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裏側の世界

上辺だけの平和を謳った所で無意味なのです。


 次の日。元気達は朝早くから配給の準備を整えると、薄い霧が立ち込める中、村へと配給を行いに出掛けた。


「太陽が昇るのが遅くなって来たね~……寒く無いミリャナ?」


「うん!大丈夫。元ちゃんが出してくれたパーカーってお洋服がとても暖かいもの!」


 元気のには黒いウサギ。ミリャナのには白いウサギ。背中に色違いの違いのウサギがプリントされた、お揃いの赤いパーカーを着て、二人は森の中を進む。空はまだ白み始めたばかりで、朝の冷えた空気に、二人の肩が自然と上がってしまう。


 薄暗い森を抜けると畑の横に出て村に到着する。いつもはそのまま真っ直ぐに祭壇へと向かうのだが、本日は様子が違った。


 昨晩、元気が置いて行った槍を持ったオジさんが二人、村の門に立っている。寒いのにボロ着の半袖で、見ているこちらが更に寒くなる感じがして、二人は身震いしてしまう。そしていつもは無人なので、急に現れたそのオジさん達に少しビビる元気とミリャナ。


「ど、どうしようミリャナ……」


「どうしようって……。悪い事をしてる訳じゃ無いんだし……。だ、大丈夫よ……きっと……」


 オドオドしながら畑の小道を進む元気とミリャナ。大きな猪は別に怖く無いが、知らないオジさんは何だか怖い。そんな怖いの基準がおかしい二人が、村へと歩いて来るのを視認した門番達が、元気達にいきなりひざまずいた。


「「ひっ!?」」


「「ひぃ!?」」


 門番達の行動に驚く元気達。そして元気達の悲鳴に驚く門番達。明け方の薄霧の中。両者間に重い沈黙が流れる。門番達は門番達で元気達が怖い。猪を拳骨一発で張り倒す謎の怪力女と、猪を一瞬で消し、酷い怪我をも治してしまう謎の子供。恩は感じているが、元気達が何故助けてくれるのかも、何を求めているのかも、求めて来るのかも解らないのだ。


「……あ、あの……。村に入っても良いですか?」


「も、勿論です!」


 元気に話し掛けられたオジさんが、ビクリと体を震わせ跪いたまま答える。そんな門番を背に、元気とミリャナは村へと入り、祭壇へと足早に進んだ。


「ど、どうしよう元ちゃん……。多分だけど……私達……凄く怖がられてるわ……。良い事をしてると思ってたのに……。迷惑だったのかしら……」


「俺達って言うか……ミリャナが拳骨で猪を倒したからかも……。あれには俺もビックリしたし……」


「わ、私!?……元ちゃんだって……。猪を消したり……怪我を治したり…………。どうしよう元ちゃん……。私のせいかも……村の人達の前で暴力的な事をしちゃったから……」


 昨日の自分の行動を思い出しシュンとしてしまうミリャナ。


「お、驚きはしたけどさ!……あれ位冒険者なら、普通に出来るさ!」


「で、でも……」


「あ。でもでもだってお化けだ!」


「もう!元ちゃんたら……。……フフフ。解らない事を気にしても仕方ないわね……。誰かとお話が出来れば良いんだけど……」


「そうだね……。まぁ……その内……ひえぇ!?」


「ひゃぁあ!?」


 早く配給を終えて素早く村を出ようと、薄霧の掛かる村の中を早歩きで歩いていた二人は、気付かぬ内に祭壇前へと到着していた。


「いったぁ……。げ、元ちゃん一体どうしたの……?」


「さ、祭壇の上に……お、お化けが……」


「え!?」


 ミリャナの胸に顔をうずめながら、祭壇を指差す元気。怖いながらもミリャナが祭壇の上を確認する。


 確かに祭壇の上に人影がある。その姿に最初は驚いたミリャナだったが、よく見るとそれは、お化けでは無く、薄霧の中で祭壇の上に一人佇む。十二歳位の少女の姿だった。


 黒髪ロングで、そこはかと無く可愛い感じの少女は、薄手の白い無地の服を着ている。村の人達の服と比べると良い物であるが、病院で着る入院服の様で地味だ。


「げ、元ちゃん!人よ人!……女の子が座ってるだけ……」


「え……。な、なあんだ……良かった……」


 祭壇を確認し、ホッと安心する元気。そしてもう一度ミリャナの胸に顔を埋める。そのまま大きく鼻で息を吸い込み。朝ミリャナの香りを堪能すると急いで立ち上がり、転んだまんまのミリャナに手を貸し起こした。


