転移前~ツバサ~
えっと。このお話は殆どが事実のお話ですw
誰のかは察して下さいw
その人は自殺に失敗をして、今も生きております(*^_^*)
太っている。その事でターゲットにされた俺は、幼稚園から小学校を卒業するまでイジメにあっていた。
「アイツに触れるとばい菌が移るぞ!」
「え~!汚~い!アハハハ!」
「え~んがちょ!」
イジメる側も最初は軽い気持ちだったのだろう。皆が笑っていた頃は、まだ良かった様に思う。しかし、それは歳を重ねる毎にそれは笑えなくなっていった。
最初は俺を気持ち悪い物を見るかの様な目で見るだけだったクラスメート達は、だんだんと俺を汚物の様に扱始めた。
配られた俺のプリントを雑巾の様に扱い。触った物を雑巾で拭いたり。班分けや給食の時間に一緒になると嫌な顔をする。これがデフォルトとなった。
俺は体が巨大だ。
暴力的なイジメであればやり返す事も出来たのだが、そうでは無かったので、対処のしようが無かった。
一度。担任になったおばちゃん先生が対応をしてくれた事があったが、その先生はその日からシカトされる事となり、彼女が何か失敗をする度に、クラスメート全員から罵声を浴びせられ、時々泣いていた。
それを見る度。俺は申し訳無いと思った。
そう言う事が二、三年続いた後。俺は小学校をリタイアし学校に行かなくなった。
両親が離婚するまでは、父親による家庭内暴力が当たり前の家だったから、俺の避難先は婆ちゃんの家だった。
そんなこんなで、毎日暇だった俺は、中学生になると不良になった。
ケンカはしなかったが、煙草や窃盗を色んな所でして回った。
そして、学校のサボり組が集まる所はだいたいがゲーセン等と決まっているので、自然と不良友達が出来た。
その結果。
「お前……。俺の財布パクったやろ?」
始まりは先輩の勘違い……それと暇潰しってのもあったのだろう。八人程の人間に囲まれリンチを受けた。
三時間程の集団リンチを受けたが、全身打撲ですんだ。
これには、体が大きい事に感謝した。
リンチの事は黙っていようと思ったが、顔中が紫色に腫れ上がり。元々パンパンだった顔が更にパンパンになっていた事で、婆ちゃんにすぐにバレた。
その後。各家庭から慰謝料を貰ってその件と友達付き合いは終了した。
因みに。慰謝料はギャンブル狂いだった両親の軍資金となって消えたから、俺はただ殴られ、裏切られただけの出来事となった。
暇と孤独の再来。毎日やる事が無かった俺は、アニメやゲームにふけった。
そしてこの頃。母親が血液の癌であるC型肝炎である事が発覚し、余命を告げられた母親が部屋から出て来なくなり。鬱病になった。
「体調は?」
「うん」
「御飯は?」
「いらない」
顔が青白く、目の奥が真っ黒に見え、すぐにでも死んでしまいそうで怖かった。
それから、母親の近くで過ごそうと家に戻った俺は、母親でストレス解消出来ない父親からの暴力や、真面目な他の兄弟との贔屓にあう事になった。
その頃には……俺も母親と同じ様に病んでいったのだと思う。明日の事を考えると目の前が真っ暗になり。その場から動けなくなった。
そして、自分は役立たずと、醜いと父親から物理的な行動で揶揄される日々が一年程続いた中学卒業の年。
母親が枕元に隠していたカッターナイフを見つけた俺は……それで手首を切って死んだ……。
そして、気付いたら異世界にいた。
「……ってな訳で、ナツがオシッコしたそうなので、一旦話を休憩しようか……」
「よ、良くわかったなお前!ちょっと行って来る!戻ってくるまで話すなよ!」
岩陰へと急いで駆けていくナツ。それを見送る元気と巨大蛙。
「……家族って何かこう。もっと幸せな物かと思ってた……。それに醜いだけでイジメって……」
「集団心理ってやつさ。人間は集団になると愚かになるからね」
「集団心理……」
「今となっては、年端も行かない女の子達に囲まれて汚物の様な目で見られるとか、どんなご褒美だよ!って思うよ。学校ちゃんと行っとけば良かったわ……残念無念」
「残念無念じゃねぇよ……。ってか流暢に喋りすぎじゃ無いか?登場時の設定。この短期間で何処に行ったんだよ?」
「あぁ。話してる間に何か頭が冴えて来たわ。……姿は蛙のままだけど……。そう言えば、自己紹介がまだだったね。俺はツバサ。今年二十歳になる日本人だ」
「俺は元気。今年十八かな?こっちの時間の流れが違いすぎて多分だけど……」
「そっか、何処住み?」
「俺は東京……っても田舎の方の孤児院で引き篭もりしてたから、街の方の事はあんまり知らないけどね」
「え!?東京なのに勿体ない!秋葉原とか行って、メイドさんの生足とか、ロリッ子観察とかめっちゃ出来る環境にいたのに、引き籠もるとかありえんだろ!……因みに俺は九州の宮崎って所だ」
「宮崎!あの有名なダンス。ひょっとこ踊りが有名なところだよね!って事はツバサさんもひょっとこ踊り得意なの!?」
「え?いや……得意では無いけど……。それにひょっとこ踊りの方も宮崎で有名って程でもない気がするんだが……」
「え!?そうなの!?」
ツバサの過去話よりもそっちにカルチャーショックを受ける元気。
元気の中では宮崎=ひょっとこ踊りなのだ。
「マンゴーとか、知事とか他にも有名な物があると思うけど……」
「ただいま~。おい!マ㊙コーとチチって何だ?」
トコトコと戻って来たナツが、元気の隣に腰掛ける。
「どんな聞き間違えだよお前……。ワザとだろ……」
「はぁ?元気じゃ無いんだから聞き間違え何かするわけ無いだろ?バーカ」
下唇を前に出してムカつく顔を元気に向けるナツ。
「コイツ……いちいち腹立つなぁマジで……」
「ゲロゲロゲロ!面白いなお前ら」
元気達のやり取りを見て愉快そうに笑うツバサ。それが嬉しいのか、ナツもツバサに向かってニコリとする。
「そうか!面白いか!じゃ、続きを話せ蛙!」
「お!嫁は俺の話に興味を持ってくれたんだね?」
「まぁ、喋るかえるは珍しいからな!」
「そうかそうか~。話を聞いてくれるか~。ナツはいい子だな~」
「エヘヘ~」
ツバサに褒められて嬉しそうなナツ。ツバサの方は、そんなナツを見るのが楽しい様子だ。
ロリッ子を喜ばせる事。それは大人の義務である。
その事を理解している元気は、二人をほったらかしにしておく。元気もアイリスを甘やかす時に茶々が入るのは嫌だからだ。
「じゃ、俺が転移して来た所から話すよ……。俺が出会った一人の少女の話を……。俺がどうして蛙になったかの話を……」
そう言って自分語りの続きを始めるツバサ。
他の転者の話が気になる元気はその話に聞き入る。ナツはおとぎ話でも聞いている感じで、少し楽しげだ。
そんなすっぽんぽんの二人相手に語られた話は、なろう系転移者が異世界特典の力で無双する。と言った様な話では無かった。
イジメって集団になると、イジメと自覚してる子供は意外と少ないんですよねw
次回は転生後。ここからはフィクションですw
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『★★★★★』で……元気も喜び頑張りますw




