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パン屋を救おう~身バレいちゃらぶ~

ミリャナと元気のラブラブ回になってしまいましたw

 死にかけていたマザーは、ミリャナのかいほうのおかげで無事復活し、手を交差させながら元気の前にひざまずいた。


「お見苦しい所をお見せして申し訳ないですじゃ神様」


「神様じゃ無いです」


「またまたご謙遜を、お子様のお姿を模されておりますが、私には解ります」


「お子様って言ってる時点で何も解っていないじゃないか、神様じゃないし、名乗った覚えもないよ」


「し、しかし……。ですが……」


 マザーは元気を神様に仕立て上げたいらしく、否定されても元気に食い下がってくる。


 どうしよう。とミリャナを見るが、自業自得よ!という顔でこちらを見ているだけだ。


 最近元気は、ミリャナの顔を見るだけで何を思っているのか解るようになってきた。


 今はいつもより0,87ミリほど瞼が下がっていて、鼻の穴が0,45ミリほど開いている。

 そして少し、アヒル口になりかけの唇がキュートでチュッとしたくなるので、少し怒っている事が、元気には解るのだ。

 

 次は、匂いだけでミリャナの体調が解るようになりたい。と元気は考えているが、クンクンされるのは、恥かしくて嫌らしいので、控えめのスンスンに変え……。

 現在、秘密裏にサンプル回収している途中なのだった。


 これは、ミリャナの助けは望めないな。どうしよう。と元気が思っていると、マザーが来た方向から声が上がった。


「聖人様じゃありませんか!?どうされたんですか?あぁ!マザーが膝をついているって事は、神である事がバレたのですね!おめでとうございます!我等エルフの救世主であり、奴隷を救った聖人であり、恵まれない子供やシスターに施しを与える神。元気様!」


 神官服を着た。エルフのモンキーが、言わなくて良いことをベラベラと喋りながら、嬉しそうに手を振りこちらに走ってくる。

 あまりにも良い笑顔に腹が立ち、ビンタしてやろうかと思ったが、子供達の前なのでやめておくことにした。


「ほ、ほら!神様じゃ無いですか!ほら!ダブダブダブ~」


 両手を合わせて、ダブダブダブ~と御経みたいな物を唱えるマザーにつられて、騒動を見に来た他のシスターや子供達もダブダブダブ~と言い始める。


 ミールが一緒にダブダブやっているのがムカつくが、身バレして家に来られても困るので、素性は隠しておきたかった。


 なので、仕方が無い。と元気は思い。開き直る事にした。


「私の存在は、他言せぬようにしなさい、良いね!言ったらダメ絶対!」


「やはり!神様!わ、解りました!決して他言せぬようにします!」

 とマザーが


「仰せのままに!」

 とシスターが


「はーい!!!」

 と子供達が返事して


「自分でバレるような事しといて、良く言うぜ」とミールが言う。

 

 その隣でお下げの女の子が申し訳無さそうにしながら、ミールの代わりにペコペコ頭を下げる。


 付き合ってんの?彼女なの?羨ましいんだが?天罰でも与えてやろうか?と元気が思っていると、ミリャナが救いの手を差しのべてくれた……のだが……。


「あの、神様、今日はどういったご用件でしょうか?」


 「え?ミリャ……なんで?」


 天罰とか何言ってんだ!俺にはミリャナがいるじゃ無いか!ミリャナとラブラブすれば良いんだから!と元気が思っていた矢先だったので。


 他人行儀で話してくるミリャナに、元気は焦ってしまった。


「ミリャ……。怒ってるのは解るけどさ、そんな他人みたいな言い方しないでよ。ね?家に帰ったら、ちゃんと謝るからさ、いつもみたいに元ちゃんて……」


 そこまで言って、身バレはしたが家バレはしてない事を元気は思い出す。


「嘘で~す、神様ジョーク!今のは皆、忘れましょう!」


「ミリャナ?元ちゃんて、あれだろ?ミリャナがいつも嬉しそうに、幸せそうに話してる、居候の子供だろ?へぇ、神様だったんだねぇ、ミリャナの友達のヘレンだ!よろしくな神様!」