 どさくさに紛れてしれっと胸を揉もうと思ったが、昨晩の猪の様に、白目を剥いて泡を吹きながら痙攣してしまいそうな気がしたので、辞めておいた。


「お、おはよう……。良い天気だね……」


「お……おはようございます……」


 まだ薄暗く、霧が掛かっているので、良い天気もクソも無いが、取り敢えず少女に挨拶する元気。返事はしてくれるが、やはり元気達を怖がっている様子だ。


 ミリャナも元気に続いて話し掛けてみる。


「さ、寒いから……。風邪を引かない様にね……」


「はい……」


 配給に来ただけで、村人との接触があるとは思っていなかった二人は会話が続かない。


「取り敢えず……。朝御飯を……」


「そ、そうね……」


 少女の回りに、どんどんと朝御飯を並べて行く二人。少女にずっと見られていて何だか気まずい。


「あ!元ちゃん!……お洋服……」


「流石ミリャナ!ナイスだよ!……あの……村の人の人数とかって解るかな?」


「に、二十三人です……」


「そっか!ありがとう!」


 朝食を並べ終わった元気とミリャナは、朝食とは別に、下着の長袖とウサギさんパーカー二十三人枚出した。


 色は黒のパーカーに青いウサギ。前歯を出してニッコリと笑うウサギさんが気になる様子でチラチラと目が行く少女。


「この服着ると暖かいから、村の人達にも分けてあげてね……。じゃまたお昼に……帰ろっかミリャナ」


「うん!」


 少女はポンポン出て来る食材や、洋服に呆気に取られていたが、本来の目的を思い出し、配給を終えて普通に帰ろうとする元気達に急いで声を掛けた。


「あ、あの!」


「ん?どうしたの?他にも何か……。あ!もしかしてパンツ?」


「……元ちゃん……最低……」


「い、いや!大事でしょ?パンツ?……その……大事でしょ?」


 ミリャナにジト目で見られて焦る元気。パンツは大事だが、少女に向かって嬉しそうにパンツと言う元気の姿に、何だかミリャナはイラッとしてしまう。


「パンツ?……それが何かは知りませんが……」


「……え!?……って事は今……ノーパ……」


「……元ちゃん……。話が進まないから黙りなさい……。拳骨するわよ……」


「す、すいません……」


 鼻の下を伸ばしながら、少女の下半身を見つめる元気。そんな元気に向かって拳を構えるミリャナ。パンツの話になると元気になる元気に、ミリャナは溜息が出る。謝る元気は一旦無視する事にして、ミリャナは少女に向き直ると、呼び止めた理由を聞く事にした。


「えっと……。あなたのお名前を聞いても良いかしら?……」


「あ、私。シーラです……この村の村長の孫です」


「そう。私はミリャナよろしくね!」


「俺は元気だよ!よろしく!」


「はい……。よろしくお願いします……」


「それで、どうしたの?」


「えっと……。私は……生け贄に選ばれました……なので私を好きにして下さい……」


「え!本当に!?……ぎえぁあ!?」


「ちょっと!本当に元ちゃん静かにしてて!」


 ふざけ過ぎてミリャナに拳骨を喰らってしまった元気は、痛さのあまり地面の上を転げ回る。それを見て怯える少女。


「あ、こ、これは違うの……その、この人かモンスターにしかしないから安心して!」


「は、はい……」


「もう!元ちゃんが大袈裟だから、シーラが怖がってるじゃ無い……まったく……。元ちゃんは猪よりも、あの黒竜のシルビアさんよりもずっと強いんだから、私の拳骨位平気でしょうに……」


 それとこれとは別物。と言いたいが、痛さのあまりに声が出ない元気。一度。幼女に尻バットでもして貰えば解るだろう。強さに関係無く、痛い物は普通に痛いのだ。


「それで……。生け贄にって……何なのシーラ?」


「えっと……。食べ物をくれたり。畑に食べ物を植えてくれた神様への……お礼です……」


「お礼って……。ここら辺の神様って人間を攫うの……?」


「あ……。いえ……その……。神様って言うのは……ほどこしをくれる人の事です……。神様の使いです。……本物の神様は見た事無いです……」


「本物の神様じゃ無い……人間と引き換えに施しをくれる……神様の使い……」


「……その神の使いは、女の人や子供ばっかりを連れて行くんじゃ無いか?」


 ヒールで自己回復を終えた元気が、話に混じる。少女は元気が普通に喋り出した事に、少し驚いている様子だ。


「は、はい。女の子が指名されます……なので……もうこの村には殆ど女の子供がいません……。村の人達の為に皆生け贄になったのです……。戦争に行く人達も、神様の使いの人が決めます……」


