優しさの訳
旅行初夜……w
元気達の部屋は、宿の正面のテラスがある部屋だった。
扉から正面にテラスがあり、左手には大きな暖炉にソファー。右手には風呂桶に、トイレ。この世界のトイレは桶が設置され、溜まったら捨てる簡易的な物が基本だ。
ミリャナは色々と行った後直ぐに、自分で捨てに行くので見た事は無いが、ミールのは、クソ程見て「自分で捨てに行け!」とクソ程喧嘩した。
異世界に来た頃の懐かしい思い出である。因みに、庭で野ぐそをしようとするフェルミナを見つけて叱り散らしたのも懐かしい思い出だ。
元気の改造により近代化したミリャナの家は、現在トイレもお風呂も全自動。こういった施設が懐かしく思う。異世界に来て地球時間でもうすぐ二年。ミリャナと出会ってもうすぐ二年。とうとう今夜。
元気は物思いにふけりながら、部屋の中を見渡す。そして目が行くベッド。真っ白いシーツが輝くダブルベッド。
ミリャナも元気同様ベッドを見て立ち止まっている。お年頃のミリャナ。詳しくまでは解らないが、好きな男とベッドで何をするか、ちゃんと解っている。これはリャナの性教育の賜物だ。
小さい頃に妊娠すると腹が破れて死ぬ。いつかアイリスにそう説明したミリャナに、それを教えたのも勿論リャナだ。
しかし、もうミリャナは小さく無い。大人の女性だ。
「ミ、ミリャナ……」
「ひゃ、ひゃい!」
二人とも緊張し過ぎて、気まずい空気が流れる。まだ真っ昼間だが、町が静か過ぎる。そして電気が無いので部屋の中も薄暗い。
「お、俺はソファーで寝るから……ミリャナは、ベッド使っていいよ……」
「え!……でも……元ちゃんがお金を払ったんだから……元ちゃんがベッドで……」
「いや、大丈夫。大丈夫……」
「そ、そう?……じゃ……そうしようかな……」
「う、うん……そうして……」
そう言うとテラスに出る元気。低いレンガ屋根の街並みを見渡しながら、自分の意気地の無さに溜息が出そうになる。今夜は一緒に寝よう。そんな事がスマートに言える訳が無い。家でポタンと一緒に添い寝して貰うのとは話が違う。ここには二人以外誰もいないのだ。
邪魔が入らない。ミリャナ次第で行く所まで行ける。行けるが行けなかった時。言い訳が出来ない。逃げ道が無いのだ。
ミリャナはミリャナで、何が起こるのか不安だった。しかし元気の一見紳士的な対応に安心する。でもその裏腹で少しガッカリしていた。
不安と恐怖の中にある少しの期待。しかしどうして良いか解らない。可愛く甘えれば良いのよ。そうリャナに言われたが、甘え方が解らないミリャナ。情況は違えど今まで一人で生きて来たこじらせ男子とこじらせ女子の二人。実に面倒臭い二人だ。
しかし、その心の奥にある思い一緒。ただ単に嫌われたく無いそれだけ、それが故に獣になれないのだ。
テラスの先には、赤レンガの街並み。その向こうには平原その先に山がある。見た感じ次の町に行くには山越えが必要な様だ。
「……旅は始まったばかりだ……焦っても仕方ない……。今は楽しい事を考えよう……。ミリャナと遊ぶのが目的なんだ……」
そう逃げの一手を打った元気は、遊ぶ方向へと気持ちを切り換える。しかしここでも問題発生。ミリャナの好きな遊びが解らない。
好きな食べ物や、喜ぶ事等は解っているつもりだが、ミリャナは常に仕事をしている。その為遊んでいる姿を見た事が無いのだ。
何が喜んで貰えるか、何をしたらミリャナが楽しいのか、暫く悩んで見たが全然思い付かない元気。リャナの言っていた。お尻プルプルマッサージは駄目だと言う事は明白だ。
でも、ミリャナはそれが好きらしいので、その内してあげたいとは思っている。
結局は、遊びや趣味の事は本人に聞くのが手っ取り早い。そう思った元気は部屋の中にいるミリャナに、何をして遊びたいか聞いて見る事にした。
