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01

ここはヤルスタール王国の王都フェルバの中にある貴族学院の大ホールの中です。


私は貴族学院での学校生活が終わり卒業式も終えて、卒業記念パーティーに出席していました。


その卒業記念パーティーの会場で私は婚約者であるヒューベル様から突然こう宣言されました。


「ミリアお前との婚約を破棄する!!」


私はすぐにヒューベル様に聞き返しました。


「ヒューベル様??今なんと仰ったのですか??」


ヒューベル様が私に言います。


「何度も言わすな!!ミリア!!お前との婚約を破棄すると言ったんだ!!!」


私は突然の事で訳が分かりませんでした。


私はリンデルス伯爵家の令嬢ミリアです。18になります。


四大公爵家の一つであるバイドル公爵家の次期跡取りであるヒューベル様と私との婚約が決まっていました。


貴族学院卒業後に嫁ぐ予定となっていましたので、すでに嫁ぐ準備を色々と始めていました。


ですが貴族学院の卒業記念パーティーの最中に唐突にヒューベル様から婚約破棄を突き付けられたのです。


私はヒューベル様に尋ねました。


「婚約破棄??なぜですか!!!」


ヒューベル様が私に言います。


「そんなもんテメエの心に聞いてみろ」


えっ?えっ??今までの事を色々と思い出していったが、心当たりは全くありませんでした。


私の気づかない所でヒューベル様を怒らせる事をしていたのでしょうか??


私は再度ヒューベル様に尋ねました。


「すみません、ヒューベル様いろいろと振り返ってみたんですが、全く心当たりがありません。私のどの点が至らなくてヒューベル様を怒らせてしまったのか教えて頂けませんか??」


ヒューベル様が怒った様子で私に言いました。


「はん!!本当に勝手な女だな!!!俺が怒った理由も分からないのか。なら教えてやる!!いいか俺は昨日親父に呼び出されてある事を言われたんだ!!!」


私がヒューベル様に尋ねました。


「バイドル公爵様に何と言われたのですか??」


ヒューベル様が私に言いました。


「親父は俺にこう言った。「お前は人としての器が小さすぎる!!これではバイドル公爵家を任せる事などとてもできん。嫁いでもらうミリア殿にも申し訳が立たん。お前が人として大きな器を身につけるまで爵位を譲るのを無期限で延期する」とな!!!」


それでなぜ私が責められる事になるんでしょうか?


私はヒューベル様の次の言葉を待ちました。


「いいか!!このヒューベル様は人としても男としてもとても優れている。だから親父がそんな馬鹿げた事を言うはずがないんだ。という事はどういう事か??どうせミリア!!テメエが親父に俺の悪口を吹き込んでたんだろう!!!そうに決まってる!!!」


バイドル公爵様にヒューベル様の悪口を吹き込んだ??


私はそんな事を決してしていません。


そんなヒューベル様が困るような事は決してしません。


私はヒューベル様に言いました。


「違います。誓って私はバイドル公爵様にヒューベル様の悪口など言っていません」


ヒューベル様が私を怒鳴りつけます。


「嘘をつけ!!!お前が悪口を吹き込んだから親父が変になっちまったんだ!!!そうでなければ人として優れている人徳者の俺が親父に見限られるはずがないからな!!!」


私は涙目で必死にヒューベル様に言います。


「本当です。私はそんな事はしていません。信じてください!!ヒューベル様!!!」


ヒューベル様が私に怒鳴りつけます。


「うるせえ!!テメエがやったに決まってる!!!いい加減に認めたらどうなんだ??」


そんな事を言われても実際にやっていないのです。本当なんです。


私はそう言い続けましたがヒューベル様が怒鳴りつけました。


「嘘を吹き込んで親父を騙して俺を陥れるとはなんて性格の悪い女なんだ。このゴミ女め!!」


そしてテーブルに置かれていたカップの水を私にかけてきたのでした。


すると後ろから女子の声が響いてきました。


後ろを振り返ると赤髪のロングヘアーの紫のドレスを着た女子が立っていました。


「いいざまねえ元婚約者のミリア」


するとヒューベル様がその女子を見て嬉しそうに言いました。


「おお!!来たかアウラ!!!」


彼女はマフエル子爵家の令嬢であり貴族学院の同期の卒業生のアウラ・マフエルです。


同じクラスになった事は一度もありませんでしたが。


「あんたみたいなゴミ女はヒューベル様の隣にいる資格はないわ」


「お前との婚約を破棄して、アウラと婚約する!!分かったなゴミ女!!!」


「そうよこのアウラがヒューベル様の妻となるのよ!!」


私は目に涙を浮かべ二人に言いました。


「本当に言ってないんです。信じてください!!」


するとアウラがヒューベル様に言いました。


「ヒューベル様??騙されてはダメですよ、このゴミ女は泣いてごまかそうとしています」


「分かってる、この女が心が腐りきっているゴミ女だという事はな!!泣いてごまかせると思うなよ!!ゴミ女!!!」


「そうよ泣いたって騙されないわよ!!!この心の腐ったゴミ女が!!!」


私はただ悲しくて泣いていました。


どうしてですかヒューベル様??なんで信じてくれないんですか??


私は言葉を返す事もできなくなりただ泣いていました。


すると私を無視して勝手に二人で話を進め始めました。


「やはり俺の妻にはアウラがふさわしいな」


「はい、ヒューベル様の妻になれて私も嬉しいです」


「そうだ!!このこのヒューベル様を裏切ったゴミ女に何か処罰を与えないとな」


「それいいですね!!キツイ処罰を与えてやりましょう」


「どんな処罰がいいかな??」


「国外追放とかどうですか??」


「国外追放もいいな、だがやっぱり懲役だろう。このゴミ女を地下牢に放り込んでやらないとな」


「ああ、地下牢に放り込むのもいいですね。だったらこの女に懲役30年を課した上で国外追放したらどうですか??」


「なんてすばらしい考えなんだ!!このダメ女が地下牢に放り込まれ更にヤルスタール王国から追放されるなんて最高じゃないか。お前は本当にいい女だな」


「ありがとうございます」



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