……流れに身を任せ……。
中々賑やかな町が完成しました!
中央に拘束されていたコバヤシが、元気達のコンテナハウスのお隣へと引っ越して来た次の日から、新しい町を造る作業が早速開始した。
町を造る場所は、中央王国とロウベルグの中間辺りに流れる大きな川の近く、その川から町の水源を確保する予定だ。
最初はドーム型のシェルターを造り。現代的な日本をシェルター内部に再現しようと、張り切っていた元気とコバヤシだったのだが。
「お家の電気やお湯とかは、元ちゃんが魔力で何とかしてくれてるから良いけど……。元ちゃん達みたいに、魔力で何でもかんでも出来る人は、平民にはいないわよ?……どうするの?」
……とミリャナにツッコまれ。現代日本の肝である。電気が無い事に思いあたった。
それから再度話し合い。水力発電や風力発電。ソーラー発電を造ったらどうか?等と暫く意見を出し合った結果。
何かあった時に、修理出来る人がいない。と言う事になり、近代的な日本の風景は見送りとなったのだった。
そして、次に元気達が考え出したのは、花の都『お江戸』である。明かり等は蝋燭で暮らしていた時代なので、電気的な機能は必要なく、サムライ。ニンジャ。着物姿の村娘。……それはもう、とても見たいとなり。巨大なドーム内に『お江戸』を造る事となった。
今回は、異人種間での交流は必要無い為。元気の魔力で、町はちゃちゃっと完成させた。
因みにドームの大きさは、日本の田舎の市町村一つ分程の大きさだ。
端から端まで歩くと、大人の足で六時間程かかる。
そんなドーム内を十字に小川で区切り。上から見て右上が第一区画。そこから時計回りに二。三。四区画と分け、各区画間の川を渡る為の赤橋を設置。そして、それぞれの区画には、ドームの外へと出られる門を造った。
他にも、祭りと喧嘩は江戸の華という事で、町の中央には大きな広場を造り。集会や祭りりなどを行える様にした。
北側の第一。第四区画は木造長屋が並ぶ居住区。見た目は普通の木造の長屋だが、防音。防災加工済みだ。
そして南西の第ニ区画は、商業区。各お役所や、商店。そして、冒険者等の立ち寄れる宿屋等を造った。
その隣の南東の第三区画には、自活用の畑や魚の養殖場。畑作業や養殖。狩猟等は元気達がいる間に、元気とコバヤシが村人に教えながら、自力でやって貰うつもりだ。
各区画のゲート出口には詰め所があり。村人達がドーム外の川や森で狩猟を行える様に、刀や槍。弓矢。そして、釣り竿や投げ網等を設置した。
「ふう……。流石に魔力切れだ……」
「お疲れ様。元ちゃん……。何だかお洒落で素敵な街並みね……」
一日で巨大なお江戸の町を造ってしまった元気。そんな元気を労うミリャナ。和風でシックなお江戸の風景が、とても気に入った様子だ。
「おじちゃんも凄い!」
「ブハハ!凄いのは元気だぞ?凄まじい魔力量だ!チート過ぎるぞ!」
元気を褒めるコバヤシを見て、シーラがムッとする。
「元ちゃん神様も凄いけど!……おじちゃんも凄いわ!」
「そ、そうか……。ありがとうシーラ」
「うん!えへへ!」
コバヤシに撫で撫でされて嬉しそうなシーラ。朝からぴったりと離れないシーラに、コバヤシは少し困り顔。
そんな二人の様子に、元気とミリャナは笑ってしまいそうになる。シーラがコバヤシの娘の生まれ変わりだと確信出来ているからだ。
そんな世界の理をコバヤシへと伝えれば、懺悔と後悔の気持ちが混じった愛情で、娘の生まれ変わりであるシーラを引き取るだろう。しかし、元気とミリャナは、今のシーラをシーラとして好きになって貰い、一緒に暮らして欲しいと思っている。シーラを懺悔や後悔の混じった愛情では無く、ただの愛情で包んであげて欲しいと思うのだ。
因みに、シーラとコバヤシを見るまで、フェルミナが言っていた。ミールは生まれ変わりだと言う戯言に関しては、二人共九割型信じてなかった。残りの一割は、うんうん。そっかそっか、そうなんだね~。的な物だ。
フェルミナには、お詫びとして今度何か美味しい物でも買っていってあげようと思う。
なにはともあれ、新たな町。『お江戸』は完成。明日は早速村人達の大移動だ。
そして村人の移動後からは、町での暮らし方や、役職決め。狩猟や魚の養殖の仕方等々の指導と、とても忙しくなる。そんな予感を胸に、明日に備え早めに就寝する元気達だった。
次の日。元気達は朝食と配給を終わらせると、早速村人達のを開始。昼前には総勢二百人の村人の移動を終わらせた。
町に着いた人々は、町を守る大きなドーム。京都の映画村の様な風景。畳式の住居。そして支給された綺麗な着物や布団等々に声を上げて驚いていた。
住民の移動や着替えが終われば、超巨大なお寺の鐘を設置した、中央の広場で居住ルールの説明だ。
