ポタンとヴァイド
難民やら戦争やら難しかったw
「元気からだいたいの話は聞いたのだが……ポタン。其方の方針で行こうと思う。良いだろうか?」
「私はかまいませんよ」
「すべて自分で何とか出来ればよかったのだが……」
「お爺様。パパのせいで増えた仕事です。お手伝いくらいは致します」
「ありがとう……。助かるよ」
「本当はパパにさせるべきなんでしょうけど……」
ポタンが元気を見た瞬間……元気がぱっと消えた。
「これです。無理でしょうね……」
「うむ。しかし、目の前で消えられるとおどろくな……」
「わたしが来たからもういいや。って、瞬間移動の検証を始めたのでしょう。本当にパパったらどうしようもないわ」
「フフフ、元気がパパでは無くて。ポタンがママみたいだな?」
「冗談はよして下さいお爺様。あんな息子はいりません。問題ばっかり起こして、女性を次々に連れて来て……。ママがどんなに不安か全然、わかって無いのですから!」
「ポタンはミリャナが好きなんだな」
「勿論ですよ。ママの為なら世界を滅ぼしたって良いですよ」
「どちらかと言えば救って欲しいが……。興味ないのであろう?」
「ええ。無いです。ママがピンチの時は考えますが」
「そうか……。まぁ、ポタンがミリャナを大好きなのは解った……。あと……。その喋り方はどうにかならんか?」
「しゃべり方ですか?」
「ああ。子供にかしこまった喋り方をされると……違和感があるというか。いや、ポタンを子供扱いしてる訳ではないんだぞ?」
「子供ですから、子供扱いで良いですよ?」
「そうしてやりたいが。どうやらポタンは私の知識を遙かに越えているからな」
「知識があっても、使わなければ意味が無いのです。色んな経験をしてきたお爺様には敵いませんよ」
「フフフ、ポタンはお世辞まで言えるのか、関心関心。アレにも教えてやってくれ」
「無駄ですよ、興味が無いことには耳がちくわに……えっと、耳が右から左に穴がぽっかり空いて筒抜けなのです」
「そうか、男とはそう言う物だからなぁ、私も気をつけないといけないな……」
「お爺さまは大丈夫でしょ。パパは考えが子供過ぎます」
「まぁ、もうちょっと大人になって欲しいな……。毎度こうなるのは困るからな……」
「して。ポタンよ魔族の進行はどれ位と予想されるのだ?」
「中央との戦争の規模を考えると、こちらに回せるのは1万程度ではないでしょうか?」
「戦争規模をというと前線を見てきたのか?」
「はい、ママには内緒でお願いしますね」
「まったく、其方といい元気といい、あんまりミリャナに心配をかけるなよ?」
「はい、ごめんなさい」
「それで?どうだったのだ?」
「何というか見た感じ、政治戦争でした、押しては引き、押しては引きでざっと見て3万人程を目安に補充している感じです、過去の場所の記憶を見たので、確実だと思います」
「場所の記憶とはなんだ?」
「エルフの隠された能力です、自然が記憶した記録を見ることが出来るんです、
みんな長い時の中で使い方を忘れてしまった様ですけど……まぁ、森の記憶を見たところで仕方ないので、仕方ないですが」
「ふむ、エルフは自然と会話するという伝承がそれに該当するのかも知れんな」
「そんな伝承があるのですか!?なんですかそれ!?」
「フフフ、ポタンはそういう知識が好きなのか、今度、遊びに来たときに書庫に案内してやろう」
「お爺様!大好き!」
「むぅ、元気がデレデレする理由がわかるな……して魔族の兵一万の根拠はなんだ?多過ぎやしないか?」
「巨人対策と魔王の代替わりです、代替わりによって現魔王が本気で国盗りを始め、
中央大陸と魔国との中間にあるアルカンハイトに白羽の矢を立てたのです」
「本気でだと?今までの戦争は茶番だったという事か?」
「戦争で武器、鎧の消費すれば儲かる所があります、そして国も戦争から国を守るというお題目があれば税金を取れますし、共通の敵を作っておくことで団結するでしょ?」
