(4)
するとアウラがライオルド王子様に尋ねました。
「あんたまさかわざと貴族評会の名前を出したの??私達が貴族評会を開催するように??」
ライオルド王子様がアウラに言いました。
「ああバイドル公爵家跡取りやその婚約者となればノルタニス王国の第一王子といえど簡単にはお前達を処罰などできない。だから貴族評会の名を出してお前達に貴族評会を開くように誘導したという訳さ。ヒューベルもアウラも外道のくせに自分を善人だと思い込んでいるから、アンティに懲役刑を加えてくると十分予想できたよ」
ヒューベルが大声でライオルド王子様に怒鳴りつけました。
「ふざけんな!!!」
アウラも大声でライオルド王子に怒鳴りました。
「このアウラ様を嵌めるなんてなめた事をしてくれるじゃないの!!!このゲス王子が!!」
ライオルド王子様が二人に大声で言いました。
「ヒューベル!!アウラ!!!散々貴族学院でたくさんの学友を苦しめさらにこの卒業記念パティーでミリアの心を深く傷つけたお前達にだけはそんな事を言われたくない!!」
ライオルド王子様が指示を出しました。
「さあ貴族評会の決定を実行するとしよう。近衛騎士達に命じる!!ヒューベルとアウラを捕縛せよ!」
すると大ホールの扉が開いて近衛騎士の人達が続々と大ホールの中入ってきました。
そして近衛騎士達がヒューベルとアウラを取り囲んだ。
ヒューベルとアウラの二人が近衛騎士の人達に取り押さえられて、二人は手錠をかけられました。
手錠をかけられたヒューベルがライオルド王子様に言いました。
「待ってくれ!!!国外追放だけは勘弁してくれ!!!」
手錠を掛けられたアウラもライオルド王子様に言います。
「お願いよ!!国外追放だけはしないでよ!!!」
するとライオルド王子様がヒューベルとアウラに言いました。
「大丈夫だヒューベルにアウラ!!まずは懲役30年からだ。狭くて薄暗い王城の地下牢で30年服役してもらう!!!国外追放はその後だ!!!」
ヒューベルとアウラが泣き叫んで言いました。
「うあー!!地下牢なんてもっと嫌だ!!!!助けてくれ!!!」
「うあーん!!地下牢なんて私も嫌よ!!誰か助けなさいよ!!!」
ライオルド王子様が指示を出しました。
「ではヒューベルとアウラを地下牢に連れていけ!!!」
「はっ!!」
ヒューベルとアウラが地下牢に連行されていきました。
「うあーん!!!暗い地下牢なんて嫌だよ!!!」
「あーん!!!お願いよ!!!誰か助けてよ!!!」
ヒューベルとアウラは大声で泣き叫びながら近衛騎士に引きずられていった。
そして会場の中は静まり返りました。
「私助かったの??」
安堵の息が出てきてどっと疲れが出てきました。
すると後ろから声が聞こえてきました。
「ミリア先ほどはすまなかった」
私が振り返るとライオルド王子様が立っていました。
そしてすぐに深々と頭を下げるのでした。
私はライオルド王子様に言いました。
「ライオルド王子様なぜ謝られるんですか??私はライオルド王子様に助けて頂いたんですよ」
ライオルド王子様が申し訳なさそうに私に言いました。
「いやミリアを不安にさせてしまった。それだけで申し訳なくて」
私はライオルド王子様に言いました。
「お気になさらないでください。私はライオルド王子様に助けて頂いて感謝しております。本当にありがとうございました」
ライオルド王子様が笑顔で私に言いました。
「そう言ってもらえると助かる。私こそありがとう」
そういえば??
私は気になっていた事をライオルド王子様に尋ねました。
「そういえばさっきライオルド王子様が愛した方って言われてましたよね??それってもしかして??」
ライオルド王子様は大変恥ずかしそうな顔をされていました。
「ああ、そうだった。つい口走ってしまっていた」
しばらくの間ライオルド王子様は恥ずかしそうに色々と考えていました。
そしてよし!!と王子様自身の顔の頬を軽く叩かれていました。
そして私に言われました。
「ああミリア、君の事だ。私は貴族学院での学院生活を通じて君の事が好きになっていった。でも私は果たしてミリアにとってふさわしい男なのかどうか自信がなくて君に告白できずにいた。そんな事をしているうちにミリアとヒューベルの婚約が決まってしまった。私はミリアに迷惑を掛けたくはなかったから、この気持ちを封印しようと決めていたんだ。だがヒューベルの奴が婚約破棄をして君を泣かせるような事をしたら、どうにも我慢ができなくなってしまった。しゃしゃりでてしまい申し訳ない」
私は少し恥ずかしい気持ちを抑えながらライオルド王子様に言いました。
「いえ、すごく救われた気がします。でもすみません。少しだけ時間を頂けませんか?まだ突然婚約破棄をされてしまって、色々と気持ちの整理をつけたいので」
真っ赤な顔のライオルド王子様が私に言いました。
「当然だね、もちろん断ってくれても構わない。ミリア君に迷惑を掛けたくはない。この気持ちも本当は封印しておくつもりだったからね」
それから私はその場を後にしました。
それから半年の月日が流れました。
私は結婚式場として有名なタリア大聖堂の中にいました。
この日私とある人との結婚式が執り行われる予定になっていました。
私が控室で白いウェディングドレスを着てヴェールを被り終わるとあの人が控室にやってきました。
頬を赤くしながらライオルドが言いました。
「ミリア!!似合ってるよ!!とっても綺麗だ」
私はタキシード姿のライオルドに言いました。
「ライオルドもとっても凛々しいですよ」
「まさかミリア??君とこうして結婚できるとはあの時は思っていなかったよ。君が私の告白を受け入れてくれるとは思わなかったからね」
「あの時私の心を救ってくれたのは、ライオルドあなたなんです。あの時私はこう思ったんです。ライオルドあなたと一緒にこれからの人生を歩んでいきたいって。ヒューベルへの気持ちに整理をつけられたのもあなたが助けてくれたからです。そして今もライオルドと一緒に歩んでいきたいという気持ちはドンドン大きくなっています」
「私もだ。他の誰でもないミリアと一緒にこれからの人生を歩んでいきたい」
するとライオルドが私の唇に唇を近づけてきました。
私もそれに応えるように静かに目を瞑って待ちました。
ライオルドの柔らかい唇と私の唇が強く交わりました。
私はライオルドと熱い口づけを交わしました。
ライオルドが美しい青い瞳で私を見つめます。
そして優しく私に言ってくれました。
「ミリア、君が愛しい」
「私もですライオルド」
すると控室がノックされました。
「ミリア様、ライオルド様、お時間となりました。大聖堂への移動をお願いします」
「はい分かりました。ありがとうございます」
「それじゃあ行こうかミリア??」
「ええ」
結婚式が行われている大聖堂へと移動を始めました。
「ミリア、私は今とても幸せだ」
「はい、私もとても幸せですよ」
END