居住に関してのルールは、町は清潔に。喧嘩は極力しない。盗みや殺し強姦等は御法度等々の簡単な物。これは、難しいルールを作った所で、理解されないと意味が無い。と言うコバヤシの提案である。ルールを破った者に対しての罰。それに関しては、お役所の地下にある地下牢にての監禁。そして殺しや強姦に関しては、島流しか死刑とした。
ルール説明が終わると一度解散。中央広場に設置された鐘が鳴るまで自由行動だ。
各々に散って行く村人。そんな村人達を見ながらコバヤシが呟く。
「後々は自主性で良いけど、最初は力でルールを守らせるべきだろうなぁ」
「強制的にルールを守らせるの?……話せば解るんじゃない?」
コバヤシの提案に難色を示す元気。
「平和な日本では支持されないやり方だけど、ここは基本的に平和な世界じゃあ無い……そして良い人間ばかりでも無い。まずは、女子供を守るのが優先だろう……」
そう言って、シーラの頭をポンポンと優しく叩き見やるコバヤシ。シーラは何故、自分が見られているのか解らない様子だが、何だか嬉しそうだ。
「確かにそうだね……。そうしよう」
守るべき者は何なのかをコバヤシに示され、自分の幼稚さが少しく恥ずかしくなる元気。
人間同士優しく話し合えば解り合える。等と言う脳内お花畑的な考え方は、流石に卒業出来ている元気だが、そうであって欲しいとは、未だに思っている。しかし弱肉強食なこの世界で人を守るには、綺麗事では無く、絶対的な力を示す事が必要なのだ。
「元ちゃん。ここもアルカンハイトやユートピア見たいになると良いわね」
「うん。そうだねミリャナ……」
ミリャナはミリャナでおっとりしている感じだが、コバヤシが言っている意味を重々理解している。孤児院の子供達はいつも被害者。謎の神様の出現により、子供達の誘拐。性被害。殺害等の被害は減ったが、未遂事件は未だに起こっているのだ。
町での暮らしが安定するまでは、力での統率、そう方向性を決め。新たに始まった、大陸西側の村人達による共同体。お江戸の町。そんな不安定な町では一波乱も二波乱も事件が起きる……。と思っていたのだが、生活がスタートして一週間過ぎても、二週間過ぎても何も起きなかった。
力による弾圧に統率。結局の所、それは貴族達によって既に行われていた。
そして貴族に反抗する様な野蛮な者は既に殺され、村に残る数少ない女を襲う様な男は、村人達から私刑に処され、そもそもが残っていなかったのだ。
男は狩猟や漁業。女子供は畑仕事や機織りや養殖。元々の村長達はお役所仕事と割り振ったのだが、皆が怖い位に真面目で従順。そして元気達が思っている以上に、村の人々は死に対して恐怖していた。
平和な世界とは違い、殺し殺され誰かが消えれば、明日は我が身。全てが他人事では無いので、村人達が死の恐怖に怯えるのは、当然の事だった。
そして、一番の驚きだったのが西側の村々特有の風習。一妻多夫制だ。
文字通り。一人の妻に数人の夫が存在するのだ。しかし自由恋愛では無いので、男達と結婚し、妻となった女性達は過酷な日常を過ごす事となる。どう過酷なのかは、ご想像にお任せする。
「……一妻多夫制……。それ……マジですか……」
現在。元気達は仕事が終わり。お役所へ顔を出している。お役所内は、広い入り口から暖簾を潜ると土間があり、その先段を上がって畳十畳程の広間だ。
お役所の奥の壁には無数の木製の引き出しがあり。畳スペースには、低い木製のテーブル。その前には座布団の上に正座した村長が座っている。土間の右側の階段を上がると、お役人達の居住スペースだ。
「えぇ。そうですじゃ……。神の使い様に女子供達は連れて行かれるので、どうしても女の数が足りないのです……なので、昔から西の村々では一妻多夫制が基本ですじゃ……。シーラも本当は生け贄に等出したくはありませんでしたが……。生け贄に出さなければ村が全滅……どうしようもありませんでした……」
独特な風習に驚く元気達に、お役所に配属となった、シーラのいた村の村長が、西側の村々の事を色々と教えてくれた。
村長から聞いた話を簡単に説明すれば、西側の村々は貴族達の為の人間養殖場。村人達は、性処理や戦争の道具として使う為だけの家畜的な存在だった。
なので、皆が大人しく、自主性が無く、他言に従順。休憩をしない。サボらない。会話を殆どしない。そして勝手に仕事も命も終わらない。良く言えばロボット。悪く言えば奴隷だ。
「……街並みは花の都なのに……。これじゃまるでゴーストタウンだ……」
「ブハハ!会話が無いってだけで人はいるけどね……。まぁ。そこはもうゆっくりと村人同士で慣れて行って貰うしか無いとして……。女性不足はどうにかしないとな……。男女比率が悪すぎる」