「……ミリャナ。これ……中央の孤児院から保護した子供達の言ってたやつかな……生け贄……」


「……多分。そうだと思うわ……」


 アリアナの件の時。中央王国の孤児院からアルカンハイトへ保護された子供達が、「生け贄としてあそこにいた」と言っていた。


 その事を教会のシスター達は、人身売買を行っていた中央の孤児院で使う、何かの比喩か暗号の様な物だろう。と思っていたのだが、生け贄。これはどうやらそのままの意味だったらしいと、二人の中で色々と話の線が繋がった。


 ピースが繋がれば、後の考察はポタンじゃ無くても簡単だ。


『神の使い』その正体は、中央の貴族と繋がる、中央教会の人間しかいない。犯人が貴族であれば、神の使いを語る事無く問答無用で攫えば良いからだ。


 しかし、孤児を得る為だけに、辺境まで遠征する貴族などいない。でも遊びたい。そんな貴族達相手に、中央教会は商売をしていたのだろう。貧しい村々から、物品や食べ物で人間を安価で買い取り。中央の貴族達に高値で売る。生活困窮者の足元をガン見した、清々しい程の貧困ビジネス。買って嬉しい花一匁はないちもんめだ。


 質が悪いのは、そのビジネスで命が助かっている人も、少なからず存在すると言う所だろう。


「ミリャナ……。ミリャナと遊ぶ旅って言ってたけどさ……ちょっとやらなきゃいけない事が出来ちゃったかも……」


「……そうなの?……フフフ。それって私も手伝っていい?」


「うん!……勿論と言うか……手伝って欲しい……」


「仕方ないわね~……フフフ」


 仕方ないわねと言いながらも嬉しそうなミリャナに、元気は心から感謝する。シーラは置いてきぼりを喰らってキョトン顔だ。


 中央王国を乗っ取る事で、人身売買を行う貴族達がいなくなった。教会も子供を攫う必要が無くなった。ポタンや元気が造ろうと考えたクリーンで優しい国。それはもう誕生間近だ。


 しかし、その浅はか過ぎるその考えのせいで、西側の貧しい村々の収入源が突如として消え、更なる貧困へと陥ってしまっている。


「元ちゃんまずは、何をするの?」


「う~ん。まだ解んないけど……。ちょっと今日一日だけお出掛けして来て良い?」


「良いけど……何処に……。……ううん。何でも無い!いってらっしゃい!……フフフ。生け贄のシーラと一緒にお家で待ってるわ……。髪の毛もボサボサで……手足も……。綺麗にしなくちゃね!」


「え!?……あ、あの……。よろしくお願いします……」


 ミリャナはシーラを生け贄の祭壇から降ろすと、元気達はシーラを連れてコンテナハウスへと戻る事にした。


 村の入り口では、門番の二人が俯いたまま、ミリャナに手を引かれたシーラを見送る。申し訳無い気持ちはあるのだろうが、神に救われたら生け贄。そうすり込まれた彼等には、どう仕様も無い。ただただ見送るだけしか出来ないのだ。


 シーラも何かを感じている様で、村を振り返る事無く涙を流していた。


 コンテナハウスへ着くと、今まで泣いていたシーラが室内の暖かさと、入れて貰った紅茶とクッキーの美味しさに驚く、そして元気の作った朝食の美味しさにまた驚いた。


「い、生け贄って……。こんなに……幸せな事なのですか……?……皆、生け贄の人が出て行く時に泣くから……もっと恐ろしい目に会うんだと思っていました……」


 目を見開きウィンナーを頬張るシーラ。そんなシーラを見てミリャナが微笑む。


「……ええ。そうよ。……今まで生け贄に出た子達もきっと何処かで幸せにしているわ……」


「そ、そうですか……。じゃあ……お姉ちゃんやお父さんお母さんも……きっと……。良かった……」


 口をモグモグ動かしながらシーラが涙ぐむ。そんなシーラをミリャナが抱き締めた。


 今まで生け贄で中央に行った子供達の運命は、ポタンから聞いたピクニックの話で大体は理解できている元気とミリャナ。売られてしまえば終わり。


 城の地下の血塗れの部屋で……。それか、何処かの貴族の屋敷にて……。戦争に送り出された平民の兵士達の運命もまた、選ばれた時点で……。だ。


 もう帰ってくる事は無い。


 朝食を終えた元気は、昼用の配給品を出すとミリャナとシーラに、昼の配給をお願いした。


 そして、一人でログハウスを出た後。困っている人達を助けるには、どうすれば良いだろうか……。と熟考に熟考を重ねる元気。一部が平和になっても、そのせいで困る人がいるのでは意味が無い。その事に今更やっと気付いたのだ。


