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危険物につき……

人魚さん達は新しい生活に上手に溶け込み始めています。

 アトランティスからユートピアに魚人がやって来て一週間が過ぎた頃。町には早速変化が起き始めていた。


「そこの猫族の奥さん!新鮮なお魚はいかが?取れたてピチピチよ!」


「あら!まだ生きてるわね!……ユートピアは浜辺まで遠いから、中々魚が出回らないのよ。助かるわ~三匹程頂くわ!」


「毎度あり!」


 ユートピアの裏手の崖から海へ飛び込み魚貝類を捕って来る人魚達の商売が、獣人達、特に猫族や鳥族に大当たり。ユートピアの食卓に彩りを与えていた。


 本当は出店許可等が必要なのだが、ヴァイドやポタンも暫くは黙認するつもりだ。


 今は利益よりも、友好国となるアトランティス出身である魚人達の自立。それと町の住人として溶け込む事。その事が最優先なのだ。


 水路での遊泳も、ルールを守る事で許可。人魚の汗や体液には健康への良い影響が少々だがある。これは口にしても脳細胞は死滅しない。肉の方は怪我や病気は治るが、脳細胞が死滅するので馬鹿になる。強力な薬みたいな物だ。


 これは、ポタンが元気で一度実検をした。


 人魚の肉の提供は、マッスル人魚。ゴードンさん。黒光りする筋肉と白く輝く歯が絶妙に気持ち悪い。そんなゴードンさんの足の裏の硬くなった皮をそぎ落とした物を貰い。それを元気のスープに入れたのだ。


「パパ?……一足す一は?」


「へへへ~うんこ~!」


「あれ?……いつもと変わらないわね?」


「ぶはっ……。ポタン……元ちゃんが可哀想よ……フフフ……。早く治してあげ……。きゃ!げ、元ちゃん!?ちょっと……」


「ミリャナ~!好き好き~!パンツちょうだ~い!」


 馬鹿になってしまい、リミッターがハズレた元気がミリャナに抱き付いた。


「ひえ~!ポタン!た、助けて~!」


「ぎぇぇええええぇぇぇぇえぇ!?」


 ポタンの電撃で黒焦げになり、地面に転がる元気。


「……やば……。人魚の肉ってヤバすぎでしょ……。旦那様はダメダメなビビりだからいいのよ?……あれじゃ、ただの変態じゃん……」


「……アイリス……。あなたも大概ね……その内痛い目見るわよ……」


「フフフ……。それもまた一興よ。先輩」


 ニヤリとするアイリスにポタンがため息を吐く。


「ポタン……。元ちゃん大丈夫なの?」


「大丈夫よママ。今治すわ……。ヒール」


 ポタンが脳細胞ごと元気を再生する。すると元気が目を覚ます。


「あれ……?俺は何で床に……」


「……パパ?一足す一は?」


「え?二だろ?え?引っ掛け問題か?実は二じゃ無くて……2……アヒルに見えるから……スワン?」


「……正解」


 能無しお馬鹿から、いつも通りの難解お馬鹿に戻った元気を見て、ポタンは実検の成功を確信する。


「へへへ!やっぱりか!」


「これこれ……。旦那様はこうで無いとね~」


「?……何か解んないけど……ご飯食べようよ……せっかくの料理が冷めちゃう…………。へへへ~……ミリャナ~好き好き~……」


「ひえぇ~!……ス、スープを捨ててポタン!」


 お馬鹿は何度も繰り返す。どちらにせよ元気はお馬鹿だった。


 こうして、元気のお陰で人魚の肉の効力が解ったポタンは、その効果を街中に広め、人魚の肉。又は皮を摂取しない様にと、住人達に警告をした。


「おいおい!嘘つくなよ!……人魚の肉は万病に聞く薬だろ!……チビ助が偉そうに何言ってっんだ!」


「……は?……。フフフ……冒険者さん……。人魚の肉のスープ……飲んでみますか?……人魚の方から提供があった物ですので本物が入っています……」


「お!まじか?クソガキの癖に気前が良いな!そ、そんなに言うなら仕方ねえな!……へへへ……」


 ポタンの隣に立つシャーリーに、下卑た笑みを見せる冒険者の男。


 勿論信じない人間もいると思っていたので、そんな人間には、肉入りスープを準備して飲んで貰おうと準備をしていた。


 中身は勿論シャーリーの物では無く。マッチョ人魚ゴードンさんの足の裏の皮。シャーリーを見ながら、嬉しそうにスープを飲む冒険者の男。ポタンは笑顔でそれを見る。笑顔の下にある心の内は、天誅。地獄に落ちろ。である。自分とミリャナを馬鹿にする者には容赦しないポタンだ。


「えへへへ!……ほらほら!どうだ!うへへへ!僕のオティンテンは、でっかいゾウ!なんちゃって~えへへへへ!」


 民衆の前でスッポンポンになって腰を振る冒険者の男を見て、見物人が一斉に人魚の肉の効果に震え上がる。そして冒険者のソティンに大爆笑。彼の物は、ゾウでは無く小僧だった。


 人魚の肉の噂は瞬く間に、アルカンハイト中に広まった。


「おう、ソティン!元気か?」


「うるせぇ!俺はラントだ!ソティンって何だ!……どいつもこいつも何なんだ……一体……クソ……」


 人魚の肉を食べた生きる証人。ソティン。彼が居る限り。人魚の安全は揺るぎない。そしてポタンを怒らせると大変な事になる。これも町中の人々や人魚の中で暗黙の了解となった。



魚人達のお昼の様子です。


元気も裏では、ちゃんと協力しています!強制的にw


次回は魚人達の夜の様子ですw


少しワロタ! もっと読みたい! 心がピクリと反応した! と思われた方は、ブクマ:評価:いいね等々。よろしくお願い致します。


下の ☆☆☆☆☆ ⇒ ★★★★★ で評価できます。最小★1から最大★5です。


『★★★★★』で……元気も喜び頑張りますw



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