男性百五十に対して女性五十。
「そうだね……。一夫多妻制は夢があって良いけどさ……。一妻多夫制は何かね……」
「へぇ……。元ちゃんは奥さんがいっぱい欲しいのね……」
「え!いや!そんな事は無いよ!ね、ねぇコバヤシさん!」
「お、俺に振るなよ。さぁ、シーラ向こうに、お魚さんを見に行こうな~」
「うん!」
「コ、コバヤシさん!」
ミリャナにジト目で睨まれ焦る元気を置いて、魚の養殖所へシーラの手を引きながら向かうコバヤシ。その姿はもう親子そのものだ。
因みにコバヤシは袴で、シーラは菊の柄の子供用着物。履き物は鼻緒で擦れて、足指が赤くなるので子供用のスラックスである。コバヤシも草履では無くスニーカーだ。
因みに元気達は、いつものウサギさんパーカーである。
「元ちゃんの女の子好きはもう、病気として……。外の男の人達の様子は少し問題かも……」
「びょ、病気って……」
一夫多妻制の図を想像して、少し鼻の下を伸ばす元気を、病気として片付けたミリャナは、町の男達の様子を見やる。
仲良く手を繋ぎ散歩する男達。一緒に釣りを楽しむ男達。見つめ合いながら囁き合う男達と、何処からどう見ても恋人としか思えない男性カップルが多いのだ。
これが、ただのジェンダーレス問題であるのなら何の問題も無い。お好きにどうぞなのだが、どうやら、どちらも女性の代わりに男性で我慢し、慰め合っている様子なのだ。
「好き同士ならともかく、そうじゃ無いなら問題よね……?」
「まぁね……。だからと言って、急に女性を何十人も準備出来る訳が…………。あ!そうだぁ!!!」
元気の放った大きな声に驚き、ピョンと跳ねるミリャナ。
「ひえ!?もう!急に大声出さないでよ!ビックリするでしょ!」
「ごめんごめん……へへへ。ミリャナ。俺は名案を思い付いたよ!こう言うのどうかな?……ごにょごにょ……」
「う~ん。本人達が良いなら良いと思うけど……大丈夫かしら?」
「村に生け贄を要求する貴族達はもういないし、ここの人達より、あの人達の方が強いから多分大丈夫だと思うよ?取り敢えず聞いて来るよ!」
思い付いたら即行動。笑顔で瞬間移動をする元気。
「あ!元ちゃん!……。先にポタンに聞いた方が良いと思うんだけど……まったくもう……」
元気の行動に軽くおでこを抑えるミリャナ。そんな二人のやり取りを見ていた村長が、愉快に笑い出した。
「ファファファ……。神様は次は何をなさるのでしょうな……。楽しみですじゃな……」
「そ、村長さん……楽しみだなんて……」
困った様子のミリャナを見て、村長がまた愉快そうに笑う。
「ファファファ……。楽しみですじゃ……。儂は今まで、貴族の言いなりになって生きて来ました。……そして言いなりのまま、終わると思っておりました……。しかし、神様と女神様が現れてからは、何と言うのでしょうか……子供の頃の様に、心がピョンと跳ねるのです……」
「女神様だなんて……私は……」
「ファファファ……。貴方が何者でも、彼が何者でも良いのですじゃ……。初めは、貴族達の気まぐれかと思っておりましたが、シーラの元気な姿を見て、確信致しました」
「か、確信ですか?」
「ええ。神様は存在すると言う確信ですじゃ……。あの日から儂の心は、喜びに打ち震えております……。本物の神様に、そして女神様に会えたのですから……」
胸の前で手を交差する村長。そのポーズはミリャナがとても見覚えのあるポーズだった。
「そ、村長さん……。その祈り方は……教会の……」
「おや?ご存知ですかな?流石は女神様だ。……申し遅れました。儂……。いえ……。私は昔、中央教会の大司教をしておりました。ニライカと申します」
「だ、大司教様!?な、何故こんな所に!?」
大司教様と聞いて驚き跪くミリャナ。そんなミリャナを見て焦るニライカ。
「め、女神様!お膝を付くのは止めて下され!お着物に汚れが……こ、こうなれば死んでお詫びを!」
何処から出したか、小刀を首に突きつけるニライカ。それを見てバッと立ち上がるミリャナ。
「た、立ちました!だ、だから!刃物をしまって下さい!」
「し、しかし、私のせいで女神様のお膝がお汚れに……」
「こ、こんなの大した事無いですから!」
ミリャナがスカートの埃をババっと払うとニライカが刃物をテーブル下にしまう。それ見てホッとするミリャナ。
「女神様はお優しいのですな……。神様も……。ありがたや、ありがたや……」
再度祈りのポーズをするニライカ。元気に対してのマザーの食いつき具合を覚えているミリャナは、否定はせずにニコリとしておく事にする。元気に向かって走って来たマザーの、死にそうになっていた時の顔は、ミリャナのトラウマとなっているのだ。