「……………………。あ!そうだ!……村一つを再生するのなら、ポタンみたいに何処かに大きな町を作って、問題を一気に解決すれば良いいじゃんか!」


 良い事思いた!的な手の叩き方をしながら、良い事思い付いたと思う元気。熟考時間……三分間での閃きだった。


 新しい町を造る!そう決めた元気は、黒いオートバイを出し、それに跨がってウキウキ気分で空へと駆け出した。


 最終的な行き先は、中央王国の教会。そこへ行って「人を攫ったら天罰を下す」と脅す予定なのだが、まずは西側の村の調査だ。


 陸地を見下ろせば、点在する小さな村々がポツポツとある。やはり何処も彼処(かしこ)も同じ様な情況に陥っている様子だ。


 ジェットバイクを飛ばせば、村から中央王国まで片道一時間程。夕方の配給まで時間は十分にある。なので各村々へ降り立ち、食材や衣類の配給。それと「生きたいと思う者達は、生け贄の祭壇を燃やせ、それが新たな生活の始まりとなる!」と言う文言を残した。


 生け贄祭壇を燃やさせたのは、町を作った後で助けを必要とする人達を迎えに来る目印。それと祭壇の意味を知ってしまい、祭壇が嫌いになったからだ。


 そんな感じで、町民確保をしながら中央王国の教会へ向かう途中。何も無い平原の石の上で、一人ポツンと佇むマーリュクを発見した。


「アンタ……。一体何してんの?」


「いや。マーリュクこそ……」


「……お父さんお母さんの墓参りよ」


 膝を抱え、何も無い平地を眺めるマーリュクの姿はいつもとは違い、とても寂しそうだ。


 いつもはフェルミナの真似をしておかしな格好をしているが、今日は白のシスター服と白い神官の帽子。そして金色の錫杖しゃくじょうを持っている。


 そんなマーリュクが、金色の長い髪を揺らしながら、元気のジェットバイクの座席に当たり前の様に座った。


「そ、そっか……。墓参りはもう良いのか?」


「毎年来てるからもういいわ。それよりも、こんな所で何をしてるか教えないよ!何かしようとしてるんでしょ!教えなさい!」


 お馬鹿そうで、勘の鋭いマーリュク。座席に座り偉そうに腕を組み、ちっちゃなお胸を反らす。着いて来る気満々の様子だ。


「実はさ……」


 シートを占領したまま、動く気が無さそうなマーリュクに、元気は今までの経緯を話した。


「そう……。良いわ!このマーリュク様が手伝ってあげる!感謝しなさいよね!」


 ムフ~っと鼻息荒く、頼んでもいないのにやる気満々になってしまったマーリュク。そんな彼女に今更、いや結構なのでフェルミナと遊んどいて下さい。とは言えない元気。


「そ、そっか……。ありがとう……」


「良いわよ!それで元気!私は何をすれば良いのかしら!」


「……。走りながら話すよ……」


「解ったわ!……何よ?早く乗りなさいよ!中央教会に行くんでしょ!」


「うん」


 自分の前のシートをペチペチ叩きながら、不機嫌そうに元気を急かすマーリュク。そんな彼女を乗せたまま、シートを少し広げ二人乗り用にすると、元気はバイクを発進させた。


「ちょ!ちょっと!?スピードが早過ぎじゃ無いの!」


「急がないと、もしかしたら今日死んじゃう人がいるかも知れないじゃん……。マーリュクがそれでも良いって言うなら、スピード落とすけど……」


「そんなのダメよ!こ、このままで良いわ!ひぃぃいぃ……。アンタ!わ、ワザと揺らしてない!?」


 必死にしがみつくマーリュクの小さなお胸の感触が、ミリャナのとは違う感覚でこれはこれで良い。と思う元気。


「いや、風が強いんだって……。あれ?もしかして……。マーリュク……怖いの?」


「そ、そんな訳無いでしょ!も、もっとスピード出しても平気なんだからね!」


 マーリュクが強がって叫ぶ度に押し付けてくる小さなお胸の感触は、柔らかめのゴムボールの様で、コロプニしていて何だか可愛らしい。ミリャナは最近ちゃんとおブラをしているので、ちょっと固めなのだ。