 ヘレンがニッコリ片手を上げてよっ!と挨拶してくるので元気もよっと仕返す。何か友達的なやりとりが嬉しい、家族はいっぱい出来たが、友達は少ないままだ。


「こちらこそよろしく。ヘレン、後で、ミリャが嬉しそうに、幸せそうに話していた話しを詳しく頼む!」


「あぁ!良いぜ!アンタの話しをする時のミリャナは可愛いんだぜ?」


「えぇ!何それ!嬉しすぎるんだけど!家で最近ずっとぷりぷり怒ってるからさぁ」


「あはは、ミリャナはちょっと口うるさいからな!」


「二人とも、いい加減にしなさい!」


 ミリャナが怒ったので、二人はゴメンとミリャナに謝りへへへと笑い合う。ヘレナとは仲良くなれそうだ!と元気は思った。


 そのやりとりを見て、子供達も笑い空気が和むと、ミリャナがいつものように話しかけてくる。


「もう、バレたく無さそうだったから、協力したのに意味ないじゃないの」


「ゴメンね、何か、ミリャナが他人行儀なのが寂しくなっちゃって、つい」


「まったく、そんな言いするのズルいわよ、怒れないじゃない、本当に他人だと思ってたら助けたりしないでしょ?」


「うん、そうだね、ミリャナごめんね、そうだ!今日は、ミリャナの好きな、グラタンハンバーグにするよ!仲直りのお祝い!」


「仲直りのお祝いって喧嘩してないでしょ?フフフ、気持ちは嬉しいけど、ハンバーグばっかりだと太っちゃうでしょ?最近、お腹が気になっちゃって……」


「そうかな?ミリャナはいつも通り可愛いけど?少し位、太ってた方が安心だし、太り過ぎて歩けなくなったら、俺がミリャナをおんぶしてあげるよ!」


「元ちゃん、女性に太る太る言ったら怒られるわよ!まったく、フフフ、でも、動けなくなったらその時はおねがいね」


「もちろんだよ!」


 元気がミリャナとイチャついているとミールがヤジを飛ばす。


「お~い、もういいか?家じゃ無いんだから、二人とも自重しろよ?」


 微笑ましい二人を見つめる、周りの生暖かい視線に、元気とミリャナは恥ずかしくなり赤面する。


「か、神様!今日は一体!どの様なご用件で来られたのでしょうか?」


「きょ、今日はですね!お願いがあって私は来られたのです!」


 時を戻そうと二人は頑張ったが……。戻る事は無かった。


「して、神様、お願いとは何でしょう?」


 マザーが聞いてくれたので、バーニャのパン屋であったこと元気は皆に話す。


「お金を出すのは簡単だけどさ、根本的な解決にはならないだろ?だからさ柔らかいパンを作って売ろう!って思ってさ」


「ふむ、それで、シスターや子供達に協力をと言う訳ですな。しかし、町に出る子供の安全は保証されているのでしょうか?」


「子供の安全?町中は危険な様に見えなかったけど?」


「なるほど、ミリャナからは聞いておりませんか……」


 そういってマザーがミリャナを見るとミリャナが顔を伏せる。その後、マザーが元気に子供が町に出ると、どうなる可能性があるのかを話す。


 元気には衝撃的過ぎた。


 マロニーちゃんを捨てられて泣いたどころの話では無い、聞いただけで本当に胸クソ悪くなる話しだった。


「ごめん、そこまでは考えて考えてませんでした」


「ごめんね、元ちゃん、私が話して無かったから」


「いいや、ミリャナが話さなかったのは俺の為だろ?」


「でも、ちゃんと話してればこんな事には、また、私のせいで……」


 元気はミリャナの口から、また、私のせいで。と零れた事に気づいた、ミリャナの悪い癖だ。


 私が全部悪いのよ!と悲劇のヒロインを気取るタイプの人間は大体、違うよ違うよと言ってほしいだけのアピール馬鹿なのだが、ミリャナは、深く深く何かに傷ついて夜中に独り庭へ出てひっそりと泣く、そして、次の日には気丈に振る舞うのだ。


 構ってアピールしてくれればミリャマニアである元気は昼も夜も問わず、永遠に構ってあげるのだが、過去にあった悲しい話しは、心の整理がつかないと殆どしてくれないのが元気には歯痒かった。


 しかし、ミリャマニアである元気はそんな姿もしっかりと暗視スコープで瞬きひとつせずに夜中中ずっと、ミリャナの観察を怠る事無く記録し続け、1つの攻略法を見いだしていた。


「きゃ!」


「ぎゃ!」


 ミリャナの短い悲鳴と、元気の短い喜鳴がパチーンと鋭い音と一緒に教会内に響き渡る


「げ、元ちゃん!何するの!」


「い、いや、いつものあれだよ、あれ!」


「あれってなに?いつもは、クンクンとかカプとかでしょ!?」


「ち、違うって、ほ、ほら!今、俺が叩かれたのって誰のせい?」


「それは、元ちゃんが胸を触ったからでしょ?だから……あ、また、私言ってたのね?」


「うん、無意識的にだと思うけどね」


「そ、そう、ごめんね元ちゃん、私のせいで……あ、」


「はは、また言った、今度はモミモミしちゃうぞ?」


「もう!駄目よそういうのは大人になってから!」


「えぇ!大人になったら、いいの!?」


「そ、それは!その、馬鹿!意地悪な人は嫌いよ!」


「ははは、ごめんて、でも、もう、大丈夫そうだね」


「うん、ありがとうね、元ちゃん」


 そういってミリャナと元気が笑い合っているとミールからヤジが飛んで来る。


 デジャブ現象だ。


「そろそろ、いいかな?続きは家で二人のときにやってくれる?微笑ましい通り越して、腹が立って来たわ!話が進まないって」


 今度は、ミリャナと元気二人で謝る。


 シスター達は二人のやりとりをポーっとしながら見ている。そして子供達はクッキーを食べている。色恋よりもお菓子に夢中だ。


 他の手伝いエルフ達とマザーは、ウンウンと満足げに頷いている。


「護る人員をどうにかすりゃ、いんだろ?待ってろ、手伝いのエルフ達は耳塞いでおいてくれよ」


 ミールがそういうと、一斉にエルフが耳を塞ぐ、ミールが何をするか解っている様だ。


 ミールはそれを確認し、大きく息を吸い込むと……。空に向かって指笛をぴぃ~!!!っと吹いた。

えっと、パン屋終わるハズでしたが続きますw


次回は炎季パン祭り開催です!

考えて無いけど、何か事件が起きるんだろなぁw


ブクマ、評価、コメントよろしくお願いします!

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