8:おまけ話
ここで、受賞作品に関するおまけ話をしておきます。
ちょっと悲しい気持ちになるお話なので、心の準備をお願いします。
今回の「第1回アイリス異世界ファンタジー大賞(アイリスIF大賞)」は、以前開催されていた「アイリスNEOファンタジー大賞」という企画のリニューアル版です。
そこで受賞して、書籍化している作品もいっぱいありますよね。
今回のアイリスIF大賞でも、どんな作品が受賞するのか楽しみです。
さて、第何回かは伏せますが、以前あった「アイリスNEOファンタジー大賞」ではどんな作品が受賞するのかなと思って、ちょっとだけ調べてみたことがあるんです。
まずは、総合ポイントの話から。
(結果発表が出た時点でのポイント数になります)
金賞と銀賞をとっていた作品の総合ポイントの平均点は『19183.75』。
一次選考を通過していた作品の総合ポイントの平均点は『12930.82』。
どうやら10000ptを超えていないと話にならないらしい。
世知辛い。
ちなみに、受賞した作品のポイントをよく見てみると、最高が『44964』、最低は『9211』でした。
一次選考を通過した作品では、最高が『30156』、最低が『1382』。
うーん、よく分かりませんが、もしかしたらポイントで足切りしているのかも?
最低でも1000ptはないと駄目みたいです。
一次選考を通過した作品と受賞した作品を合わせて、連載中と完結作品がどれくらいの割合で存在していたかも計算してみました。
完結作品が57.1%、連載中の作品が42.9%。
少しだけ、完結作品の方が有利なのかも。
でも、そんなに変わらないみたいです。
そして、ここからが本当に辛いところ……。
お話の面白さの指標となる評価ポイント(10点満点)の平均を計算してみました。
受賞した作品の平均は『9.23』。
一次通過した作品の平均は『8.96』。
ちなみに、受賞作品の最高は『9.5』、最低は『8.7』。
一次通過した作品の最高は『9.5』、最低は『7.9』。
今とはポイントの入れ方が違うので、ちょっと分かりにくいかもしれませんが。
『8.5』を超えていればそこそこ面白い、『9.0』を超えているとかなり面白いお話という感じのイメージです。
この数字を見ながら気付いたのは――総合ポイント500ptで評価ポイント平均『9.5』の作品よりも、総合ポイント9000ptで評価ポイント平均が『7.9』の作品の方が受賞する可能性が高いってことです。
もちろん、500ptだと評価する人数がそもそも少ないのではっきりとは比べられませんけど。
ただ念のため、実際に一次選考を通過していた『8.5』を下回る作品にも目を通してみることに。
で、読んでみた結果、そういった作品は確かに面白いとは思えませんでした。
読みやすいけど、内容に問題があるという感じ。
つまり。
一次選考を通過、そして受賞するには、『内容よりもポイントが大事』! ということです。
ポイントが高い作品はとにかく有利なので、受賞を目指すならポイント10000ptを超えているものを出すと良さそうです。
1000ptを超えていない作品で受賞を目指したいなら、アイリスIF大賞はやめておいた方が無難。
公募とかの方がおすすめです。
今回片っ端から読んでみて分かりましたが、1000pt未満でも素敵な作品はいっぱいあります。それは自信を持っていいと思います!
というわけで。
ランキング作品が自分の好みに合わないと感じている読者は、受賞作品も好みに合わない可能性が高いです。
たぶん今回は、ポイントが入りやすい「婚約破棄」や「ざまあ」の作品が多く受賞すると思うんですよね。
私はそういうのが苦手なので、そんな未来を想像するとものすごく悲しくなります。
ポイントが高いだけで選ばないでほしい。
ポイント関係なく内容をきちんと読んで、オリジナリティのある、完成度の高いものを選んでほしい。
流行ワードやありふれた設定が苦手な人もいるんだから、ちゃんと配慮してほしい。
なろうの流行に左右されていない、心ときめく恋物語がたくさん受賞してくれることを願います。
――まあ、無理でしょうけどね。
次は、全体のまとめです。