希有(けう)なる来訪者
アトランティス編スタートです。
ミリャナ達のピクニック。ポタンのピクニック。元気のピクニックの話しで最近の夕食はとても賑わっている。その光景を見て元気はとても嬉しく、楽しいと感じていた。
「そう言えばフェルミナは?」
「解んない……何事も無ければ良いけど……」
「……ポタンが不安そうにするのは……ちょっと怖いな……」
「まぁ、あれから数日……何も無いから大丈夫とは思うけど……」
ミリャナにご飯を食べさせて貰いながらポタンが答える。今日は、元気とミリャナとアイリスとポタンの四人での夕食だ。
ミールはアルトに付きっきり、ダルドリーとリャナは城で、話題に上がっているフェルミナは行方不明である。行方不明中にいつも問題を起こすフェルミナ。大人しく裏小屋で騒がしくしている時が、一番問題が無い良い状態なのだ。
「そう言えば、私とお姉ちゃんは見えなかったけど……先輩は何を見て慌ててたの?」
「そうね、初めてだったものポタンが冷や汗をかいてるの見たのは……。何を見たの?」
「ポタンが冷や汗って……。相当ヤバいんじゃ無いか?……もしかして、ポタンを召喚出来なかった事に関係するとか?」
スパゲッティーをフォークでクルクルしながらアイリスがポタンに聞くと、ミリャナが同じ様にポタンに質問する。
「……パパって時々無駄に鋭いのよね……その通りよ……。フェルミナと一緒にいたのよ……海の神様……『セイレーン』が……」
「そうなの?」
とミリャナ。
「へぇ~」
とアイリス。
「綺麗だった?」
と元気……。神様が身近すぎて驚かない一同。ポタンはそれを見て溜息を吐く。
「もっと緊張感を持ってよ……」
「まぁ、フェルミナの友達だろ?……癖は強いかもだけど……そこまで警戒する必要は無いんじゃないか?」
「パパは楽天的過ぎよ……。あの時、フェルミナが泳いで来てクッキーを催促するまで魔法が使えなかったの……。多分能力は魔法封じ……。私達の天敵よ……フェルミナが怒らせてなきゃ良いけど……」
ポタンの最後の一言の方の一同は息を呑む。
「さ、流石にフェルミナも、遊びに言った先で失礼は……しない……わよね?元ちゃん?」
「……。多分……大丈夫と思うけど」
「先輩の言ってる、緊張感の意味が解ったわ……」
家でのフェルミナの信用度がほぼゼロであった。
「と、とりあえず。フェルミナの事は今心配してもどしようも無いんじゃない?……ポタンの中央図書館で知った話しを聞きたいな」
「……そうねママ……。まぁ、何かあった時はパパに任せれば良いわね」
「お、おう!……任された……」
その後はポタンが中央の図書館で知った『純潔』の事や過去の戦争の事。ラストの大陸の事等を話した。
ラストの大陸は西。東。南。の三大陸で構成されており。南が魔国。東が中央国。西が純潔達の住む国となっている。アルカンハイトはその中央に位置する小島だ。
「なるほどな……。地球で言うと……アルカンハイトは、ハワイ諸島的な位置着けなのか……」
「そんな感じかな、東がアメリカ。西が中国ね……。内情は解んないけど……」
ポタンの一通りの説明が終わると就寝である。次の日からニコラウスの教育が終わり、
中央の王に就任するまで、元気には何事も無い平和な日常が訪れるハズだった。
「はぁ~……。やっぱり……平和って良いよなぁ……」
家の庭先に干され、風に揺らめく真っ白なパンツを眺めながら、澄み切った青空の下で紅茶を嗜んでいる元気。
数日を掛けて情報交換や、ミリャナやアイリスのピクニックのお話しを聞いてる内に、本当にこのままこんな時間が続けば良いのに。と思っていた。しかし、そうも行かない様だった。
「あの~。元気さんは……ご在宅でしょうか?」
水色の羽衣を纏った青い髪、青い瞳の美女が、家の前の林道から現れた。
羽衣の端々には白波の様なヒラヒラが着いている。そして裸足……。
流石の元気でも、普通の人では無いと気付く様相をしていた。
「俺が元気ですけど……。もしかしてセイレーンさん?」
「え!?……な、何故解ったのですか!?」
目を丸くして驚くセイレーンに元気は、うわぁ……。超可愛いなぁ!と思う。ミリャナとは違った清純さが醸し出されているのだ。
「フフフ……。俺は人の心が読めるのですよ」
パンツの前で仁王立ちになって紅茶を啜る元気。
「そ、そんな……。じゃ……私が何でここに来たのかも……」
セイレーンが赤面してモジモジする。そんなセイレーンを見て元気は揶揄うのが申し訳なくなり。普通に相手をする事にした。
「あ、いや……。ごめんなさい……。冗談です。セイレーンさんの事は娘から聞いてた物で……姿を見てそうかな~と思っただけです」
「そ、そうなのですか?もう!……意地悪しないで下さい!」
「ご、ごめんなさい……。フェルミナの知り合いって聞いてたので……ちょっと濃い人かと思って……」
普通に怒るセイレーン。フェルミナの知り合いなのに……変人では無い?普通の反応に拍子抜けする元気。
「恋?……私は好きな人は居ませんよ?恋人もいません」
「え~。セイレーンさん凄く美人さんなのに勿体ない」
「そ、そんな事……無いです……」
赤面しながらモジモジするセイレーン。そこには、今までに無い清純で稀有な女性の姿があった。
「……天然美人お姉さん……。レ、レアキャラだ……」
ミリャナに続く清純派のヒロイン登場に元気の胸が躍る。
「レアキャラ?」
「い、いえ、何でも無いです……。それで今日はどうされたんですか?」
「その、今日は折り入ってお願いがありまして……」
「どうぞどうぞ、何でもどうぞ」
可愛いお姉さんのお願い事は何でも叶えてあげたい元気だ。
「アトランティスの王を懲らしめて貰えませんか?」
「喜んで!……………………え?……どう言う事?」
「ですから……。アトランティスの王を懲らしめて下さい……」
「……え?……どう言う事?」
「なので!……アトランティスの王を……」
いきなり現れたセイレーンは、聞かないと必要な事を答えないタイプの様だった。
えっとアトランティス編スタートですw
ニコラウス就任後に始めようと思いましたが、前にする事にします(*^_^*)
就任式はアトランティス編終わってからですね。
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