6:魅力的なキャラクター
魅力的なキャラクターというのは、人によって違うと思います。
なので、私が「好き」「魅力的」と思うキャラも、他の人から見るとそうでもないかもしれないです。
まあ100%の人に好かれるキャラなんて存在しないと思うし、そこは割り切るとして。
とりあえず、私が特に魅力的に感じるキャラの特徴をまとめておきますね。
・『長所と短所がある』
魅力的なキャラには長所と短所の両方があります。
長所ばかりで固めた完璧キャラは、とにかくつまらない!
例えば、背が高い女性キャラがいたとします。
その女性キャラが「背が高いのが嫌」と言いながらも、イケメンに「俺は背が高い子が好みなんだ」と言われてチヤホヤされていたら?
こうなると「背が高い」ことは短所のように見えるけれど、実は長所になってしまっています。
つまり、長所ばかりの完璧キャラになっているということ。
背が高いことで男性から嫌味なことを言われたり、恋愛対象として見てもらえなかったりして、とにかく辛くて泣いてしまう――そういうシーンがあってはじめて、「背が高い」ということが立派な短所と認識されるようになるのです。
そういう短所は「共感」を生みます。魅力的なキャラには必須の要素です。
キャラがその短所について深刻に悩めば悩むほど、そのキャラは人間らしくなります。
もちろん短所ばかりでなく、「憧れ」を持てるような長所も必要!
長所と短所の両方がしっかりあると、そのキャラを魅力的に感じられるようになります。
・『応援したくなる』
とにかく一生懸命頑張っているキャラは、応援したくなります。
恋でもお仕事でも何でもいいんですが、努力しているキャラはやっぱり魅力的に見えます。
例えば、お仕事もので、主人公がお菓子屋さんを始めたとします。
主人公が次から次へと新しいお菓子を考案して、それが全部大ヒット!
お客さまがどんどん増えて、みんなニコニコ。お菓子作りは大変だけど毎日頑張ってます……みたいなのは、あまり努力しているように見えません。
お菓子屋さんを始めたのはいいけれど、なかなかお客さまが来てくれない。
いっぱい宣伝して、少しずつお菓子が売れるようになった。でも、自信のあった新作のお菓子はあまり評判が良くない。ひどいときには一口食べた後に捨てられてしまう。
悔しさをバネに何回も試行錯誤を繰り返した結果、ようやく「おいしい」とみんなに認められるようになりました……というのは、本当に努力していると感じます。
要するに、苦労していないキャラは見ていてもつまらないのです。
たとえ辛く苦しい思いをしていたとしても、イケメンに救い出してもらうだけで満足しているような「悲劇のヒロイン」もつまらない。
自分の力で未来を切り開こうとしているキャラこそ応援したくなるのです。
――とりあえず、私が考える魅力的なキャラの特徴はそれくらいです。
ただ、この特徴を持つキャラはたぶん「なろう」の中では人気がないんですよね。
高ポイント作品には完璧キャラがいっぱい登場してました。
でも、私は長所と短所があるキャラが好きだし、応援したくなるキャラが好きなのです!
だから、そういうキャラを生み出してくださる作者さまを尊敬しています!
これからも頑張ってください!
ここでちょっと脱線して、少しだけ男性向け作品についてのお話をしておきますね。
評価基準の『キャラは魅力的か』という部分の平均点を、改めて見てみましょう。
2.『キャラは魅力的か』(5点満点)
0~99ptの平均は『1.6』点(女性向けは『2.3』点)
100~999ptの平均は『3.0』点(女性向けは『3.4』点)
1000~2999ptの平均は『3.7』点
3000pt~の平均は『3.2』点(女性向けは『3.3』点)
注目してほしいのは、全体の平均と女性向けの平均の差です。
女性向けに絞っている方が、キャラの魅力を強く感じているということが分かりますよね。
これは男性向けの作品でよく見かけるキャラに、全く魅力を感じないことが原因です。
例えば、水着姿の美少女キャラに懐かれている青年。
やたら露出度の高い格好をしたお姉さん。
美少女ハーレムの中でチヤホヤされている少年。
男性向けでは確かに魅力的かもしれないんですけど、女性向けとしてはちょっと……。
さらに、女性の身体(胸とかお尻とか)に注目している描写が多いと厳しいです。
なんというか、「女性キャラを大切にしていない」感じがするんですよね。
女性キャラを雑に扱っている作品は、なんだか辛くて途中で読めなくなることもあります。
逆に言えば、「女性キャラが大切にされている作品は、男性向けの作品であっても楽しく読める」ということです。
一途に1人の女の子だけを想い続けているお話とかは、女性でも読みやすいことが多いですね。
まあ、ハーレムでも「女性であれば容姿も年齢も関係なくみんな大好き!」くらいのレベルになると、不思議と許せてしまうんですけど。
というのも、昔、男性向け恋愛ゲームで「不細工だろうが、熟女だろうが、全員口説いてやるぜ!」という勢いの男主人公がいたんですよ……。どうやら彼にはその世界にいる全ての女性が魅力的に見えているようでした。
全ての女性を大切にする。彼は真の漢だと思いました。そのゲーム、すごく面白かったです。
と、その話はどうでもいいとして。
アイリスIF大賞の応募作品の中にあった男性向けの作品。
女性キャラが大切にされていると感じたお話は、最後まで読みました。
女性向けにはない発想のお話が多かったので、けっこう新鮮で楽しかったです。
次は、私の好みに合うお気に入り作品が一体どこから発掘されたのかについて、書いていきますね。