 それでもモッチモチの餅かよ!と思う程に柔らかいのでビックリする。


「あ、そう。じゃ、お言葉に甘えて……」


「ひえええぇぇぇぇえええぇぇ!!!」


 リンゴも良いけど。ミカンもやっぱり良いよな~。そう思いながら背中に意識を全集中する元気だった。


 それから元気達は各村々を回り。食糧は元気。文言は顕現けんげんしたマーリュク。と役割を決めた。


 村の総数は約十程。他にも村はあったが人がいない廃村や、ゴブリン等のモンスターが住み着いた廃村だった。


 ちゃんと自活出来ている村も数ヵ所あった。そんな村には、冬に向けての衣類品を配給した。


 そして、今回元気一番驚いた事。それはマーリュクのカリスマ性だった。


 劇場型な演説をするマーリュクの姿を見た村々の人達は、直ぐにマーリュクの事を神と信じ、敬う姿はまるで本物の神様の様な姿だったのだ。


 まぁ、マーリュクはちゃんと本物の神様なのだが、フェルミナと遊んでいたり、いきなりやって来て指示を仰ぐ様な、ポンコツなそれでは無かった。


「フフフ!どう!凄いでしょ!褒め称えなさい!この可愛くて!ラブリーで!凄く美しいマーリュク様を崇め……ひえええぇぇぇぇえええぇぇ!!!」


 いちいち自慢しなければなぁ。と村に降り立つ度にいちいちそう思う元気。「凄いよマーリュク!」と、褒めたら褒めたで、「あ、当たり前でしょう!アンタ馬鹿じゃ無い!?」とツンデレ風に照れるのでかなり、面倒臭いのだ。


 これを二時間程の内に、数十回繰り返したマーリュク。美少女でノーブラで無ければ、山の谷に置いて行くレベルのウザさだった。


 そうこうして、中央王国に辿り着いた元気とマーリュクは、王城とは反対の位置にある中央教会へと降り立った。


 因みに中央は、北が王城。南が教会。西と東が門でそれを城壁がぐるりと覆っている。現在は王が不在なので城壁を飛び越えても、防壁が発動しない。


「ちょっと!どう言う事!……この変態以外誰もいないじゃない!?」


「……あれ?……何でだろう?」


 広い聖堂の中には人っ子一人おらず。鎖に繋がれた男が一人存在するだけだった。


 手足が無いその男は車椅子の様な物に乗っている。ボサボサの白い長髪で、虚ろな目をした廃人。


「ちょっと!変態!アンタ!何か知らないの!」


 男に向かって吠えるマーリュク。男は俯いたまま反応が無い。


「……その人って……。コバヤシって言う……昔マーリュクに喧嘩売った奴じゃ無いの……?手足をもいで魔力を奪って、永遠の命を与えたって言う……」


 この世界に来た頃にミールが話してくれた、神様の話を思い出す元気。後にそれがマーリュクだとフェルミナが言っていたのも記憶に残っている。


「え?……あ!コイツ!人の事をロリだとかチッパイ萌え!とか!ロリババア草!とか何だか解らないけど、凄く馬鹿にして来た奴!思い出したら腹が立って来たわ!!!天誅!」


 ガシャン!と男の脳天に錫杖で一撃入れるマーリュク。男の頭からは血が流れ落ちる。


「お、お前!酷過ぎだろ!?血が出てるじゃ無いか!」


「ふん!大丈夫よ!死なないんだから!」


 コバヤシを睨みながら、腕を組み胸を反らすマーリュク。四百年以上が過ぎた今でも、相当オコな様子だ。


 そして結構な勢いで殴られ、血を流していてもピクリともしないコバヤシ。この男は精神的に既に死んでいるのだろう。


「流石にこのままは可哀想だわ……」


「私の方が可哀想でしょ!そんな男の怪我を治すなんて魔力の無駄使いよ!」


 マーリュクのお小言を無視して、コバヤシの頭の傷を治す元気。それがすこぶる気に食わなそうなマーリュク。子供の様に怒ってますよアピールで、鼻をフンフン鳴らしている。


「……喧嘩を売ったこの人も悪いけどさ……。もうそろそろ許してやっても良いんじゃ無いか?」


「嫌よ!」


「嫌よって……。さっき見るまで忘れてたんだろ?」


「それは……そうだけど……」


「まぁ。許すも何も……精神的にやられちゃってるし……もう意味が無いか……」


「な、何よ……。私が悪いって言うの!?」


「悪いだろ。この人にも家族や友人がいたんだろ?……もう今は一人だろうけど……なのにこんな所に、生まれ変われもせずに一人で……。そしてやった本人は忘れちゃってるって言うね……。可哀想過ぎるわ」


