メルディの一日
メルディ視点です。
『今日は何か良い事が起こりそうですわ!』
そう思いながら、私は毎日目を開きますの。そうすると、メルヒオーネがやって来てお仕着せをしてくれます。
本当は、もう一人でしなければいけませんが、メルヒオーネは優しいのでしてくれるのです。
メルヒオーネはハーフエルフなのですが、私は大好きです。
前にお兄様が言っていた通り。学校のお友達は、お引っ越しをしたらお手紙を出す。と言ったっきり、音信不通になりました。
学校のお友達よりもメルヒオーネを大事に思って正解でした。
だって、メルヒオーネは私を大事にしてくれますもの。
この前メルヒオーネに、お嫁さんになってあげる。と言ったら泣いてしまいました。
メルヒオーネが泣くのは嫌なので、もう言いません。と言ったら、嬉しくて泣いたんだ。と言っていました。
ハーフエルフは嬉しくても泣くのですね。と言うと今度は笑っていました。
メルヒオーネが笑ったので、私もうれしっかったですわ。
お父様とお母様と3人で朝食を済ませると、お父様はお仕事です。
「今日も頑張って下さい!」
「あぁ、メルディありがとう」
お父様はそう言うと執務室へ向かわれます。
今日はもう、殆ど会えません。
「メルディ、今日は用事があるからメルヒオーネと遊んで貰いなさいね」
「はい、お母様!」
お元気よくお返事をしなければ、怒られるのでお返事をしましたが、お母様?今日は、ではありません!今日も。なのですよ?
アイリス様のお母様と出会ってからは、お母様はあの方とお二人で、お部屋にいる事が多くなりました。
何か、秘密で楽しい事をしているのかも!
そう思って一度ベッドの下に忍び込んでいたのですが、お部屋の中でお胸を見せ合ったり、もみ合ったりしているだけでした。
何も面白く無かったのでそれからは、していません。
あれは、逢い引き。と言うらしいです。この前アイリス様に教えていただきました。
秘密にしとかないといけないらしいので、秘密ですが。お兄様に話すと喜ぶ。とアイリスサマが言っていたので、今度話して見ようと思います。お兄様に早く会いたいですわ。
今日。本当は、お昼過ぎまで学校の時間だったのですが、アルカンハイトが領地から国になった事で、お友達や先生が引っ越しして行ったので、お休みになっています。
メルヒオーネがお勉強を教えてくれますが、やはりお友達とお話し出来ないのは、つまらないのです。
最近はポタンがお昼に、お城の書庫に遊びにやって来ます。なので、私も一緒に本を読みますの。私は計算が苦手なので、足し算の勉強です。
ポタンは、物質の転送と召喚の相互関係と違いについて調べている。と言っていましたが、私には何の事だかわかりませんでした。
なので、一生懸命お勉強をしてポタンの役に立てる様にするのです。
私はお姉様なのですから、当然なのです。
だけど最近は、ポタンに勉強を教えて貰ってばかりで、少し自信がなくなっていますの。
でも、私が問題を解くとお姉様は凄いねとポタンが誉めてくれるので頑張ります。
今日はポタンと一緒にアイリス様も来ました。アイリス様は私の知らない事をいっぱい教えてくれるので、お話しするのがとても楽しいのです。
この前教えて貰ったのは、逢い引きでした。今日は何をお話ししましょう?