「そ、それで大司教様……何故、辺境の村の村長をなさって居たのですか?」
「王の代替わりの時に、ゴッソリと教会の司教達の入れ替えがあったのですじゃ、そして、魔力の殆ど無い下級貴族の我々は役立たずとなり。西側の村々へと飛ばされる事になったのです」
「……じゃあ。生け贄の真実は……知っておられたのですか?」
「はい。知っておりました。……知っておりましたが……。どうしようもありませんでした……生け贄を差し出さねば村人全員が飢えて死んでしまう……。……ファファファ……。中央に居る頃は神を信じ、生意気にも皆に教えを説いておりましたが……。神の教えなど、飢餓や病気で苦しむ人々にとっては、何の役にも立ちませんでした……。神の教えよりも畑の耕し方一つ、学んでおけば良かったと後悔しましたわい……」
「そう……ですか……」
「……神様や女神様が……今までの愚行に対して天罰を下すと言うのであれば、幾らでも受けましょう……。村の人々は救われました。……もう、儂の役目も終わりーー」
「ーーお、終わっていません!まだ、この町は始まったばかりなのです!……残酷な事であっても……。町や人々を守る決断を出来る人が必要です!」
ニライカがテーブルの下に手を伸ばしたので、ドキリとするミリャナ。自然と声が大きくなってしまう。
「ファファファ……。女神様はまだ、儂に罪を犯せとおっしゃいますか……」
「……罪は……もう、犯させません……この町は……元ちゃんが作った町ですから、きっと平和で笑顔が溢れる町になります……だから、皆と一緒に頑張りましょう!……それに、元ちゃんは天罰なんか落としません!」
「そう……ですか……。お咎め無しですか……」
ニライカはそう呟くと、静かに目を閉じた。
ミリャナとニライカの間に、少し重い沈黙が流れる。そんな所に元気が瞬間移動で戻って来た。
「ただいま!……あれ?どうしたのミリャナ?悲しそうな顔して……。もしかして……俺が急にいなくなって寂しかったとか?なんちゃって……へへへ」
「……はぁ。お帰りなさい元ちゃん……。どうだったの?」
元気の脳天気な様子に気が抜けるミリャナ。先程の話を何も知らない元気は、ニッコニコだ。
「トリトン王がママさん達に聞いてみてくれるって」
「そう……。アトランティスの王様が良いって言うなら……」
元気が急遽考えた事、それはアトランティスやユートピアのシングルマザーの人魚達を、お江戸へ招待する事だった。
男を求める女と女が必要な男。種族間のいざこざを抜いてしまえば、これ以上無い程の最適なマッチングだ。
「……アトランティスと言うのは……人魚の住む町の事ですかな?」
「え?あ、うん。そうです……。あの~……お役所の方が少し忙しくなっちゃうかも……ごめんね……。村長さん……」
「それは、全然構いませんが……。はぁ……。生きておる内に人魚を見られるとは……。長生きはする物ですな……。流石は神様ですじゃ……。楽しみですなぁ……」
「ハハハ!でしょ?美人さんばっかりですよ!」
「ファファファ!……賑やかになりそうですな!」
お江戸の町の水路を人魚が泳ぐ姿や、人魚の着物姿を思い浮かべる元気とニライカ。わくわくが止まらない。ミリャナはそんな二人を見て深い溜息をつくのだった。
その後。元気達はコンテナハウスへと戻ると、ミリャナがニライカと行った話を、元気やコバヤシと共有した。
各村々で、人身売買が横行していた事に関しては、やはり引っ掛かたったが、多数の命を救う為の決断だったのだろうと、これまでの事は呑み込む事にし、人身売買を行っていた各村の村長達に、二度と同じ事を繰り返さない様にと約束させ、引き続きお役所仕事を任せる事にした。
そして、その選択は大正解だった様で、元々の中央神殿の序列通りに、役所は役所で纏まりを見せた。
大司教を始めに司教司祭数名。各々、福祉。産業。発展。安全。防衛。等の役職を決め独自に動き出した。
「……我々は、魔力の無い貴族……。中央では役立たずと罵られて教会へ押し込まれていましたが……。我々はこんな機会を待っておったのです!……感謝しますぞ神様……そして女神様……。必ずや良い町にして見せます!」
中央教会。名前は立派だが、その実は魔力の無い貴族達の墓場。そんな教会で神を信じる事しか出来なかった大司教達は、貴族本来の役目である町の運営を出来る事が、とても嬉しかった。
そして、そんな大司教達の喜びとやる気に当てられた町の人々も、町を良くしようと団結し始めたのだった。
やる気を出した大司教達が、お役所仕事を本気で行い始めた次の日の朝から、起床の鐘をゴーンっと鳴らし、中央広場に村人達を集め朝のミサを始めた。
初めの内は集まりが悪かったが、大司教達による宣伝により、少しずつ町の人達が仕事前に集まるようになった。