 不憫過ぎるコバヤシを見やって溜息を吐く元気。そんな元気の姿にマーリュクの目が泳ぐ。ムカついていた記憶はあるが、現在はそこまで怒ってはいないのだ。


「……な、何よ……。し、仕方ないでしょ……忘れてたんだから……」


「まぁ、いいや。知らない人の為にマーリュクと喧嘩する意味も無いし、取り敢えず人を探そう……」


「ふん……。そんなの簡単よ……。こうすれば良いじゃない……。この男に聞けば良いのよ……」


 鼻を鳴らし終わると。コバヤシに錫杖を向けるマーリュク。するとコバヤシの四肢が再生し始めた。


 そんなマーリュクを見て、まったく素直じゃ無いな。と思う元気。怒るのにも理由がいるが、当然許すのにも理由がいるのだ。


「……だ、誰だ……。辞めてくれ……もう。起こさないでくれ……。見世物はもう嫌だ……」


 マーリュクの治癒で目を覚ましたコバヤシ。発言的に時々こうして起こされては見世物にされていたのだろう。


「ど、どうもコバヤシさん……。俺、元気って言います……。日本から来ました。あなたと同じ召喚者です……」


「に、日本!……ハハハ……懐かしいなぁ……。帰りたいなぁ……。お母さん……お父さん……。グフゥゥウウウウゥゥゥ……」


 日本と言う言葉を聞いて、コバヤシは俯いたまま、ボロボロと大粒の涙を流して泣き出してしまった。


 元気が男泣きするコバヤシから、視線を移しマーリュクを見やる。


「な、何よ……。……わ、解ったわよ……。ゆ、許せば良いんでしょ!許せば!……ふん!……ちょっとアンタ!許してあげるからいつまでも泣いてないで、顔を上げなさい!」


「ゆ、許す……?だ、誰だ……お前……ひぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃいい!!!」


「び、ビビり過ぎでしょ!?こっちがビビるわ!」


 男泣きしたままビショグチャな顔で怯えるコバヤシに、後ずさりしながら本気でビビるマーリュク。


「……仕方ないだろ……。何百年もお前のせいで死んだ様に生きて来たんだから……」


「ふん!……私に喧嘩を売って、馬鹿にして負けたんだから自業自得よ!……アンタ。次叫んだら、またもぐからね……解った!」


 マーリュクに錫杖を向けられ、震えながらコクコクと必死に頷くコバヤシ。どうやら英雄だった時の横柄な人格は、既に消え去っている様だ。


 元気はここまでの経緯をコバヤシに伝え、教会の人間達が何処へ行ったのか質問したみた。


「……う、うろ覚えだけど……。中央の騎士団が連れて行ったはずだ……人身売買の件で……」


「捕まったって事?」


「あぁ。多分な……。俺の世話も孤児達だったから……。あれも多分……何処かから連れて来た子供だ……。次々と世話役が代わってたから……結構頻繁に連れて来られては売られてたんだと思う。……俺はそんな子供達に何もしてやれずにただ……」


 そこまで話すと俯いてまた泣き出すコバヤシ。意識は戻ったがメンタルはやられたままの様だ。


「来た意味無いじゃない……。じゃ帰りましょ!」


「そうだな……。ありがとうコバヤシさん!……今度は神様に喧嘩を売らない様にね!」


 コバヤシの体に巻き付いた鎖を破壊する元気。マーリュクは既に外へ向かい歩き始めている。教会の人間がいないのであれば、後は中央を乗っ取った後に、人身売買をしない様に人員の編成すれば良い。長居は無用だ。


「ま、待ってくれ……元気と言ったか……。その……俺も連れて行ってくれないか……」


「え……。でも……」


 連れて行くのは良いけど、マーリュクが一緒なんだよな~。と元気は思う。


「……好きにすれば良いわよ。私は許したんだから……。私はしつこい女じゃ無いんだからね!」


「ハハハ……そうか、いい女だなマーリュク!」


「あ、当たり前でしょ!アンタ!馬鹿じゃ無いの!ほら!さっさと行くわよ!」


「か、感謝します!女神様!」


「ふ、ふん!」


 背中を向けて鼻を鳴らすマーリュクに、深々と腰を曲げお辞儀をするコバヤシ。元気はそんなコバヤシのお辞儀の仕方が懐かしいと思う。


同郷どうきょう同士よろしくね!コバヤシさん!」


「あ、あぁ!元気君!よろしく頼むよ!」


 よろよろと立ち上がり。元気と握手するコバヤシ。さっきまでの表情とは打って変わって晴れやかな笑顔だ。


 イケメンでは無いが、不細工でも無い。白髪長髪の普通のオジさん。コバヤシが旅の同行者として仲間に加わった。


「コバヤシさんっていくつなの?」


「あ、俺は二十五だよ!元気君は?」


「俺は、十六かな?もうすぐ七かも……」


「うわぁ。若いなぁ!ぶはは……」


 おじさんじゃ無くて、お兄さんだったコバヤシ。そんなコバヤシの笑い方は変だが、彼の日本人ぽい受け答えに、少し嬉しくなる元気だった。


「うわ!めっちゃ格好いいじゃん!これ……うわぁ、センスあるなぁ!」


「そうでしょ!凄いでしょ!」


「め、女神様のなんですか?凄いっすね!マジ凄いっす!尊敬しますよ!」


「そ、そう?そうよね!だって私だもの!」


 元気が乗って来たバイクを見てはしゃぐコバヤシ。そしてそれを何故か、自分の物の様に自慢するマーリュク。流石に四百年以上の拘束は効いたのか、コバヤシにはもうマーリュクに反抗する気は無い様子だ。


