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ポタンのピクニック①

わくわくする事。それぞれみんな違うよねw

「団長!中央への遠征準備整いました」


 救命団長室でビシッと敬礼をする彼女は、スカリー。胸に十字のワンポイントが入った白い制服に白い帽子。救命団の制服を纏っている。大きめの眼鏡と腰丈までの長い緑髪の三つ編みがチャームポイント。


「……そうか、では向かおう」


 そう言いながら席から立ち上がるのは、リュライ。


 肩程までのサラサラの青い髪。彫刻の様に整った顔。理的なイケメンだ。

 アルカンハイトの女性達の中で壮絶な人気を誇っているが、色恋の噂が立たない。謎な男だ。


 本日は、救命団五十人体勢で中央城へ遠征へ向かう日だ。


「フフフ……。団長!特別手当てですって!新しい財務大臣様は太っ腹ですよね~」


「……そうだな」


 最初に話が来た時はいつも通り。横暴に振る舞う騎士や兵士共の回復や死体処理等の雑用。そう思っていたリュライだった。


「今回。貴方達には中央城で死亡した人間の適切な死体処理。及び調査をお願いします」


「……適切な?とは?」


 リュライは面妖な子供だとそう思った。


「フフフ……。私を試されているのですか?……勿論。そのままの意味ですよ……魔法学校首席卒業生のリュライさん……」


 兎のアップリケのついたピンクの服を着た赤子……。またダルドリー達がふざけているのか?と思ったが……どうやら違う様だとリュライは思いなおす。


 死体は焼けば良いのだ。そう言う騎士団や兵士の愚かしい奴等とは違う。ポタン。この子供には見えているのだろう。その後の光景がと。


「……すまない。……魔物にならない様に処理すれば良いのだな?」


「ええ。小さな魔石一つ残さないで下さい。勘違いしてる人達が多いですが、魔力が皆無な人間はいません。魔石になるのが早いか遅いか、そして大きいか小さいかで、良かったですよね?リュライ様?」


 ニコリとするポタンに、リュライは驚く。


「……。良く……学んでいるのだな……財務大臣殿は……」


「フフフ……ポタンで良いですよ。財務大臣と呼ばれて居ますが代理なので……」


「……そうか。……ポタンの言う通りだ。焼いた後は小さな魔石が残る。……残った魔石に思念が宿ると魔物になる。ゴブリン等の小物だが、発生すると厄介だ。……本来我々の仕事はそれを阻止する事だ。……だが。只の死体処理だと平民や孤児が行う様になり。その様な事を気にする輩はとうの昔に居なくなったがな……」


「フフフ……。表しか見ない者が多いのは仕方が無い事です」


 そう言って笑うポタンにリュライは一番気になった事を聞く事にした。


「……死体処理は解ったが……。調査とは?」


「残った思念の除去です」


「ポタン……其方は何処まで知っているのだ……?」


「フフフ……。私はエルフなので貴方と同じ世界が見えているのです」


「……エルフ……そうか理解した。……中央の城の思念ごと処理すれば良いのだな……」


「えぇ。私はまだ。エクソシズムを使えないので……使えないと言うか……理解出来ないと言うか……」


「……理解か……。エクソシズムは感じる物だからな……。考えている内は理解は難しいかも知れぬな」


「感じる……ですか……」


 む~ん。と悩むポタンをリュライは好ましく思う。この話をすると変人と罵られる事が殆どだからだ。


「……気になるのであれば中央の現場に動向すると良い。見せてやろう」


「本当ですか!是非!」


「うむ……。では、遠征費用の話だが……」


「そんなの!いくらでも良いですよ!準備致しますとも!……フフフ……本物の除霊の儀式とか……お金に換えられない程貴重な経験です……フフフ」


「そ、そうか……」


 事の始まりは、元気達が中央で劇を行っている間にポタンが街の地下へと潜り。ゲートを開設していた時だった。


 潜るとはそのままの意味で城の城壁の横に魔法で穴を掘り潜った。

 そして……偶然見つけた……『カタコンベ』集合地下墓地の遺跡だ。


 流石にゲート設置用の穴は掘り直し他の所に作ったが、ずっとポタンは気になっていたのだった。


 ポタンはそこに三日三晩潜りたかったが、幽霊には魔法も打撃も効かない。呪いの類いはポタン一人では対処しきれない。それについて来られても困る。そこで、思い出したのがリュライの存在だった。


「面白い奴がいたんだ!頭がいい奴なのに、お化けを倒せるって奴でな!リュライって言う奴なんだが……」


 とダルドリーが夕食の時に話していた話だ。


 お化けを倒せる唯一の能力。『エクソシズム』想いに縛られる人間が独自に創り出した能力だ。


 中央から、戻るや否やポタンはニコラウスを魔国へ送り届け。リュライの元へ直接交渉に向かった。


 救命団の団長。リュライの名前は書類上で把握していた。


 救命団は現在。雑務部隊としての扱いで孤児や戦いを好まない女性達の職場で安月給。常に金欠だ。


 最終的には、大金貨数枚を差し出してでも同行しようと思っていたが、まさかのリュライからのお誘いだ。ポタンは喜び勇んで同行を決めたのだった。


「……今回の調査の結果次第では……。救命団全体の賃上げの検討も致します……どうかよしなに……へっへっへ……」


「……う、うむ。よろしく頼む……」


 怪しく笑うポタンに、誘うべきでは無かったかも知れない。と思うリュライだった。

救命団。その内書かないとと思っていたお話ですw


ポタンのピクニックは2~3で終わりかな?何故。中央の王は狂うのか?



少しワロタ! もっと読みたい! 心がピクリと反応した! と思われた方は、ブクマ:評価:いいね等々。よろしくお願い致します。


下の ☆☆☆☆☆ ⇒ ★★★★★ で評価できます。最小★1から最大★5です。


『★★★★★』で……元気も喜び頑張りますw



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