「ミリャナ~……。今日は何して遊び……」
テラスから部屋の中を覗くと、ミリャナはベッドの上に横になり、いつの間にか眠っていた。
酷い船酔いの中、船に揺られ三日。食ってはゲロリ食ってはゲロリ。疲れていて当然だ。
「はぁ……。また後で考えればいっか……。フフフ……無防備過ぎだろ……ミリャナ」
ミリャナの安心しきった寝顔を見ると、それだけで元気は心が満たされてしまう。元気はミリャナにそっと布団を掛けると、自分もソファーに横になる。体力は異世界特典で素早く回復するが、眠気はそうは行かない。元気も船旅のせいで寝不足気味なのだ。
今日の夕御飯は何にしよう?そう思いながら目を閉じると、元気の意識もすぐに微睡みへと落ちて行った。
どれ程時間が立ったのか、部屋の中が真っ暗。どうやら外は既に夜の様で、ミリャナの動く気配で元気は目が覚めた。
暗い部屋の中で音を立てない様に、ミリャナが慎重に動いている。姿を見なくても匂いと気配でミリャナの動きは大体解る元気。最初は眠っている自分の事を気遣っているのかと思ったが、どうやら違う様子。何処かに一人で出掛けるつもりの様だ。
心配なので、一緒に行こうと声を掛けようと思ったが、元気はそのまま寝たふりを続け、ミリャナの後をつける事にした。
ミリャナのやりたい事が解るかも知れないチャンスなのだ。
ミリャナが部屋から出ると、元気はそっとテラスへ出てステルスモードになる。そして階下の玄関から出て来たミリャナの後に付いて行った。
遅い時間なのか、まだ夜が始まったばかりなのか解らない。それ程に町は静まり返っている。しかし建物からは明かりが零れているので住民は起きている様子だ。
屋根伝いに移動し、ミリャナの後をつける元気。ミリャナはバザーや門があった大きな通りでは無く、路地裏を静かに進む。何かを探している様にも見える。
路地裏を進む事十五分程だろうか、ミリャナの足がある建物の前で止まった。
「……まさかミリャナ……。一人であの中に入るんじゃ無いだろうな……」
そう独り言ちる元気の眼下には、既に廃墟になっていると思われる屋根も崩れ、窓も割れ赤レンガもボロボロに砕けた。辛うじて建物として残っている教会の姿があった。
そして、元気の予想は見事に的中。ミリャナはその中へと入って行ってしまった。
元気は急いで教会の屋根に飛び移り、中の様子を伺う。中はどうやら礼拝堂の様で椅子や瓦礫が散乱している。その中で月明かりを頼りに何かを探すミリャナ。その真剣な様子に元気は不安を覚える。ミリャナのそんな姿を見た事が無いのだ。
椅子の間を見終わったミリャナは教卓の方へ進む。そして何かを見つけ。しゃがみ込んだそして、ガガガガっと何かを動かす動作をする。
「ひゃ!?」
ミリャナが何かを動かした次の瞬間だった。悲鳴を上げて尻餅を付いた。そんなミリャナの回りにゴブリンらしき小さな影が三つ程突然現れたのだ。
元気は咄嗟に飛び出しそうになったが、モンスターとは言えゴブリン三体。ダンジョンでレベルの上がったミリャナの敵では無い。ビンタで首が吹き飛ぶ程のレベル差。そのまま見守る事にする。ここで飛び出してはミリャナが部屋を抜け出してここに来た意味が解らないままなのだ。
「お前は……。昼間の貴族……。クソ……追って来やがったのか……」
「ど、どうするんだよヤッチョ……」
「な、情け無い声出さないでよムルコ……。やるしか無いでしょ!」
「メルミー……」
暗闇の中で良く見えなくてゴブリンに見えたが、ミリャナを取り囲んだ三つの影。それは髪の毛がボサボサに伸びきり。ボロボロの洋服を着た肌が真っ黒に汚れた子供達だった。
「……成る程……。スリを庇ったのはこう言う事か……まったく……」