「そう言えば……コバヤシさんって……どの位の年代から来たの?」


「年代?……俺は平成十年にこっちに来たよ……FFとか知ってる?主人公の乗ってたバイクがこんなのだったよな~めっちゃ憧れたわ~」


「解りますよ!あれみたいなのイメージして使ったんですよこれ!」


「あ!やっぱり!完成度たかいな~!俺は絵心無いからさ、こう言うの作れなかったんだ~」


「じゃあ、お近づきの印に一台プレゼントしますよ!」


 久々のゲームの話で、テンションの上がる元気。ミールとも時々話すがやはり日本と異世界では、憧れる基準が違うのだ。


 因みにミールはおっぱいの話か、可愛いキャラの話しかしない。


「す、すげえ……。いいのこれ……。あ、でも俺は魔力が……」


 元気の出した黒いバイクを名残惜しそうに撫でるコバヤシ。そんなコバヤシを見てマーリュクが溜息を吐く。


「はぁ。大丈夫よ……。手足と一緒に魔力も戻したから……。次は無いけどね……」


「あ、ありがとう御座います女神様!本当にあの時はすいませんでした!こんな素敵なお嬢様に何と言う失礼をしたのか……本当に、あの時の自分を殺してやりたいですよ!……うわぁ……。このバイクやっば~……」


「そうね!こんな素敵で素晴らしいそして美人なお嬢様に二度と刃向かわない事ね!……ちょっと!アンタ!聞いてるの!」


「あ!はい!聞いてます聞いてます!刃向かいません!」


「そう!ならいいわ!」


 バイクに夢中で口だけで返事するコバヤシ。それでも満足そうなマーリュク。そんな様子に苦笑する元気。そんな三人はバイクに乗り。ミリャナの待つ村に戻りながら、行きに寄った各村々を見て回った。


 その結果。殆どの村々で生け贄の祭壇が燃えていた。


 燃えていなかったのは、自活が出来ていた村だったのでスルー。祭壇が燃えていた村には一週間程の食糧を置いて、また後日迎えに来ると村人達に伝えた。


 その後。マーリュクは遊ぶ事に満足した様で、瞬間移動で送れと元気にせがみ、オリビアとフェルミナ。ハーピー姉妹が待つラピタへと帰って行った。


「……女神様って自由だね……」


「ハハハ……そうなんですよね……」


「あ、敬語とか良いから……元気君は命の恩人だし……それにね……会えて嬉しいし……」


「俺も嬉しいです……。ハハハじゃあ徐々に……馴れて行く感じで……」


「あぁ!よろしく……」


 ミリャナの待つ村に着いたのは良いが、別れが何だか気まずい二人。


「あ、あのさ……夕飯とかどうかな?」


「え!……良いのか?……でもその……彼女さんが待ってるんだろ?」


「まぁ。そうだけど……ミリャナなら解ってくれるって言うか……。まぁその、今後の話とかもね……色々と力になってくれるかなって……」


「グフゥゥウウウウゥゥゥ……。君達って……凄く……優しいんだね……」


「な、泣かないでよコバヤシさん!……さ、入ろ!」


 男泣きするコバヤシとコンテナハウスに入る元気。そんな二人をミリャナとシーラが出迎えてくれる。シーラはコンテナハウスにすっかり馴れた様で、緊張した様子も無くニコニコだ。