「だからねメルディ様。お兄様は、女の子のおっぱいが好きなの。お兄様というか男の子全般ね。ね!メルヒオーネさんも好きですよね?おっぱい」
「ね!と言われましても……答えかねますね。それよりもアイリス様もメルディ様も、お勉強をしなければ、ポタン様に怒られますぞ?」
「はーい」
アイリス様はある日から、みんなに厳しくされていると言っていました。
可哀想だったので、ポタンに優しくしてあげて貰えないか聞いてみたのですが。
「甘やかすと、パパみたいになるから駄目です。お姉様もパパみたいになったら、もうお話ししませんからね」
「お兄様はいい人だと思います!何が駄目なのですか?教えて下さいまし!」
私は、お父様を助けてくれたお兄様が好きなので、ポタンに強めに聞き返してしまいました。
「お姉様。パパと同じ事を普通の人がやったら直ぐに死んでしまいます。私はお姉様にもアイリスにも死んで欲しくありません。だから、厳しくするんです」
戦争を終わらせて、お父様を連れて来てくれるのです。お兄様はお強いですが、私が真似をしても死んでしまう。と。私もそう思いました。
「そうですね。変な事を言ってごめんなさい」
ポタンがアイリス様に厳しいのは、心配しての事でした。そして私の心配もしてくれていました。
お兄様の事悪く言われたからと言って怒ってしまった事が恥ずかしくなります。
「パパにも良い所はあるので、そこは見習っていいと思いますよ。優しい所とか?」
「優しい所ですか?他には?」
「う~ん、そうですね。差別しない所とか?人を大切にする所も優しさですし。思い当たらないので、優しい所だけを見習えば良いと思います」
「そうですか、そうします!」
お兄様はいい人だと思うのですが、いい人以外。良い所はあまり無い様でした。
アイリス様は嬉しそうに、お兄様はスケベと言っていましたが良い所なのでしょうか?私にはわかりませんので、今度お兄様に聞いてみる事にいたします。
アイリス様と二人で、メルヒオーネにお勉強を教えて貰っているとドォーン!と大きな音が聞こえて来ました。
同時にお城の中が騒がしくなります。
「町の方で謎の爆発が起こっている様で、領主様と財務大臣様が偵察に向かわれました!メルディ様とアイリス様は部屋から出ない様にしていて下さい!」
兵士がそう教えてくれました。
「メルディ様もアイリス様も、心配しなくて大丈夫です。メルヒオーネがいますのでお守りいたします」
「よろしくお願いします」
アイリス様はそう言うと窓の方へ行き、町の方を見ます。私も一緒に町の方を見て驚きました。
七色の綺麗な光が、町の上空で光っているのです。
「凄く綺麗ですわ!」
「フフ、あれは旦那様達の仕業でしょうね」
「お兄様?」
「あんな、魔力の無駄遣いする人は他にいないよ」
「無駄遣いですか?綺麗で素晴らしいと思うのですが、これも真似をしてはいけないのでしょうか?」
「メルディ様が大人になって、良い。と思ったら真似をして良いのかも知れませんよ?」
「そうなのですか?それでは早く大人になりたいです」
「フフ、メルディ様は旦那様の真似をしたいのですね」
「あ!あまり真似をしない様にと言われたのですが、バレてしまいましたわ!」
「大丈夫ですよ。先輩には言いませんから。私も早く大人になりたいです」
同じくらいの年なのに、アイリス様が大人の様に見えて……私は何故か寂しさを感じました。
その後、アイリス様が言った通り。お兄様の仕業だったらしく、お城の厳戒態勢が解かれました。
「アイリス、帰るわよ」
「はい、先輩」
お部屋にアイリス様をポタンが迎えに来ました。アイリス様はポタンが厳しいと言う割には、嬉しそうなのです。何だか羨ましいです。
「じゃ、また!メルディ様」
「また来ますね。お姉様」
「ご機嫌よう」
笑顔で見送るつもりでした……。
でも、また一人になる。と思うと寂しくなってしまってポロリと涙が流れてしまいました。
「姫様!?いかがされましたか?」
「お姉様?」
「メルディ様?」
皆が声をかけてくれるのが嬉しくて、涙が止まりません。
「さ、寂しいです……っんぐ」
それしか言えませんでした。
妹とお友達の前で泣くなんて恥ずかしいです。ですが涙が止まりませんでした。
お二人は私のためにお城にお泊まりしてくれる事になりました。
申し訳無い気持ちと嬉しい気持ちが半分半分です。嘘です。嬉しい気持ちが殆どです。
3人でお風呂に入って、お喋りをして凄く楽しかったです。
次はベッドの中で何をしようかな?何を話そうかな?とわくわくしている内に私は寝てしまった様でした。
起きたら、ポタンもアイリス様も既にお仕事に向かわれていました。
「メルヒオーネ!何で起こしてくれなかったのですか?」
「お二人が、寝かせてあげていて欲しい。と仰られたものですので」
もう!お優しいのは良いですけれど挨拶位はしたかった。と思いました。
「あ!そうだわ!良い事思いついたのです!」
「姫様、良いお顔をされていませんね」
「いえ!とっても良い事ですわ!」
挨拶出来なかったのならば、挨拶をしに行けばいいのです!距離は学校と変わらないのですから!
お母様は毎日、逢い引き!お父様は、お仕事!昼間ちょっと出かける位は、大丈夫でしょう!
「メルヒオーネ!行きましょ!」
「姫様、お着替えしましょう。そのままでは目立ってしまいます」
そう言うとメルヒオーネは地味めなドレスを用意してくれました。
流石メルヒオーネ!私が何処に行こうとしているのかわかっいます!
「私もお役に立つのです!」
待っててね!ポタンにアイリス様!
私が今、会いに行きますわ!
学校やお役所など、町にも色々解決しないといけない事が山積みですねw
次回は難民受け入れと思いますw
ブクマ、評価、コメントよろしくお願いします。




