表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/241

父と母

ダルドリーとリャナの家での顔

ダルドリーとリャナが城に行き、数日が過ぎた爽やかな朝。ミリャナはダンジョン探索を終了し、ミールと孤児院へ。ポタンとアイリスは学校へと向かった。


「はぁ~……。これだ……。美しい程に真っ白……。今度こそ……絶対にこの生活を守らなくては……」


元気はミリャナのパンツを太陽にかざして、透き通る白さを堪能していた。


「お前は……いつもそんな事をしているのか?」


「……あまり、褒められた趣味では無いわね……」


「うひゃ!?」


元気は、背後からいきなり聞こえて来た声に驚き。掲げたパンツを落としそうになった。


声の主は、ダルドリーとリャナだった。

ダルドリーは、半袖に長ズボン。リャナもミリャナの着る様なワンピースだ。


「ダ、ダルドリーさんに、リャナさん……ビックリした~。お帰りなさい」


元気は急いで、パンツを干す。


「あぁ。たただいま」


ダルドリーが元気の頭を撫でる。


「ただいま。ミリャ達は起きてるかしら?」


リャナが家の中を気にする。


「もう、出かけましたよ?皆、仕事です。あ、お茶準備しますね。家に入りましょう」


元気が洗濯かごを持って、家のドアを開けた。


「げ、元気が、客人にお茶を入れるのか?」


「あら、お料理があんなに美味いんだから、お茶くらいお手の物でしょ?」


「うむ。そうか……」


三人は、そう言いながら家の中に入った。


玄関前の席に、二人が座り。元気がお茶を準備すると、驚いた様にダルドリーがそれを見つめる。


「ずいぶん、慣れている様に見えるが……元気は、毎日何をしているのだ?」


「毎日ですか?主に炊事洗濯に掃除ですかね?最近はあんまり出来てなかったですけど……。はい、どうぞ!」


「あら、凄く良い香りね。戴くわ……。えっと……。いただきます。だったわね」


「あぁ。そうだった。いただきます……」


そう言うと二人が紅茶をすする。反応は予想通り喜んで貰えた。


「そうそう、元気。その敬語は辞めて貰って良いかしら?」


「そうだな。それと、お前の事はヴァイドとヴェルニカから色々と聞いた。俺達の事は父さん母さんと呼べ」


「えっと……。その、解りました……」


元気が少し戸惑う。


「フフフ……。徐々にでいいわ。いきなり現れた人にそんな事を言われたとしても、難しいのだから」


「ハハハ……。そうだな。徐々に慣れろ、信用も徐々にすれば良い」


「……うん。ありがとう。父さん……母さん……」


元気は恥ずかしさもあったが、早く慣れようと思った。


「それよりも、元気。何でお前が掃除炊事洗濯をしているのだ?そんなの、女の仕事だろ?ミリャにやらせれば……」


そこまで言って、ダルドリーがしまった!と言う顔をする。


「……ダルドリー?そんなの誰が決めたのかしら?」


リャナがおでこに筋を立てながら、ダルドリーをギロリと睨んだ。


「いや、違う違う……落ち着けリャナ……。その、そうだ!元気は、凄い魔力を持ってるってヴァイドが言ってたろ?だから、お金は元気の方が稼げるじゃ無いか?なぁ?元気?」


ダルドリーが汗だくで、元気へ助けを求める。それに気付いた元気が、助け船を出す。


「ミリャナの希望なんです。その……誰かが家にいると安心するみたいで……」


「……そうか……。すまん。考えも無しに……俺達のせいだな……」


「そうね……。あの子を急に独りしちゃったものね……」


「元気。本当にありがとう……。お前が来てからミリャナが元気になったとヴァイドから聞いた」


「えぇ。本当にありがとう」


ダルドリーとリャナが元気に頭を下げる。


「ちょっと、そういうのは辞めて下さい。俺も助けて貰ったんで、お互い様って言うか……。幸せって言うか、俺の方こそありがとうございます。って言うか……」


焦る元気を見て、二人が笑う。


「ハハハ……。ヴァイドが、からかうと面白いと言ったのは、本当だったなリャナ」


「フフフ……そうね」


「からかうって……。ハハハ……」


ミリャナと居る時とは違った空気だが、元気は安心する。二人の醸し出す空気が、春風の様に暖かく感じるのだ。


「そう言えば、今日はどうしたんですか?」


「あぁ、そうそう、今度。メルディのお遊戯会があるんだが、皆で見に行こうと言う話があってな……。それと……ちょっと後で個人的な話があるのだ」


「そうね。それと……私も後で個人的な話があるの……」


「そうですか……。ここでは……駄目なのですか?」


「駄目だ……」 「駄目ね……」


「そうですか……。じゃ、どうしましょうか?」


「先にリャナからいいぞ……」


「そう?じゃ、元気。付いて来て頂戴」


「?……はい」


リャナはそう言うとミリャナの部屋へと向かう。そしてそれに続く元気。


「それじゃ、お願いね」


「お願いって……何を……!?!」


いきなり、リャナがワンピースを脱ぎ捨てスッポンポンになった。


その姿は正に、ダイナミックボディー。色んな所がピシッと引き締まり。フェルミナに劣らない造形をしている……。しかし、フェルミナとは違って、セクシーな大人の色気が凄く、鋭く美しい顔つきにマッチしいて破壊力が抜群だ。