元気はミリャナの行動の意味が解りホッとする。やはりミリャナは何処に行ってもミリャナなのだ。
「こ、こんばんは……。私はミリャナって言うのよ……。今日はあなた達を捕まえる為に来たんじゃ無いのよ……」
孤児達にニコリと笑顔を見せるミリャナ。しかし孤児達はミリャナに木の棒を向け臨戦態勢のままだ。
「……う、嘘つけ!お前ら貴族は俺らを捕まえて殺すじゃ無いか!……ハルゴもグルもヒャルもメイヤも皆殺しにした!信じられるか!」
ヤッチョと呼ばれていた少年?がミリャナに吠える。声が違うのは解るが、汚れとボサボサの髪で誰が誰だか見分けがつかない。
「ほ、本当よ……。ほら、お土産もあるの……クッキーって言ってね美味しいのよこれ……」
「うわぁ……美味しそうな匂いがする~」
「メルミー!騙されるな!捕まったら殺されるぞ!」
「で、でも……」
「でもじゃ無い!」
ヤッチョがメルミーに木の棒を振り上げる。そして勢い良く振り下ろした。
「きゃ~!?」
聖堂内に響くメルミーの悲鳴。
「おいおい、少年……。女の子は大事にしないといけないぞ?」
「げ、元ちゃん!?」
間一髪。メルミーの隣へ元気が飛び降り。振り下ろされた木の棒を握しめ。メルミーに当たるのを阻止した。
普通の事の様に木の棒を素手で受け止める元気の姿に、子供達は驚愕する。
「な、仲間が居やがったのか……クソ!」
「……はぁ。威勢が良いの良いけど……女の子に手を上げるのは良く無いな……」
「う、うるせぇ!メルミー!ムルコ!逃げろ!……ここは俺が!」
「で、でもヤッチョ……」
「や、ヤダよ……」
「早く行け!三人共殺されるぞ!」
ヤッチョが二人にそう叫ぶが、泣きそうになったまま震えて動かない二人。
「お、落ち着いて……。私達は貴族でも何でも無いから……ね、ねぇ元ちゃん?」
「まぁ……貴族では無いかな……」
「じゃあ何者だ!」
「う~ん……」
元気はどうしようか悩むフリをする。この後どうするかは、決まっている。それは勿論。ポタンに怒られるであろう事。そしてミリャナが一番喜びそうな事だ。
そして最近知ったミリャナの嗜好。
「我は、白銀の騎士!グエンキーである!其方は我が王国のミーリャナ姫に刃を向けた!それは死よりも重い大罪と知れ!」
元気はそう叫ぶと、白く発光し白銀の鎧を身に纏った。
目の前で起こっている出来事に、目を見開いて驚く子供達。そして驚きながらも目が輝くミリャナ。元気の狙いは的中。ミリャナは可愛いぬいぐるみでは無く、ドラゴンやロボット等の少年チックな物が大好きなのだ。
「……き、騎士様!ごめんなさい!……ヤッチョは私達を守る為にこんな事をしたの!お姫様!お金は返します!だから!ヤッチョを殺さないで!お願い!」
「そ、そうなんだ!気性は荒いけどヤッチョは僕らを守る為に……悪い事もしちゃうけど……それも御飯を食べる為なんだ……ごめんなさい!」
「お、お前ら!そんなのは良いから!早く逃げろ!」
「お、お姫様!?……わ、私は……」
困るミリャナの前にひざまずいて、許しを請うメルミーとムルコ。それを見て逃げろと良いながら、元気を必死に蹴飛ばすヤッチョ。子供達は裸足なので蹴っているヤッチョの足の方が傷付いて血が出ている。足の骨が砕けるまで蹴って来そうな勢いだ。
「……よし。こうしよう……。我が王国で奴隷として働け……そうすれば命は助けてやろう……」
「ふざけるな!」
「奴隷と言っても三食飯付き、昼寝付きだ、お勉強も出来るし、暖かいお風呂とベッドもあるぞ?」
「もっとふざけるな!そんな所あるか!」
元気の物言いに激怒して更に元気を蹴飛ばす勢いが強くなるヤッチョ。そんな様子を見てミリャナがとうとう怒る。
