城の様子~ニコラウス~
女王の変化の様子。
彼女は、夜に出掛けて朝に戻ってくるんだ。
いつも血まみれで……城に戻るとお腹が空くまで眠る。勿論。討伐隊が組まれたけど、全滅。皆食べられちゃった。
言葉の意味そのまま……食べるんだ人間を、美味しそうにボリボリと食べる。そして城の者達に命じるんだ。
美しい者を捕まえて来れば、愛さないであげるって……城から逃げ出す人もいたけど……生け贄は平民でも良いと解った貴族は残った。
だから毎日街から女の人が攫われて来て、彼女に食べられた。
誰が攫うって……残った貴族達だよ?……彼等も楽しんでた……彼女が目の前で攫った女性達を貴族達に暴行させるんだ……本当に酷かった。
力の無い自分を怨んだよ。
もう、見たくは無かった……けどヒラリーの為だと思って我慢した。
そんな日が続く中で、彼女の様子がおかしくなって来たんだ。
身体が日に日に膨らみ始めて……お腹が空くと誰でも食べるようになった。
見た目はねぇ……。顔だけ人間のミノタウルス見たいな感じかな?日に日に喋らなくなって、自我があるのかさえ解らなくなった。
街も城も混乱はしたけど、お腹が空かなきゃ眠っていて部屋から出てこない。だから毎日。五人の生け贄が平民の中から選ばれて連れて来らるんだ。そして何も聞かされないまま部屋に入れられる。
それでも足りない日は、お腹がいっぱいになるまで城と街を歩き回って。人を見つけるとニヤリとして襲いかかるんだ。
そして、ある日……僕は彼女に姿を見られた。
だけど……大丈夫だった。
「か、彼女は起きたが……じら……?あ、あぞびまじょ?」
「ま、まだ。目覚めてない……」
「……そ……そう……じゃ、また……ね……。ま、まだ……。愛さないで……あげ……る」
ニヤリとしてそう言う彼女は、人間を引きずりながら部屋へと戻って行った。
また遊びましょう。って彼女が言ってたのを僕は思い出して、急いで逃げなきゃと思った。
そして、ヒラリーが目覚めると同時に城を抜けだしたんだ。
それからは城の状況は解らない。
船も漂流しちゃって……食糧も無くなって……気を失って……気がついたらここに居たんだ。
あの城に残る人間は……皆が狂ってる……ヒラリーが生きていて……本当に良かった。
ニコラウスが喋り終わると、執務室に沈黙が流れた。
多分ぼかさなかったら18越えるので表現薄いですw
次回で何故そうなったかが解る?と思いますw
ブクマ:評価:コメント等々よろしくお願いします(*^_^*)