中央広場の鐘は、和風なのでお寺の鐘なのだが、大司教達は洋風の司祭服を着ている。村人達は、着物姿だったり、パーカーにジーパンだったり。パジャマ姿だったりと各々好きな服装だ。
お江戸に住み始めて一週間も経てば、生活にも慣れた様で、皆のオドオドした様子は既に無い。
「今日も!一日。神様。女神様へ感謝をし、清く正しい一日を過ごしましょう!……神に祈りを!」
「「「神に祈りを!」」」
「神様!バンザイ!」
「「「バンザイ!」」」
「では、今日も一日。ご安全に!」
「「「ご安全に~!」」」
大司教の文言を大きな声で繰り返し、胸の前で手を交際させる村人達。そして鐘の下でそれを受ける元気とミリャナ。何度体験しても逃げたくなる風景だ。
「村人達を統率する為にご、是非とも協力を!」
……と大司教に頼まれて以来、二人は毎日この様な恥ずかしい思いをしている。しかし悪い事ばかりでも無い。ミサが終わると村人達が話し掛けて来てくれる様になったのだ。
「一人一言まで~!列を崩さない様に!お触り禁止で~す!」
村人の人数が多過ぎて、アイドルの握手会の様な交流の仕方となったが、村人達の話を直接聞いたり笑顔を見る事で、村の再生をやって良かった。と嬉しくなる二人だった。
そんな日々が、更に一週間程続いた後。アトランティスから人魚達が、お江戸へと到着した。
人魚のシングルママさん達約五十人。それと連れ子を入れれば、百人を越える大所帯だ。町の水路が人魚だらけになってしまっている。その様子に流石に驚く元気。
「こ、こんなに……大勢?」
「あ!ドクター!お招きありがとうね!……あれから家に帰れたのは良かったんだけどさ~。近隣に住むジジババ達は私達を犯罪者扱いするし、子供達はサハギンだって馬鹿にされるし、子持ちだと彼氏出来ないし。欲求不満で死にそうだったのよね!……ねぇ?ドクター……。ここの男達……。どれでも食べちゃって良いんでしょ?」
水路の中から元気を眺め。妖しく唇を舐める人魚のママさん達。人魚は人を食べる習慣は無い。だがしかし、ハーピーにチンコを食べられ、死にかけた男がいた事を思い出した元気は、少し不安になる。
「ほ、本当には食べたりしないでね……」
「アハハハハ……。なにそれ超ウケる……。食べないわよ……しゃぶるだけよ……フフフ」
「しゃ、しゃぶる……。そ、それは……」
それは一体!……と続けて聞こうと思ったが、口元は笑っているのに目が笑って無いママさん達と、背後に立つミリャナから流れて来る冷たい空気とが、ダブルで怖くて詳しく聞く事が出来なかった。
人魚のママさん達には、町のルールを説明した後。空いている長屋に住んで貰う事にした。
ママさん達の仕事は基本的に漁業。彼女達は、海の魚貝類を取って来てくれる。その事で、女性不足解消以上の働きを見せてくれた。
「……ねぇ?ドクター。この国にはお酒は無いの?……大人の息抜きには酒は絶対に必要よ?……ねぇ?皆?」
「「「そうね。絶対に必要よ!」」」
「お、お酒かぁ……」
「ドクター……。私達……。頑張るからぁ……ねぇ。色々と頑張るから……。お願いよぉ……」
「い、色々と……」
ママさん達は漁帰りで、際どい貝殻のビキニ姿。ちゃんとシジミの彼女もいる。そして皆さん、例に漏れず。ボンキュッボンで、ムッチリぽよよんのドッカンぽよんなのだ。
そんな、ヒンヤリとしているが、何故か生暖かいという神秘的なプリン体に囲まれ、挟まれ、揉まれながら、ぷにぷにぽよんぽよん。ぷるるるるんっと熱烈に、町にお酒を……。とお願いされた元気は、真面目に働いてくれているのだし、おっぱいには生き抜きも必要だなと思い。致し方無く、お酒の制作も始める事にした。
「酒の方は、俺がわかるからやっといてやるよ……ってかそれ……大丈夫か?」
元気の頭の上に積み重なったたんこぶを見て、コバヤシが心配する。ママさん達のおっぱいに囲まれ、鼻の下を伸ばしきった元気の姿を見ていたミリャナからの鉄拳制裁の跡だ。
最近は何故か、ミリャナの拳骨に対してのヒールの効きが悪いので、たんこぶが残る。
「あ、うん……。大丈夫……。お酒の方……よろしく頼むよ……」
「あ、あぁ……」
お酒の造り方は、ラノベや本を読んだ知識で再現出来る、コバヤシが担当する事になった。
そして、コバヤシの指示の元で、畑の近くに果樹園や麦畑。蒸留施設が作製された。
他にも共同風呂や、食事処や甘味処。それにママさん達の熱望によって、飲み処等も造られた。
料理やデザートの作り方の指導も大変だったが、一番大変だったのが人々にお金に対しての知識を教えるのが、一番大変だった。
しかしこちらは、元貴族である大司教達の協力もあり。朝のミサの時間を使って行う事が出来たので、一気に広める事が出来た。
