……は正義
若い女のエキスは……ジュルリ……。
元気は崖下に到着すると、うんこまみれのナツを洗う為に、急いで簡易的な檜風呂を準備した。
「ひぇ~染みる~!!!」
元気にお湯を掛けられ、地団駄を踏みながらお腹を押さえるナツ。肌が岩肌と擦れて怪我をしている様子だ。
「まったく。染みるのは当たり前だろ。素っ裸で岩肌に肌を擦りつけて怪我しない訳が無いじゃ無いか!大体、お前何で裸にうんこまみれなんだよ?」
「山の主に丸呑みにされて、お尻から出たから……」
「お前、本当にうんこ娘じゃねぇか……。ほら!痛がって無いでしっかり立て!うんこ!」
「う、うんこって!お前!後で覚えてろよな!絶対に泣か……ひえぇ~!!!」
お湯を掛けられては、痛みでしゃがむハル。それを元気が魔法で強制的に立たせて、お湯をバシャンっと勢い良く掛ける。うんこがお湯で気化して凄く臭いので、今は近寄りたく無い。
そして、ナツが怪我をしたのは自業自得なので、今回のヒールは見送りだ。
「ふむ……山の主で御座るか……。子供とは言え人を丸呑みにするとは、一体どんなので御座るか?」
ちょっと遠くで元気達の様子を見ていた露死南無天が、ハルの発言に興味を持ち質問する。
「でっかい。蛙だよ!それでたまに喋る!」
「ほう。喋るので御座るか、それは興味深いで御座るな……」
「喋る馬もな~……ひぃ!あれ?お湯にちょっと慣れて来たかも……。なぁ?もう風呂入っていいか?」
「まだに決まってるだろ。まだ臭いんだから、湯船に浸かるのは身体を洗ってからだ!こっち来い!まずは頭から洗うぞ!」
「えぇ~。まだ駄目なのか~?」
いやいやながらも、元気に向かって歩き出すナツ。うんこも大分落ちて、彼女の表層がだんだんと見えて来た。
黄色のショートボブに、パッチリとした目。小さい鼻とおちょぼ口は遺伝だろう。冬美達とソックリだ。
しかし、他の三人とは違い。眉の手入れをしていない様子でナツだけ濃い。オッパイはちょいポコで下はつんつるてん。稽古はしっかりと行っている様子で、良い筋肉の付き方をしている。
「ほら!これに座って目を閉じろ。まずは頭を洗うから……」
元気がお風呂椅子を準備して指差すと、椅子の前まで歩いて来たナツが、仁王立ちをしながら元気をビシッと指差した。
「お前!自分から童女の身体を洗うとか、さては変態だな?気持ち悪~……ぎゃぁああああぁぁ!!!」
「スマン。スマン。お前の口と一緒で手が滑った……。さっさと座れ……うわぁ……耳にまでうんこが……最悪……」
「ぐぐぐ……お前!覚えてろよ!絶対に後で泣か……ひえぇええぇぇぇ!!!」
いちいち突っかかって来るナツに、傷口に石鹸と言う制裁を加えながら、どんどんうんこを洗い流して行く元気。その後大人しくされるがままになったナツは、涙目で制裁をとても恐れている様子だ。
先程までうんこまみれで気付かなかったが、縫わないといけないレベルの深い傷口が、ナツの身体のあちこちにある。
フェルミナの様に、発言がムカつくとは言えども、ナツはまだ子供。身体に傷が残っては可哀想だと思った元気は、彼女の身体を洗いながらそっと治療しておいた。
「……してナツよ?喋る蛙とはどんな事を喋るのだ?」
「ふはぁ……極楽極楽……。蛙はね~……子供食べる。って言ってた。あと鳴き声も変だったぞ?ゲロゲロじゃ無くて、もえ~もえ~きゅん!って鳴くんだ!アハハ!変だろ?露死南無天みたいに良く喋る訳じゃ無かった!目付きは元気みたいで気持ち悪かったけどな!……ぎえ!お、お前さっきから人の頭を叩きすぎだぞ!」
「口は災いの元だって、無い頭で覚えておけ馬鹿……。ってかそれって魔物かもな……」
お風呂に浸かりながら、話をする三人。自己紹介もうんこ掃除も終わり。只今リラックスタイムだ。
「魔物と言うと……中央の時のアリアナの様に、変異した異世界人で御座るか?」
「うん。それも多分。俺達世代の人だ……」
「何故解ったので御座る?」
「え?あぁ~。露死南無天は知らないか……萌え萌えキュ~ン!」
手でハートの形を作り。胸の前で左右に動かす元気。そして最後にナツに向かってハートを差し出した。
「……何だそれ?」
「げ、元気達の時代ではそんなのが流行しているので御座るか……。時代は変わるものなのじゃな……」
元気の動作にポカンとするナツに、ちょっと残念そうな露死南無天。どうやら昔の人には、この可愛いポーズは通じない様子だ。
「こ、これは、本来女の子がするポーズなんだよ!ナツ!露死南無天に向かってやって見ろ!」
「は?何でだよ?あんなかっこ悪いポーズ嫌だ──」
「──ほら、お菓子やるから……」
「……ったく仕方ねぇな!露死南無天良く見てろよな!」
お菓子で簡単に吊られ、ザバンと湯船内で立ち上がるナツ。ちっちゃいお胸の前でハートをつくると、大きなお友達であれば皆知っているであろう。お料理が美味しくなるあの魔法を露死南無天に向かって唱えた。
「萌え萌えきゅん!」
萌え萌えで、お尻をちゃんと左右に振る辺り。ナツには才能があるかも知れないと、小さなお尻を後ろから眺め思う元気。
「な、何と可愛い事か!?これを考えた者は天才で御座るぞ!まったくもって天晴れで御座る!ナツ殿!凄く可愛かったで御座るぞ!拙者見惚れてしまいそうで御座る!」
「エヘヘそうかなぁ~?……もっかいしようかな~?」
「うむ。うむ。是非に拝見したいで御座る!」
「しょ、しょうが無いな~……」
パカパカと蹄をならしながら喜ぶ露死南無天と、可愛いと言われて照れるナツ。
適材適所で活用すれば、破壊力バツグンな現代魔法は、二人に一瞬にして受け入れられた。
「エヘヘ。じゃあもっかい行くよ!萌え萌え……ぎゅぅうううぅぅぅぅん!!?」
「ナ、ナツ殿!?」
「な、何だ!?」
褒められたナツが、自主的に二回目を行おうとお尻を振った瞬間。ザブン!と上がった水飛沫と共にナツが姿が消えた。
「か、蛙とはあれの事で御座るか!?」
「蛙!?」
元気の正面にいる露死南無天の視線を追って、急いで背後を振り返る元気。
「ロ、ロリ……旨い旨い……。見つけた……俺の……嫁……。ジュパジュパ……」
振り返った元気の目に映ったのは、三階建ての家程に大きい。赤と白の斑模様の巨大な蛙。
その大蛙が美味しそうに、スッポンポンのナツを咥えて、とても嬉しそうにしゃぶっている姿だった。
可愛いとロリは正義。以上!と言う訳で、現れた異世界カエル。どう使おうかw
次回は救出。
少しワロタ! もっと読みたい! 心がピクリと反応した! と思われた方は、ブクマ:評価:いいね等々。よろしくお願い致します。
下の ☆☆☆☆☆ ⇒ ★★★★★ で評価できます。最小★1から最大★5です。
『★★★★★』で……元気も喜び頑張りますw