「か、母さん!何してんの!?」


元気が顔を覆う。


「何って、服を作って貰おうかと思って。メルディにも作ってあげているんでしょ?城で着る服が無いのよ……。ヴェルニカのは、胸のサイズと身長が合わないし……駄目かしら?」


たわわな胸をぽよんぽよんするリャナ。


「わ、解りましたから!ちょっと、これをつけて下さい!」


リャナに元気が水着を渡す。


「何かしらこれ?乳当て?ちょっと、つけて貰える?」


「え!?」


「え!?って、おばさんの裸なんか見たく無いのは解るけれど、流石にそこまで拒否されると私も傷つくわよ?」


「逆です逆!刺激が強すぎです!」


「あら?そう?……。え?あなた、まだミリャナとやってーー」


「ーー良いから!早う水着を着ろ!?解ってやってるでしょ!」


「あら?気づいたのね?フフフ……。本当に面白い子ね……」


「まったく……」


ミリャナの母親だが、ミールの母親でもある事を元気は失念していた。


その後、リャナが胸を当てて来たり。ワザと水着を外したりと、幸せなからかいを受けながら元気は、下着の上下、それからドレスとパンプス。それぞれを5着。それに、寝間着まで作らされた。


「ありがとう。元気。今回はこれで良いわ」


「今回はって……。……てっきり。母さんは厳格で厳しい人かと思ってましたよ……」


「そう?あの時は初対面なのだから、普通はそうでしょ?あなたも、初対面の人の前で、パンツをくんくんしたりしないでしょう?」


「な、なぜそれを!?」


「ポタンが図書室に来る途中に挨拶に来て、教えてくれたわ。見かけたら怒って欲しいって」


「ぽ、ポタンめ!あ、あれはですね!」


「良いのよ、人の性癖なんて、そんなの人それぞれなんだから……。でもミリャナに言われたく無かったら、またお願いね……」


「ぐっ……」


「お礼は……。ミリャナの秘密でどうかしら?お尻の右側にホクロがあるとか……」


「母さん。寒くなるし手袋とかいらない?」


「あぁ、そうね。気が利くわね元気。お願いするわ」


「喜んで!」


お母さんとは仲良くなれそうだ!と思う元気だった。


リャナが終わったら、ダルドリーだ。


「実はな元気……。新しい釣り竿が欲しくてな……。死んだ挙げ句に、家を追い出されて俺は、暇になっただろ?だから、父さん。毎日死んじゃいそうな位に暇なんだ……」


やはり、ミールの父親だった。


そして元気は思った。駄目な両親の元には、しっかり者の子供が出来ると……。


「父さん。これで良い?」


元気は気を使うのが、馬鹿らしくなり敬語を辞めた。


「うわ!凄いなこれ!何だこれ!クルクル回るぞ!竿が伸縮するし!」


リールをクルクル回しながら、喜ぶダルドリーの反応がミールそっくりで元気は、笑ってしまった。


「あ、後な……。外の林にあった、乗り物なんだが……あれは何だ?凄く格好良かったな?あれも元気の物か?」


ソワソワしながら聞いて来るダルドリー。


「バイクですね。使ってないので……いりますか?」


「え!いいのか!?しかし……。タダと言うワケにも……」


「……。じゃ、ミリャナの幼い頃の話とか聞かせて下さい……。ミリャナは恥ずかしがって、あんまり話してくれないんですよね……」


「何だ?そんな事でいいのか?ミリャの昔話か……」


ダルドリーが少し悩んでから、口を開く。


「ある日の夜中にだ。庭からバタバタと何者かが走り回る音がしてな。リャナと二人でこっそり覗きに行ったんだ。そしたら、おしっこを漏らしたミリャが、俺達にバレない様に、シーツを乾かそうと思ったんだろうな。シーツをはためかせながら庭を駆け回ってた事があった。あれは、リャナと二人で爆笑した」


「100点満点です。景品にバイクをどうぞ!」


ダルドリーとも仲良く出来そうだ。と思う元気だった。


元気的には遠慮されるよりも、遠慮無く言って貰えた方が助かるし、嬉しいのだ。


「いや、色々とありがとうな元気!」


バイクにまたがりお礼を言うダルドリー。後ろにはリャナが乗っている。リャナの乗る所には、シートをつけた。


見た目、暴走族のバイク見たいになったが、全体的に黒で少し格好いいと元気は思う。荷物は先に元気が転送した。


「また。遊びに来るわね。その内あなた達もお城に遊びに来なさい」


「解りました。運転気をつけて下さいね」


「うむ。じゃあな!元気!」


そう言うと、ダルドリー達はバイクを飛ばして、城へと戻っていた。


その日の夜。ダルドリー達が来た事。メルディのお遊戯会の事をミリャナに話し、ダルドリーの話が本当かどうか、ミリャナに聞いてみた。


「もう!絶対に私抜きで会っちゃ駄目だからね!」


顔を真っ赤にして怒るミリャナを見て、今度、お茶菓子を持って父さん母さんに会いに行こう。と思う。元気なのだった。

ダルドリーとリャナがどう言う人達なのかをちょっとだけ。


ブクマ:評価:コメント等々。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