「なるほど、それで政治戦争と言ったのか、兄上は何の為に死んだのか……酬われぬな」
「国の為じゃなくて、お爺様達を守るために死んだのですから、酬われ無いことはないでしょ、今、元気に生きてるんですから」
「うむ、そうか、そうだな!すまない、感傷に浸ってしまった、続けてくれ」
「前回は魔物と奴隷編成で2000程の上陸だったから、普通に考えて次回は倍の4000位で取りに来るつもだったハズです
でも、お馬鹿なパパが魔族を帰してしまったので、この島には巨人もパパもいるのがバレてしまった……そして魔王城への巨人の襲撃です」
「最悪だな」
「そうですね、なので最低でも1万程度の兵士、それと魔王軍幹部が数名やってくると思います、最悪、魔王がやって来るかも」
「難民受け入れとか言ってる場合じゃないんじゃ無いのか?不安しか無いが?」
「まぁ、普通はそうですけど、お馬鹿なパパですけど、力だけはあるので魔王に負けることはありません、が数で攻められてはどうしようも無いんです」
「確かに、そうだな」
「なので、今回のミノスさんとエルフ達が行っている難民救助が鍵なんです、こちらが衣食住と手厚くもてなせば、攻めて来た魔族と一緒に戦ってくれるでしょ?魔王に恨みを持った人達ですし」
「なるほどな、5千人とエルフで雑魚を処理している間に主力で向こうの主力を叩くのか」
「そうです、こちらにはフェルミナに巨人三体、それにミノスさんとパパがいますので余程の異常事態にならなければ問題なく終わるでしょう……パパ次第ですね」
「元気次第とは?」
「超がつくほどのお人好しですので、殺したくないとか言い出すと困りますし、その場合のことも考えとかなければ行けませんが……それは解決しました」
「解決だと?」
「えぇ、瞬間移動ですよこれを使って海の底か火山のマグマの中に敵将を送ってしまえば終わりですなので、一応私も参戦します」
「それは駄目だ!危険過ぎるぞ!」
「大丈夫ですよ、もしもの時はキャンプから動きませんし、パパが使えなくなったら一気に怪しくなります、厳しいことを言いますが、お爺様やグレイ叔父様は戦力に入れれませんので」
「うぬ、流石に傷つくが言うとおりだな」
「ですが、戦力の指揮を上げたり戦力を上げるのは、お爺様とグレイ叔父様のお仕事ですパパには絶対無理なので」
「うむ、そうだな、アレには無理だ少し気持ちが楽になった、だが、ポタンの護衛位はしっかりとさせてくれ」
「戦場では何があるかわからないといいますし、お爺様には経験面で期待してます」
「うむ、任せておけ!命に代えても守ってやる!」
ヴァイドはポタンに兵士がする敬礼をする、ポタンは嬉しくなりにっこりとヴァイドに微笑み返した。
「それでは、私は難民の受け入れ体制を整え、グレイが訓練をする体制を整えれば良いのだな?」
「ひとまずはそうですね、中央へ逃げた貴族の残した仕事の事はわたしも考えておきますね」
「うむ、それは助かるが……良いのか?」
「まぁ、パパのしたことで増えた仕事ですので気にしないで下さい、親の不始末は子の責任といいますし」
「逆だ、子の不始末は親の責任だ、はぁ、不出来な親を持つと大変だな」
「全くです……取り敢えずは、逃げた貴族が何をしていたか書いていて貰えると助かります」
「うむ、書き出しておこう、すまぬな」
「まぁ、経験は積んでおいて損は無いですし、書庫の本を読めるのでいいですよ、メルディ様にもあえますし」
「そうか、仲良くしてやってくれ、学校の友達も殆どいなくなってしまったのでな、寂しくしておるのだ」
「フフフ、任されました……ではそろそろ帰らないと、ママが心配するので帰りますね」
「おぉ、そうか……うぉ!」
二人の話しが終わった時に丁度元気が戻ってきたのだった。
天才児ポタン始動、だけど子供扱いしてくれるパパとママがやっぱり好きですw
次回は、4人のお茶会の様子ですw




