求める物~マーリュク~
地味に大事な事が多い?w
ポタンは賢いって聞いてたけど……私と同格になるなんて本当に凄い子供なのね……。元気もポタンの言った通りに動き出したし、フェルミナも大人しく言う事を聞いてるわ……。……フェルミナ……大人し過ぎるわよ……。
「フェルミナ……。元気出してよ……」
「マーリュク……。ありがとう……大丈夫私は元気だ……」
「…………」
何よそのショボンとした笑顔は……フェルミナらしく無いじゃない……。
「……私には、仲間は居るが……家族が今まで居なかったんだ……だから、黒竜が怒ってる意味が今まで解らなかった……でも……」
「今は……解るの?」
「うん……。元気達に会ってから……色々と感じる様になったんだ……」
「そう……」
何よ……。私もずっとフェルミナと一緒に居たのに……結局元気達なの?……まぁ、そうよね……。私はフェルミナに助けて貰うばかりだもの……回復は出来るけど……いざって時に……役に立たない……。
「黒竜と対峙した時に、『お前に子供を殺された親の苦しみ憎しみが解るか!?』って言われて思ったんだ……ミリャナや、元気にとってのポタン……。私にとってのマーリュク的な存在を私は食べたんだって……。そしたらさ……体中の力が抜けてどうしようも無かった……」
「フェルミナにとっての私……?」
「うん……マーリュクは私の家族だ……」
「え?どうして?」
「え?……だって、私の命を助けてくれるし……お馬鹿な私とずっと一緒に居てくれるし……マーリュクが居ないと私は寂しい……」
「……だから家族なの?」
「……どうなんだろう?解んない……けど……マーリュクとは家族がいいな……」
……。ちょっと……俯きながらじゃ無くて……こっちを向いて言ってよ……フェルミナ……。
異世界人をとっちめた後から、『またな!』って私を置いて数百年居なくなって……。やっと見つけたと思ったら……。今度は家族が良いって……。
「家族は……何百年も私をほったらかしにしないわよ……」
「……うん、ごめん……。もうしない……」
はぁ……。素直なフェルミナはいつも通り何だけど……元気が無いと……調子が狂うわね……。
「もう良いわよ……これからは……ずっと一緒に居ればいいし……。家族でしょ?」
「うん……」
家族……。私もそう思ってるわ……。
村が戦争で焼けて、お父さんお母さんが死んで……生き残った私が、飲まず食わずで村の皆のお墓を作った。
その時にはもう、手足も身体もボロボロ……。そんな時に癒やしの神が現れた。
『傷を治す変わりに、孤独を受け入れろ』
神様はそう言った……。私は意味が解らなかった……。死ぬよりか良いと思った。
私はうなずき神様になった。
それから約千年……。孤独が私を襲った。
誰も私を見ないし、誰とも喋れない……ずっと独りぼっち……。楽しく話す人が羨ましい……。マズいカチカチのパンさえ羨ましい……誰かに押し付け様にも私の姿を見える人も居ないし……。やり方が解ら無かった。
お父さんお母さんのお墓を見ながら、私も前の癒やしの神同様……死を望んだ。
お父さんお母さんに死んで……早く会いたい……そんな時にひょっこりフェルミナが現れた。
同じ神様だと言うフェルミナ。フェルミナは私に色々と教えてくれた。それからお父さんお母さんのお墓から離れられない私に、数年おきに会いに来ては色んな話しをしてくれた。
私の事を気にしてくれたのは……フェルミナだけだった。
でも……。フェルミナが急に来なくなった。
色々と危なっかしい事をしていたフェルミナは、とうとう死んだのかも知れない……そう思ったら居ても立ってもいられなかった。
「生まれ変わりがあるんだ……」
ある時、フェルミナがそう言ったのを思い出し。私はお父さんお母さんのお墓を掘り返した。
お墓には何も埋まって無かった。
魔石の消滅と共に人は生まれ変わる。私はもう荒野と化した村のお墓の前に居る意味さえ無かった。
孤独と不安が襲う中で思い浮かんだのは、フェルミナの笑顔……。もう、孤独は嫌だった。
村の跡地を後にした私は、エルフの噂を色々と聞いて、必死に探し回り、アルカンハイトに辿り着いた。そしてやっとフェルミナに出会えた。
そしてそこから、村の人達の墓守をしていた、私の時間が再び動き出した。
フェルミナが居なければ私は今もあそこで……。
「フェルミナ……。お家に帰ろう……」
「え?でも……ポタンを待っとかないと……」
「うん……。だから……ポタンが帰って来たら……帰ろう?」
「……うん」
フェルミナが元気になるまで……一緒に静かに暮らせば良いわ……。励ましたいけど……私には一緒に居る事しか出来ないもの……どうすればいいか解らない……。
思い出とだけ暮らした千年の時間は……今は何の役にも立たない……。
「良かった……。いたわね……だたいま……」
……やっと帰って来た……これで……帰れ……え?何で……?
「ポ、ポタン……それは黒竜の卵か?……それにその姿……どうしたんだ?」
「千倍以上の時間が流れるって言ったでしょ?……う~ん……でも、もっと早いのかも?……まぁ、歩けないのは不便だったから丁度いいわ……。人間で言ったら5~6才かしらね?」
「可愛いじゃない」
私には敵わないけど……銀髪ロングの美幼女……。私のライバルには丁度いいわね!
お腹にウサギちゃんのついた……。あれは何だっけ……オーバーオールだっけ?本で見たアレレちゃんの服……。
「フフフ……ありがとう御座いますマーリュク様……。じゃ、これフェルミナ……。黒竜に渡して……謝んなさい……。その感じまだウジウジしているんでしょ?」
「う、うむ……。しかし……許して貰えるだろうか……」
「はぁ……。フェルミナは許して貰えないと謝らないの?」
「い、いや……。そう言う訳では……無いけど……」
あ、これ知ってる……お母さんが言ってたわ……夜遊びしてたお父さんにいっつも……。
「フェルミナ……。こう言うのは誠意ってのが大事なのよ!……心から謝るの……」
「マーリュク様の言う通り……。まぁ、謝った方がフェルミナの気分も少しは楽になるわ……」
……そうなのね……。気分が楽に……やるわね……ポタン。
「わ、解った……。謝ってみる……」
「ファイトよ!フェルミナ!」
「あぁ!マーリュク!私は頑張るぞ!」
「……じゃ、行きましょうか……。パパが何か仕出かさない内に……」
「そうだな!元気は危なっかしいからな!」
…………。良かった……何だか知らないけどフェルミナが元気になったわ……。
ポタン……。凄いわね……今後の為にちょっと……行動を監視しようかしら……。お母さんと一緒の事を言うんだから……多分。悪い事は無いわ!
歳は重ねているマーリュクだが、廃村で墓守をして孤独に過ごしていたマーリュクの年齢は、年相応の十二歳程度。自然と母親の姿を誰かに求める。兎にも角にも、ポタン達の準備はこれで問題無く整った。
そんな三人は元気の後を追う為に昇降路へと乗り込む。そしてポタンの魔力による干渉によって、鍵を差し込む事無く昇降路は最上階へと進み始めるのであった。
人は魔石になると長い年月を掛けて自然消滅し、輪廻転生します。しかし魔石を使われると……どうしよう?w後々語る場所があれば決めようw
マーリュク結構出てるのに謎なので生い立ちを軽くw
次回は黒竜と元気です(*^_^*)
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『★★★★★』で……元気も喜び頑張りますw