働いてお金を得て、美味しい物を自分の働いたお金で買って食べる。そんな当たり前の事が新鮮で嬉しい町民達は、仕事にやり甲斐を見いだして一生懸命働いた。
やる気で満ち満ちたお江戸は、どんどんと住みやすくなって行き、住民達の笑顔もだんだんと増え、町の運営は順調に進んだ。
順調とは言っても、人間が生きる町だ。事件は起こるもの。
「すいません……。つい……出来心で……」
お役所の地下牢に捕らえられた。十数人の人魚達。ボインな彼女達が、とうとうやってしまったのだ。
「はて……。神様……これは……どうしたものか……」
「ううむ……。何て羨ま……。ゴホン。……けしからん事件だ……」
最初は只の噂だった。
お酒を飲んだママ達が、ふらりと男の家に入り込み。夜這いをする。と言う噂だ。
そんな噂が、ある日から男達の間で囁かれ始めたのだ。
そんな噂に九割方の男達は、夜になるのをソワソワ。ワクワクと待ち望み。眠れない夜を過ごす事になったのだが、一割の男。彼氏のいる男は恐怖に怯えた。
しかし、その噂は噂では無かったのだ。
夜這い相手に選ばれた男は歓喜し、そして色々と奮起した。
そんな夜這い事件は、男達の絆の力で暫く噂のままで終わっていたのだが……。シジミの彼女が運悪く、彼氏のいる一割の男の方を襲ってしまった事で、事件が明るみに出てしまったのだった。
男女。立場が逆だが、強姦である以上。このまま放置も出来ない。元気であれば大喜びだっただろうが、人魚に襲われた彼は、彼氏の胸の中で、驚く程泣き叫んでいたいたらしい。
「……神様……。神に仕える物として……不適切な発言をどうかお許し下さい……」
「どうぞ……」
目の前のおっぱい……。もとい美しい彼女達を見ると、まったくもって解決策が元気には思い付かない。なので、ニライカに全面的に任せる事にした。
「この者達を……娼館送りにしては如何でしょうか?」
「娼館……?」
「性的欲求を求める者が集まる場所ですじゃ……。性的な奉仕を仕事にしてしまえば……一応は罰になるのでは無いでしょうか?」
「成る程……遊郭見たいな物か……。確かに無作為に男を襲うよりも……必要な人同士ですれば問題も起き無いね……。……あ、あの……ママさん達って毎日でも……その、やりたい感じなの?」
大司教の言っている事を理解した元気は、膨よかなおっぱい達……。では無く、人魚ママ達に大事な質問をした。罰だとは言っても強制的に性的な労働はさせる気は無い。
「勿論よ。お酒飲んで、ムラムラした後にする、愛も恋も何も関係無く快楽だけを求めた。やりたいだけのセッ㊙ス程、気持ちいい物は無いじゃない?」
「そ、そう……なんだ……」
平然とそう言う人魚ママに、元気の方が照れてしまう。
「あらぁ?ドクター可愛い……。耳まで赤くなっちゃって……。フフフ……ドクターママがお出掛けの時にでも家に来てくれれば、いつでも相手になるわよ?」
「だ、大丈夫です!」
「フフフ……。本当に可愛いわね……食べちゃいたいわ……」
牢屋の中の肉食系女子達に一斉に見つめられ、蛇に睨まれた蛙と化してしまう元気。ニライカの方は無反応だ。
そんなニライカの姿を見て元気は腐っても大司教……流石だ。と感心する。すると暫く黙っていたニライカが、真面目な顔で元気に向かって口を開いた。
「……神様……。料金は、いか程にするのでしょうか?……儂のお給金が月に、大銀貨二枚程なので……出来れば高くても小銀貨一枚……。二枚程でお願いしたいのですが……」
場を和ますジョークかな?と元気は思ったのだが、目がマジである。遊郭を提案した本人が、一番利用する気満々だった。
何はともあれ、肉食系女子達の為に遊郭街を造る事にした元気。ミリャナは渋い顔をしていたが、お互い納得での事ならと、遊郭を造る事に納得してくれた。
現在。元気達は、お江戸の宿屋に宿泊している。今は元気達の部屋である、広めの和室で囲炉裏を囲んでのお話タイムだ。
「……衛生面と言えば、あれだ……。元気は生理用品とか、ちゃんと渡してるか?シーラがぼろ切れをそのままあてがっててな……。感染症が怖いから、急いでシートを出して付けさせたんだが、その……ミリャナさんとかは大丈夫なのか?」
「……全然。意識してなかった……」
ミリャナのパンツはいつも真っ白で、染みが無いので、全然思い至らなかったが、二十歳近い女性であるミリャナに生理が来ない訳が無い。しかし気付いた所で聞ける訳も無いし生理用品とはどういった物かが元々、元気には解らない。
そう言えばミリャナの部屋に、時々染みの付いた布が干してあったな。と謎の布の存在を元気は思い出す。
