救助~潜入開始
アトランティス城へいざ突入です。
作戦会議の終了と共に、トリトルの元へと瞬間移動した元気とポタンは無事にアトランティス城の地下牢獄へと到着していた。
白を基調とした珪藻の壁に鉄格子のついた部屋が四つ。見張りの気配も無くアトランティス自体犯罪が少ない国だと言う事が覗える。
「えぇ!?何でここにポタンがいるの!?それにその子はだあれ?」
その牢屋の中でトリトルが声を大にするが、誰もやって来る気配が無いのだ。
「あ、俺は元気って言うんだ……。ポタンのパパだよ。よろしくねトリトルちゃん……」
「そうなのね!フフフよろしくね元気!」
「う、うん。よろしくね……」
元気はトリトルを見て、俺は……お姉さん好きだ……そう思う。ちっちゃな貝殻のビキニを纏った童女など……趣味では無い。そう思うが、ぷにぷにとした柔肌と愛くるしい笑顔が元気の目と興味と心を鷲掴みにするのだ。
「パパ……。顔が気持ち悪い……。鼻の下が伸びきって象見たいになってるわよ……気持ち悪い……」
「気持ち悪いって、二回言わなくて良いだろ?……全く……。だいたい、こんな格好してるトリトルちゃんが……。……悪く無い……。俺が悪いな……うん。俺が悪かった……」
自分が悪者になってでも、童女の貝殻ビキニを守りたい元気だった。
「全く……遅いわよ元気!……何やってたのよ!?」
トリトルの隣に仁王立ちになり、元気に対して怒るマーリュク。マーリュクもスクール水着を着用している。フェルミナを真似したのだろう。小さなお胸の名前書きの所には汚い文字でふぇるみなと書いてある。
「いや……。お前達こそ何やってんだよ?」
「何ってアトランティス見学よ!悪いの!?……悪いって言えば……。フェルミナの様子が変なのよ……どうにかしてよ元気……」
トリトルと同室にフェルミナとマーリュクがいたのだが、フェルミナは壁の方を向いたまま座っていた。
その周りには他の人魚達が集まり、元気を見て好奇心と恐怖と驚きが入り混じった様子で固まっている。男女で分けられて収監されている様だ。
「大丈夫よ!貴女達!この方達は私のお友達なのよ!安心して!」
人魚達はトリトルの言葉を信用したのか、警戒を少し解いてくれる。ホッとしている人魚達を見て元気は、ここは牢獄と言う名のパラダイスだろうか?とそう思う。人魚が貝殻の水着なのはテンプレで理解出来るが、下まで貝殻一丁なのだ。
シジミの水着を着ている端っこの彼女は、最早何を隠しているのかさえ解らない状態だ。
「ポタン……。彼女達を早く元気の視線から避難させてあげて……気持ち悪いわ……」
「解りましたマーリュク様……。さ、皆さん行きますよ……。フェルミナの事は頼んだわよパパ」
ポタンの先導に従って牢屋を出て行く人魚達の後お尻姿を見送った元気。どうやら隣の牢屋に男達が捕らえられていた様で、再会を喜ぶ声が聞こえてくる。しかし男の後お尻姿になど興味が無い元気は、壁を向いたままのフェルミナに声をかける事にした。
「フェルミナ……。ほら、帰るぞ……。どうしたんだよ一体……マーリュクも心配してるじゃ無いか……」
「フッ……。元気か……。私は……頭が悪い……」
「あぁ。知ってる……」
スクール水着を着たフェルミナが当たり前の事を言うので、本当にどうしたものか?と元気は思う。スクール水着は童女が着るから尊くて良い物なのだ。大人が着ると馬鹿っぽくて萌えない。そして胸の字が汚すぎてネタ以外の何でも無いのだ。
美少女であるマーリュクのスクール水着はギリギリ及第点だが……正直、金髪の彼女には白いビキニを着て欲しかったと元気は思う。
「ぐっ……。肯定されると腹が立つが……。それはまぁ良い……。私は強さだけが取り柄だったのだ……なのに……。この島の一般兵に負けてしまったのだ……」
フェルミナは一般兵に負けて、いじけている様子だ。
「ずっとこうなのよ!元気!どうにかしてよ!」
「どうにかしてって言われてもなぁ……」
フェルミナは単純なのでどうにでもなるとして、元気は別問題が気になる。アルカンハイトでは一位二位を争う強さを誇るフェルミナ。そのフェルミナが一般兵に負けたのだ。
その事の方が大きな問題である。魔力抜きの純粋な戦闘力では元気よりフェルミナの方が遥に上。そんなフェルミナを倒す兵士が常駐しているアトランティス城。トリトンを捜す以前にやられて捕まっては意味が無い。元気は戦闘をしない様にとポタンに言われているし、する気も無いのだ。
見つかった時に逃げ切れるだろうか?と元気が考えていると、フェルミナが自分の事を心配してくれていると思った様で口を開く。
「私の事は放っておいて構わん……。行って来れ……。今度はアイツ……とっちめてやる……」
「おい……馬鹿者さっさと行くぞ」
「馬鹿者とはなんだ!落ち込んでいる人間に向かって!……違う……私はエルフだ!」
「そうだな……。今度は勝てば良いだろ……。そんな所でウジウジしていても何も始まらないぞ?……考えるんじゃないんだ。行動する事で人間は成長するものだろう?」
「行動する事で……成長する……。私はエルフだが?エルフもか?」
細かい所にツッコんでくるフェルミナ。面倒だなと思いながらも元気は同意する。
「あぁ。エルフもだ……。だから、立ち上がるんだフェルミナ!お前はエルフ随一の戦士だろう?」
「エルフ……ずっちの戦士……。そうだ!私は戦士だ!……こんな所で立ち止まっている訳にはいかないんだ!行くぞ!マーリュク!」
「ちょっと!?フェルミナ!待ってよ!」
元気の適当な言い分にまんまと乗せられたフェルミナは、マーリュクと一緒に風の如く牢屋を飛び出して行った。
隣のポタン達は無事に脱出出来た様で、牢屋内は静まり返っている。ここから元気はトリトン王の場所まで行かなければならないのだが、場所が解らないのだ。
「久々に……あれやるか……。ステルスモード……」
透明人間なった元気はそっと、牢屋の扉を開け外の様子を見る。薄暗い通路の先に階段があり。上の階へ続いている。壁には光る苔の様な物が埋め込まれていて青白く光っているだけで、他には光源が無い。階段の上は明るい様で光の心配は無いようだ。
「き、貴様!どうやって出て来た!?」
「げ!コイツ!ノコギリ様とやり合ってたエルフだぞ!?」
「ゆ、油断するな!?アホそうな格好をしているが、手強いぞ!」
先に出ていった囮……。フェルミナ達が上の階で兵士に見つかった様で、争う声が聞こえる。
「うるせぇい!このお魚さん野郎め!エルフの戦士様の行く手を阻むなぁ~!おりゃ~!……何処だぁ!サメ野郎!出てこ~い!勝負しろ~……」
「フェ、フェルミナ!待って~……」
「……サメ野郎って……。絶対一般兵じゃ無いだろ……。解らんけど……」
元気はフェルミナ達の声が遠のいて行くのを確認すると、階段をゆっくりと上りトリトンの王室を捜す事にした。
フェルミナは何処でもフェルミナですw
さて、フェルミナが城内で揺動をしている間に元気は城を探索です。
元気は基本争いませんw
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