「ちょっと!元ちゃん!ふざけすぎよ!ヤッチョの足がボロボロじゃない!それ以上続けるなら私!お家に帰るわよ!」
ミリャナの激怒によって、一瞬にして教会内が静まり返った。
「ご、ごめん。ミリャナ……。ヤッチョもすまん……。ちょっと待ってろ」
元気は姿を元に戻すと、ヤッチョの足にヒールを掛けた。
「……な、何で孤児の俺の……治療なんて……」
「はぁ……。怪我人をそのままに何か出来ないだろ……こんなになるまで蹴りやがって……」
「ほら、あなた達ももう良いから……はい。クッキーお食べ……お腹空いてるんでしょ?」
「……うん」
「……でも」
ヤッチョを気にしてクッキーに手を出せない二人。
「……もういいよ。警戒した所で……意味がねぇ……」
「お、どうやら敵意が無い事が伝わった様だな?」
「ふん」
元気の問いかけに鼻を鳴らし応えるヤッチョ。小生意気だがどうやらひとまずは信用して貰えた様子だ。
「うわぁ!……美味しい!」
「こんなの初めて食べたわ!ヤッチョも貰いなよ!」
「いい。お前らで食え……」
「ったく。ほら、いっぱいあるから食え」
元気がクッキーを出してヤッチョに渡す。そしてミリャナへと向き直った。
「そう言えばミリャナの言ってたお願いって何なの?」
「え!……あ、そうだったわね……。その……お財布を返して欲しくて……。中身は良いんだけど……お財布は元ちゃんがくれた物だから……」
「そ、そんな物の為にこんな所に一人で来たの?」
「そんな物じゃ無いわ!元ちゃんがくれた……大切なお財布だもの……」
「あ、ご、ごめんミリャナ……」
元気に財布をそんな物と言われシュンとしてしまったミリャナ。そんなミリャナに元気が謝る。ここで財布何かよりミリャナの方が大事だから等と気が利いた事が言えない元気だ。
「これ……。悪かったな……中身は使って無いから……。お前も財布をわざわざ探しに来てくれた女を攻める様な事言うなよな……。男として最低だぞ……いった!?いきなり殴んなよ!」
「うるさい……これは財布を盗んだ罰だ。悔い改めろ馬鹿者め!」
「ふん。どっちがだよ……。う、嘘だよ!俺が悪かったよ……」
「ふん」
そんな二人のやり取りを見て、メルミーとムルコが笑い、それに吊られてミリャナも笑った。
「さて……。で、お前達どうする?さっきはノリで奴隷って言ったけど、奴隷じゃ無くて孤児院での生活なんだけど……行くか?……さっき言った様に三食飯付きで寝る所も遊ぶ所もあるぞ?」
「そ、それは本当なのか?」
「ええ。本当よ……フフフ。元ちゃんがね大きいお風呂も作ったのよ……。元ちゃんは孤児院の神様なの……」
「は?神様?……そんなもん……」
「居ないと思うか?」
バサッと大きな翼を広げる元気。子供相手であれば言うよりも見せる方が早い。
「凄い……ほ、本物?」
「さ、触ってもいい?」
「あぁ。いいぞ~」
やはり、子供は大きな翼や鎧が好きな様だ。そして、ミリャナも何だかソワソワしている。
「ミ、ミリャナも触る?」
「え!良いの!?」
「うん」
フェルミナから押し付けられ、邪魔でしか無かった翼が活躍した珍しい夜に、アルカンハイトの孤児院に新たな子供達が三人増える事となった。
孤児達を連れて一時帰宅した元気は、初日から何をしてるんだ!とポタンに怒られた。
怒りはしたポタンだったが、子供を連れて来たからには放って置く訳にもいかない。なので孤児院待機中のエルフと連携を取りすぐさま、子供達の受け入れ体制を整えた。
そして元気はミリャナを宿に残しての瞬間移動だったので、リャナとアイリスに子供達のお風呂や準備を別料金でお願いして、ミリャナの待つ宿へと戻った。
子供達をアルカンハイトへ連れて行き、孤児院に入れるまで約一時間。元気のやらかしに馴れ過ぎたポタンやアイリスの迅速過ぎる対応劇だった。
