緒ならわたし死んでもいいわ……」


 「アイリス、あなた、いい加減にーー」


 ポタンがアイリスを怒ろうとした時だった。バン!と机をミリャナが叩いた。


 「私がいく!」


 「ミ、ミリャナ!?」


 「元ちゃん!私をダンジョンへ連れてって!」


 「だ、だけど、仕事は?」


 「私の変わりはいるわ!」


 「でも、危ないよ?」


 「そんなの!元ちゃんも一緒でしょ?」


 ミリャナとアイリスが睨み合う中、う~ん、どうしたものか。と元気は思う。ポタンは片手で頭を抱え、諦めのポーズだ。


 「お姉ちゃん、無理しなくても良いんだよ?いつもみたいに甘やかして貰えば良いじゃない?」


 「アイリス!あなた、そんな風に思ってたの!?」


 「そうよ、私には勉強しろだの何だのばっかり言ってるくせに、お姉ちゃんばっかり旦那様に甘えてズルい!」


 「あ、甘えてなんか……甘えて良いじゃない!元ちゃんはいいっていうもん!子供見たいな事言ってないでそこからおりなさい!」


 ミリャナが膝の上のアイリスを引き剥がしにくる。


 「いいもんって何よ!歳を考えなさいよおばさん!キャッ痛いじゃない!ひっぱるな~!」


 そういうとアイリスがミリャナに飛びかかり取っ組み合いの喧嘩が始まった。


 元気は最初。女の子同士の取っ組み合いの喧嘩にオロオロしていたのだが、嵐の日の1件以来この二人。週1で喧嘩している。


 元気もポタンも今はすっかりなれてしまい、最近は落ち着くまで暫く待つことにしているのだ。


 「私だって!旦那様と遊びたいしもっと一緒にいたいし、甘えたい!ズルいズルいズルい!」


 「あなた、いつも一緒にお風呂入ったり、時々ベッドに忍び込んで一緒に寝たり、お耳掃除して貰ったり、あ~んして貰ったり、お洋服着せて貰ったりしてるじゃないの!今日だって、そんな格好で出て来てお膝にのって!」


 「良いじゃない!旦那様が喜ぶんだから!旦那様はおばさんより、子供がすきなのよ!」


 「それは知ってるけど!子供がそんなことするのは、はしたないでしょ!それに、元ちゃんは覗くのと大きいおっぱいとパンツが好きなの!」


 ぷりぷり動くアイリスのお尻を見ながら、元気は思う。ミリャナは良く自分の事を見てくれているのだな。と、そしてお風呂を時々覗こうとしてたのがバレているな。と……。


 「わかった!ミリャナ。ダンジョンへ一緒に行こう!アイリス!今日は一緒にお風呂に入り直して、お着替えして、二人でねんねしよう!」


 二人の言い合いが不毛になって来たので元気が止めに入る。二人とも髪がボサボサでミリャナは鼻血が出ている。この二人、本当に本気で喧嘩するのだ。


 「デザートにアイスをあ~んして下さい」


 「私も、アイス食べたいわ」


 「わかったから。ほら、二人ともこっちおいで」


 二人を呼んでヒールをかけ、仲直りの握手をさせる。渋々だが二人とも握手をして仲直り。ここまでがミリャナとアイリスが喧嘩した時の一連の流れである。


 喧嘩する度に、元気の性癖が明らかになっていくが、特に隠していないのでそこは気にしない。


 しかし、次の日には二人とも何事も無かったようにケロっとしているから、不思議なものだ。と元気は毎回思うのだった。

ダンジョンへはミリャナと向かう事になりましたw

同行者をミノスとフェルミナか、アイリスか、と悩みましたが、平均的な人間であるミリャナが良いと思いました。


次回は冒険者ギルド登録です。

やっと冒険ですw


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