その時は、お部屋のお掃除用の布かと思っていたが、実はあれが……。と重大な見逃しをしていた事に元気は落ち込む。クンクンもスンスンもスリスリもしていないのだ。
「元ちゃん……。気持ち悪い顔になってるわよ……。シーラもいるんだからね……」
「ハッ!?……謎の布の事なんか全然考えてないよ!」
元気が何の事を言っているのか解って、ミリャナが溜息を吐く。それを見て苦笑するコバヤシ。
「ミリャナさんは、これから色々と苦労しそうだね……。おし。お部屋に戻ろうかシーラ」
「うん!」
コバヤシと一緒に、笑顔で立ち上がるシーラ。最近二人は寝食共にずっと一緒に居る。シーラのラブアタックに、コバヤシが折れた感じだ。
自分達の部屋に戻って行く二人を見送ると、元気とミリャナも就寝の準備に入り。一つの布団に二つの枕を準備する。このままの距離感では、いつまでもこのままかも知れない。と意を決したミリャナが、元気に一緒に寝ようと提案したのだ。
その結果。今は二人で一緒に眠っている。最初はドキドキしたが、今は安心感の方が強い。そんな二人は、布団の中で恋人繋ぎをしながら、天井を眺めて寝る前のお話タイムだ。
「シーラ……良かったわね……」
「うん。そうだね……。あの感じならもう、大丈夫だよ」
「そうね……」
布団の中で、今日あった事。思った事をお互い話し合う。そして……。
「元ちゃん……」
「……ミリャナ……」
ミリャナの呼びかけを合図に、スッとお互いの腕を身体の下へと這わせる。ミリャナのシャンプーの良い香りが、漂い元気の鼻孔を優しく擽り。脳の奥の方がトロンと心地良く痺れて行く元気。
ミリャナも、自分と同じ匂いがする元気の匂いを、ついつい嗅いでしまう。そして自分の身体を這う小さくもゴツゴツとした男の子の腕の感触を脳で直接感じ、身体と心が溶けて行くのを感じる。
そして、今度は足と足とを絡まり合わせ、ピタリと身体を寄せ合う。すると肌から肌へと相手の鼓動と温もりが伝わり、お互いに愛しさがこみ上げて来る。そんな二人の間には、言葉はもう無い……。それは何故か……。
それは、お互いが隣に居る事に安心しきって、寝たからだ。
勿論。最初からこうだった訳では無い。一緒に寝る事にしたのだからと、覚悟を決めて二人は色々とトライしたのだ。
そのトライは、お姉さんがリードしなくちゃ!と考えたミリャナのアタックフェイズから始まった。
覚悟を決めたのは良いが、やっぱり恥ずかしくて怖いミリャナ。顔中真っ赤にしながら涙目でパーカーのジッパーを降ろす。そして、ポロンと小刻みに震えるおっぱいと、ピンク色の小梅様が出現した瞬間だった。
あまりもの美しさと可憐さに興奮し過ぎた元気が、鼻血を吹き出して失神した。
この日は、元気の姿を見たミリャナが悲鳴を上げてしまい、悲鳴を聞き、駆けつけたコバヤシに、二人が童貞と処女と言う事がバレただけで終わった。
次の日は、ミリャナがブラとパンツを履いたままトライした。
結果。今回は失神せず。ちゃんと元気の子元気は反応した。まぁ、反応はしたが、元気の子元気は、仮性人なので、外から見える部分には、そこまでの変化は無い。変化は無いが、子元気は確かにギンギンと目覚めている。そんな子元気に呼応する元気。ミリャナのブラを外し、ゆっくりとおっぱいに手を伸ばした。
ピタッと人の手が触れた感触に、ピクリと反応するミリャナ。吐息がどんどんと荒くなり。吐息がプルンとした唇から、フッと漏れる。その吐息を耳にダイレクトに受けた元気は……。そのゾクゾクっとする衝撃で果ててしまった。
しかし、こんな事では諦められないと、ミリャナの胸を揉み続ける元気。すると再度、子元気が元気になった。
ミリャナは既に薄く汗をかき、目がとろんとしている。そしてモジモジと、疼く衝動を抑える仕草を見せている。そんなミリャナを一気に押し倒す元気。
布団に押し倒されたミリャナは、この時。疼く場所に何が起きるのかを一気に理解し、覚悟を決め……元気を受け入れる事が出来る様に足の力を抜いた。
そんなミリャナのパンツを、ゆっくりとずらして行く元気。そして少し湿ったそれを投げ捨てると、元気は自分のズボンをズバッと降ろした。
その瞬間。ズボンと擦れた事で……子元気から発射されたヨーグルトが、元気良くミリャナのお腹の上にトポトポっと落ち。子元気が申し訳無さそうに頭を下げた。
そして……。
「ごめん……ミリャナ……」
「え……?」
謝られポカンとするミリャナ。そんなミリャナを見て、自分の情け無さと不甲斐無さに、元気がポロポロと泣き出す。ごめんと言い放った瞬間に元気の心が、ボッキリと折れてしまったので御座早漏。
絶対にミリャナに嫌われた。そう思う元気だったが、ミリャナはそんな姿が、可愛くて、愛おしくて堪らなくなり。涙を流す元気を抱き締めた。