 ミリャナの方は、見知らぬ男の出現に珍しく少し緊張している様子だ。


 お互いに挨拶をすると夕食の準備に入る元気。ミリャナとコバヤシが話しているが、これから村をどうするか、コバヤシはどうするか等の話をしている様子だった。


 そして既婚者で子供がいたコバヤシは、子供をあやすのが上手でシーラと直ぐに仲良くなっていた。


 勿論元気のクッキーアタックとは違い、お話をして楽しく仲良くなる。良いパパさん的な感じでだ。


 日本の料理を泣きながら食べるコバヤシ。そんなコバヤシを見て、シーラは泣き虫と笑い。ミリャナと元気は貰い泣きしながら夕食を済ませた。


「おし!決めた!……俺も手伝うよ!村の再生計画!……シーラみたいな子供達が苦しむ姿は見たく無いからね!」


 シーラの頭を撫でながら微笑み掛けるコバヤシ。シーラもコバヤシに懐いていてとても嬉しそうだ。


「ありがとう!おじちゃん!」


「お兄さんなんだけどな……まぁいいか!ぶはははは!」


 手伝って貰うにあたって、元気達のコンテナハウスの隣に、コバヤシ様のコンテナハウスを設置した。


 内容は元気達のハウスと一緒で、近代的な簡易ホテル仕様だ。


 これに、コバヤシがまた泣いて喜んだ。


 お風呂に水洗トイレにお台所どれもこれもが、懐かしくて嬉しいのだ。


 そして一番喜んだのは、元気がサプライズで出した携帯ゲーム機。あまりにもの嬉しさに過呼吸にならないか心配になる位に泣いた。


 そして、コバヤシが元気達のハウスから、自分のハウスに戻ろうとした時だった。


「おじちゃんは、明日も来る?」


「あぁ。シーラ!来るよ。元気達の仕事の手伝いをするからね」


「そう……。お仕事……」


「どうした?」


「ん~ん……。何でも無い……」


 寂しそうな様子のシーラ。元気はその様子に可愛いなぁと思う。コバヤシも甘えたい年頃のシーラの甘えを良しとし頭を撫でる。シーラと同じ位の年頃に、ダルドリーと離れたミリャナはある事を提案した。


「シーラ?おじちゃんに一緒に行って良いか聞いてごらん?」


「え!……でも。私……生け贄……」


「フフフ……。それはもういいのよ」


 ミリャナの提案に、コバヤシとシーラが驚く、元気とミリャナはシーラにニコリと微笑むだけだ。


「ミ、ミリャナさん。子供とは言えシーラは女の子です……。流石に知らない男と一緒にするのは駄目ですよ……」


 困った様に頰を掻くコバヤシ。それを見てシーラがシュンとする。


「フフフ……。いつかの誰かさんと似た様な事を言うのねコバヤシさん……」


「へへへ……」


 ミリャナに横目で見られ照れ笑う元気。最初に女の子と一緒に住むのは……と言って、ミリャナに子供扱いされたのを思いだす。


「シーラの気持ちを言ってごらん……。コバヤシさんなら解ってくれるんじゃないかしら?」


「ミ、ミリャナさん……。そんな子供を煽る様な事は……」


 コバヤシはコバヤシでシーラが懐いてくれているのは解っている。しかし懐かれたからと言って、出会ったばかりの子供に親子ゴッコを望まれても困る。子供は犬猫では無いのだから尚更だ。


「お、おじちゃん……。一緒に行ってもいい?」


「そ、それは……」


 自分の生活も住む所も不確かなのに、子供の面倒など見られる訳が無い。コバヤシはそう思う。そして、ふと蘇る昔の記憶。今のシーラの顔は、子供が親に甘えたい時の顔だ。


 仕事が忙しいと言って、優しく出来なかった娘とシーラの顔が被ってしまう。そして、そんな娘を自分の慢心まんしんで、一族ごと殺してしまった後悔と懺悔の記憶。


 泣いて良い立場では無いが、自分の過去のあやまちを思い出して、自然とコバヤシの頰を涙が伝う。


「……ご、ごめんなさい。おじちゃん……」


「あ、謝るな……ミライ……。俺が……悪かったんだ……。俺が……」


 シーラに向かって娘の名前を呼び掛け。ハッと我に返るコバヤシ。


「シ、シーラ……。すまない……今日は……ちょっと疲れたから……また今度な……」


「う、うん……」


 涙を拭いて、シーラの頭を笑顔で撫でるコバヤシ。シーラもコバヤシに向かってニコリと笑顔を返す。その後。コバヤシは元気とミリャナにお辞儀をすると、自分のコンテナハウスへと戻って行った。


「わ、私……。嫌われちゃったかな……」


 コバヤシが出て行くのを笑顔で見送ると、泣きそうな顔で振り向くシーラ。そんなシーラの顔を見て笑いそうになる元気とミリャナ。


「フフフ……。もうちょっと待ってあげた方が良いみたいね……。心配しなくても大丈夫よシーラ」


「そうだね。きっと大丈夫だよシーラ」


「うん……」


 笑顔の二人に大丈夫と言われ何だか安心するシーラ。そしてニコリと笑顔を向ける。


「フフフ……。フェルミナの言ってた事って本当だったのね……。ミールの事……」


「うん……。正直俺も驚いた……。最初は何と無くだったんだけど……これは間違い無いよ……ハハハ」


 嬉しそうに笑う二人の姿に、シーラも何だか嬉しくなってニコッと笑顔になる。その笑顔は、コバヤシが笑った時の顔にとてもそっくりなのだった。

一度最初から書き直して、更新が遅くなりましたw


表には表の問題。裏には裏の問題と何処にでも問題は転がっています。


皆さんは今のクリーンで平和を謳う日本は、本当にクリーンで平和な世界だと思いますか?


次回は町造り。

少しワロタ! もっと読みたい! 心がピクリと反応した! と思われた方は、ブクマ:評価:いいね等々。よろしくお願い致します。


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『★★★★★』で……元気も喜び頑張りますw



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