「ただいま~。無事完了したよ!」
「そう……。良かったわ……あのね……実は……」
元気は気付かなかったが、教会の教壇の下の子供達が隠れていた空洞。そこには、貴族に殺された子供達の骨が納骨されていた。
ヤッチョ達が死体を燃やして、隠して居たのだろう。死体を埋める燃やすは異世界でも地域毎に違うのだ。
「あの子達を明日。違う場所に埋めてあげたいんだけど……いいかな?」
「うん……。そうしよう……」
「ありがとう元ちゃん……」
こうして、一悶着終わった後。夕食を終えて、お風呂に入り。就寝。元気とミリャナの頭の中には、昼間の様な悶々とした気持ちは無く、さっき起きた現実だけが残っていた。
次の日の朝。子供達の骨を埋める為に廃教会へと向かった二人。ミリャナが教壇の下の鉄の蓋をずらし殺された子供達の骨を取りだそうとした。
「な、何で……。子供達の骨が無いわ……。元ちゃん……どうしよう……」
しかし昨晩は確かにあった子供達の骨が綺麗さっぱり無くなっていた。
「……ミリャナの見間違えだったんじゃ無い?暗かったし……」
「そ、そんなハズは無いわ……確かに見たもの……」
骨が消えた空洞を見つめ呆然とするミリャナ。そんなミリャナを見て死んだ子供にまでどうしてこうも感情移入出来るのだろう?と元気は思う。いい人の度合いを超えている。
「ミリャナは何で埋めようと思ったの?」
「え……。だって、私達を信じてくれたあの子達の大事な家族でしょう?……血が繋がって無くても……今まで一緒に生活をして来た……。大切な人達……。そんな人達が廃墟の中のままじゃ心配じゃない……。安心して新しい生活を送れないわ……。お母さんとお父さんの居場所が解らなかった時……私は嫌だった……。骨でも何でも良いから……何処にいるか知りたかった……。フフフ……私が安心したかったってだけなんだけどね……」
彼等が生き返っても未だ消えない心の傷。それが悲しくもミリャナの微笑みを美しく見せる。ミリャの優しさはミリャの心の傷の上に成り立っているのだ。
「そっか……。……じゃあさ……実は、貴族に殺された子供なんて居ないと言うのはどうだろう?」
「え?……どう言う事?」
「う~ん。昨日……実は、孤児院に行ったのは……三人じゃ無くて……七人だったんじゃ無いかなって……」
そこまで元気が言うと、ミリャナは発言の意味に気付いたらしく、元気に勢い良く抱き付いた。
「ミ、ミリャナ……ちょっと……」
「もう!元ちゃんの意地悪!……ここに来るまでに言ってよ……」
「ハハハ……。ごめんよミリャナ。ミリャナに子供達の骨まで気にする理由を聞きたくてさ……。理由が解って良かったよ」
「……私……変でしょ?……解ってるわ……もっと簡単に考えないと……駄目って……じゃないと……心が壊れるって言われた……」
「誰に言われたのそれ……って……母さんか……」
「うん……」
「母さんは適当だからな~……。まぁ、ミリャナの心がいっぱいになったら……俺に話してよ……俺は頭が空っぽって良く言われるからミリャナお話し、いっぱい入るからさ」
「フフフ……それはポタンに言われたのね……」
「ハハハ。正解!……おし!朝の散歩も終わったし、宿に帰って朝御飯を食べよう!」
「うん!……元ちゃん……いつもありがとうね」
「……どういたしまして」
微笑み合う二人は水平線から上る朝日を横目に、廃教会を後にする。残念ながら大人への階段は上れなかった二人だったが、自然と繋がれた手の平から伝わる温もりに、心の距離をいつもより近くに感じる二人なのだった。
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