「次……。また一緒に頑張ろう……」
「う……うん……」
ミリャナがスンスンと泣く元気を抱き締めたそんな日。二人の身体は、残念ながら繋がる事は無かった。しかし、心がより一層繋がった気がしたのであった。
その日から二人は、お互いを抱き締め合いながら眠る様になったのだ。
現在。触ると出る。舐めると出る。触られると出る。とあまりにも軟弱な子元気な為。頑張って金トレ中の元気なのである。因みに果てても続けられる前戯の方は、ミリャナに喜んで貰おうと勉強をして、そちらは鬼上達した。
そんな悲しくも、幸せな夜を越えながら、エロい事は好きな人としか駄目。と言う考えから。浮気じゃ無くて、ちゃんと同意があればまぁ、良いんじゃない?と少し大人になった元気は、肉食系ママや、ママからの襲撃を夜な夜な待ち焦がれていた町の男達の為に、第一居住区画の一画に遊郭を急いで造った。
料金は一発。小銀貨一枚ポッキリだ。
しかし、外からの冒険者は割り増し料金である。外貨は大事なのだ。
後にここは、世界中の人種が集まる有名な遊郭となるが、それは遠い未来のお話しである。そんな遊郭の生理用品の準備や衛生面の指導はミリャナ主導で行われた。
そして、お江戸の遊郭がグランドオープンすると、開店当日から、連日行列が出来る程の大盛況だった。
そしてこれには、男達だけでは無く、毎日毎日違う男の相手をしなければいけなかった、一妻多夫制の妻となった女性達の方も喜んだ。
幾ら村の為とは言っても、毎日毎日行為をするのも、毎年毎年子供を産むのもキツイ物がある。だからと言って、何処にも行く所が無い女性達。そんな彼女達は、生きる為に性行為をしていただけだったのだ。
「村の男達は、皮を被っているのに、ちゃんと洗わないので、常に臭くて吐きそうだったのです……。本当にありがとう御座います神様……人魚様……」
朝の握手会の時に、そう言って元気の前で涙を流す女性と、その後で恥ずかしそうにする男達の姿が、今でも鮮明に思い出される。
こうして、東大陸西側の問題を粗方片付け終わった元気とミリャナは、現在。ジェットバイクに二人乗りしながらゲート見下ろしている。
「さて……。後は皆に頑張って貰うしか無いな……」
「そうね……」
「大陸の東側には何か行っちゃ行けない気がするし……。今度は中央を抜けた先かな?」
「うん!」
用事が終われば長居は無用。押し花まったり旅行再開である。コバヤシは勿論。シーラの為に残った。
「この町は……。命に代えても俺が守るよ……。本当にありがとう。元気にミリャナさん……今度は俺、守る物を間違えないから……」
魚を嬉しそうに捕るシーラを優しい瞳で見やるコバヤシ。そんな彼を見て嬉自然と頰が緩んで行く二人。生まれ変わりがある事は、今のままで十分幸せそうなので、内緒にしておいた。
「悲しい過去の記憶は、時間の流れに流してしまえば良いのだ……」
「ブッハ……!何それ……プフフ……元ちゃんらしくない言葉ね……」
「アハハハ……そう?何かの歌の歌詞だったかも?」
「歌の歌詞?……良い歌ね……。その内聞いてみたいわ!」
「そうだね。その内聞きに行こう……」
「楽しみだわ」
ゆっくりとバイクを北に向かわせる元気。
今度は、異世界に来たばっかりの頃に、元気が裏切りおじさん達と旅をしたルート。終点は戦争地帯だ。
やりたい人間達が勝手にやっている戦争には、参加するつもりは無いので、戦争地帯からは、空の旅を飛んで魔国へ突入する予定だ。
「そうだ!途中で、昔助けて貰ったお爺さんがいる町によりたいな!」
森でサバイバルをしていた時に、元気をエルフと間違えて、果物を分けてくれた優しいお爺さんだ。
「フフフ……。元ちゃんのそう言う所大好きよ……」
「え~……へへへ。ありがとう。ウフフフ……俺も大好きだよミリャナ!」
「え~?どうせ私のパンツが好きなんでしょ?」
「そりゃ……ミリャナのパンツは大好きだよ……それにおっぱ……あいた!ちょっと運転中は駄目よミリャナ~……」
「ひ、ひえぇええぇぇえ!?げ、元ちゃん!ちゃんと運転して!強く叩いて無いでしょ!ちょっと!お、落ちちゃう!バイクでふわふわするの辞めて~!」
イチャイチャしながら空中散歩を楽しむ二人は、お江戸を振り返る事無く。次なる旅へと出発するのだった。
町造りは、一気に終了。元気達は次の旅へと向かいます。
元気達の関係は順調に進んでいます。多分本番は普通に書けないのでwまたその内濁しながらw
次回は、元気の一度行った事のある町へ行きますw
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『★★★★★』で……元気も喜び頑張りますw