地獄~ツバサ~
日本って平和よねw
異世界にやって来た俺は、王様に魔王討伐へと行く様にと言われて、王様から金貨を受け取り旅に出たんだ。
え?裏切りおじさん?知らないなぁ……。俺は一人での旅立ちだったよ?俺の時は王様も城の人達も親切だったけど……。
……成る程ね。俺がやって来たのは王様が代替わりする前っぽいな……ちゃんと城の中にメイドさんがいたもの……。
……おいおい、ズルいって言われてもなぁ……。女の人が居ても見向きをされなきゃ一緒さ、俺の姿形は転移前と一緒なんだからな。
まぁそんな話は良いとして、王様に魔王を倒す様に言われた俺は取り敢えず、中央から東のダグスラクタルって言う戦争の最前線の町へと向かった。
道中は馬車で、見慣れない景色やモンスターに心が踊ったよ。本当に異世界に来たんだ!いっちょ世界でも救ってやりますか!って気分だったね。
そんなワクワクしている俺の乗っている馬車に、次の町である女性が乗り合いを求めて来たんだ。
ダグスラクタルまで帰りたいので、一緒に良いかって、俺は勿論オーケーした。
乗って来た人は金髪のブロンドで、凄く良い匂いがしてさ……短パンとタンクトップのノーブラ……超エロかった。
おっと……。ナツの目が少し痛いな……こう言う話は伏せて話そう……ってな訳で、綺麗なお姉さんと一緒に旅する事になった俺は、ワクワクに重ねてウキウキもし始めたんだ。
浮かれ過ぎて、「いやぁ、僕。異世界から来て、魔王をこれから倒しに行くんですよ~」何て俺がおちゃらけて話すと、「え~凄いですね~!勇者様みたい!」って言ってくれたりしてさ、異世界の女性ってこんなにアプローチが凄いのか!って思う位におっぱ……胸を押し付けて来たりして、これはもしかしたら!って俺は思った。
そして、その日の夜……。
俺は死んだ。……その女に殺されたんだ。
城から出て来た俺をずっとつけて来た盗賊達の一味だった。
途中で待機してた仲間達に、馬車ごと奪われ俺と馬車乗りのオジさんは殺された。
でも、俺は転生特典の『不老不死』の能力で生き返える事が出来たんだ。
これには自分でも驚いたよ、こっちに来てからもこんな人生か!って思ってたからね。……でも人生は終わらなかった。
……終わらなかったが、身包みの一つも無くなった俺は一度町に戻る事にした。
徒歩で二日かけて町に戻った俺は、金を取り戻そうと盗賊達を探したが、その町には全然見当たらなからず。その日から、路頭に迷った俺の異世界ホームレス生活が始まった。
不老不死とは言っても、能力は死なないだけ。武具も買えずモンスターを倒す力が無い俺は、物乞いをするしか無かった。
毎日お腹がすいて苦しかった。その日暮らしがやっとだった。
そして、そんな生活が数ヶ月が過ぎた頃、ある女性が声を掛けてくれた。
「お仕事あるけど……どう?」ってね。俺は二つ返事で飛びついたよ。
黒髪ショートのべっぴんさん。その人は、お腹がいっぱいになるまで御飯を食べさせてくれたり、風呂に連れて行ってくれたりさ、凄く優しくて、本当に女神様かと思ったよ!
いやぁ。久しぶり食べた肉の味は涙が出るほど旨かったなぁ……でも、それも罠だった。
その日の夕食に、睡眠薬が仕込まれてて……気が付いたら、俺は牢屋の中だった。
どうしてこうなったか、訳も解らず混乱していると、牢屋までその人がやって来てさ「汚い豚を所望している御方がいてね……明日からそこで一生懸命働いてね」って言うんだ。
仕事か?って聞いたら何も言わずに笑って出て行った。
それから数時間後、俺は見知らぬ男達にまた睡眠薬を飲まされて、ある所に連れて行かれた。
そして、目が覚めたのはまたまた何処かの牢屋の中。さっきと違うのは、その牢屋には鉄サビの匂いが充満していて、とても薄暗く……そして、定期的に悲鳴が聞こえて来るという事だった。
これは流石にヤバいと思ったが、両手両足を拘束され、超能力の無い俺にはどうしようも無かった。
食事は一日に硬いパンが一つと、臭い水がコップ一杯。トイレは垂れ流し、そんな生活が数日過ぎたある日の事。ニヤニヤしながら一人の豚の様な男が牢屋の前に現れた。
「あぁ。良いなぁ醜い……。これならモンスター同様、遠慮無く出来る……」
いや、お前も相当の物だろ……。最初はそんな事を思えたんだけど、そう言う事が考えられたのは、その日だけだった。
「おいおい……。心臓を刺しても、目玉をえぐっても何度も再生するじゃあ無いか……ヒヒヒ……良い買い物をしたもんだ……ヒヒヒ……。足は生えてくるのかな?……腕は?」
その日からの数ヶ月に及ぶ拷問が始り、そして俺は感情を失った。何も考えない様にしんだ、痛みが和らぐ気がしたから……。
「あらら?感情を失ったふりかね?ヒヒヒ……面白い……。今日はそんな君にプレゼントがあるんだ。おい!連れて来るんだ!」
これは地獄。自殺を行った俺への罰だと、何もかもを諦めた俺の虚ろな目に映ったのは、一人の女の子だった。
その子は、素っ裸のうえにガリガリで身体中が生傷でボロボロで、今にも死んでしまいそうに思えた。
拷問は兵士っぽい人間に拘束され、別室へと連行され、終わったらまた牢屋に戻される。抵抗したら魔法で燃やされるから、脱走しようにも出来ない。そして、あの子が来てからはもっと出来なくなった。
「……おじさん大丈夫?」
「……お前の方が大丈夫か?」
「私は平気!……あの優しいお姉さんがきっと助けに来てくれるから!私約束したんだ!だからおじさんも、諦めないでね!」
「お姉さん……?」
「うん!私が孤児院から攫われた時に、牢屋で会った女の人!……希望を持って諦めなければきっと助けに行くからって言ってたわ!」
自分が売られた事に気付いていないその子は、裂けているだろう恥部に、汚い布を宛がいながら、とても純粋な瞳で、最後まで俺達を騙したあの女の事を信じて待っていた……。
ツバサと女の子の出会い。この後何がどうなって蛙化するのか!?
……粗方は出来たけど、まだ少し考え中w
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