表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/11

4:高ポイント作品の特徴

 ここで言う高ポイント作品とは、おもに3000pt以上の作品のことです。

 高ポイント作品の優れているところと残念なところ、両方についてまとめていきます。



 さて、ここで見ていただきたいのが、評価基準ごとの平均です。

 1.『読みやすいか』

 2.『キャラは魅力的か』

 3.『起承転結があるか(クライマックスで一番盛り上がっているか)』

 4.『読後に満足感があるか』

 これによって、高ポイント作品の特徴が分かります。



 1.『読みやすいか』(5点満点)


 0~99ptの平均は『1.4』点(女性向けは『2.0』点)

 100~999ptの平均は『2.4』点(女性向けは『2.6』点)

 1000~2999ptの平均は『2.9』点

 3000pt~の平均は『2.9』点(女性向けは『3.0』点)



 2.『キャラは魅力的か』(5点満点)


 0~99ptの平均は『1.6』点(女性向けは『2.3』点)

 100~999ptの平均は『3.0』点(女性向けは『3.4』点)

 1000~2999ptの平均は『3.7』点

 3000pt~の平均は『3.2』点(女性向けは『3.3』点)



 3.『起承転結があるか(クライマックスで一番盛り上がっているか)』(5点満点)


 0~99ptの平均は『1.0』点(女性向けは『2.3』点)

 100~999ptの平均は『2.4』点(女性向けは『2.9』点)

 1000~2999ptの平均は『2.8』点

 3000pt~の平均は『2.2』点(女性向けは『2.3』点)



 4.『読後に満足感があるか』(5点満点)


 0~99ptの平均は『0.9』点(女性向けは『2.1』点)

 100~999ptの平均は『2.4』点(女性向けは『2.9』点)

 1000~2999ptの平均は『2.7』点

 3000pt~の平均は『2.3』点(女性向けは『2.5』点)



 高ポイント作品は『読みやすいか』『キャラは魅力的か』という部分が特に優れているようです。

 この2つは、序盤で判断できる部分ですね。


 読みやすいというのはつまり、お話の世界に入り込みやすいということ。

 そこに魅力的なキャラクターがいれば、効果倍増!

 読者としては、そのお話から目が離せなくなっちゃうというわけです。


 つまり、序盤を大事にしている作品が高ポイントになりやすいみたいですね。

 これは予想の範囲内。まあそうだろうなと思ってました。



 逆に、高ポイント作品は『起承転結があるか(クライマックスで一番盛り上がっているか)』『読後に満足感があるか』という点では、かなり弱い傾向があるみたいです。


 なんでこんなことになるかというと、たぶんこれは「ネット小説だから」なのだと思います。

 主人公をピンチに陥らせると、ブックマークがはがれるんですよ。

 だから、無理にクライマックスで盛り上げない方がポイント的には有利になります。


 でも、これって完結作品を好んで読む人にとってはちょっと困った事態ですよね。

 クライマックスが今ひとつ盛り上がっていないせいで、読み終わった時に「すっきりしない……」とモヤモヤが残ってしまうのです。



 この『起承転結があるか(クライマックスで一番盛り上がっているか)』『読後に満足感があるか』という点だけを見れば、100~999ptの作品の方が高ポイントの作品よりも優れているみたいです。

 ポイントよりもお話の完成度にこだわっている作品が多いのでしょうね。

 そのおかげなのか、クライマックスの盛り上げ方が上手い作品はこの100~999ptのあたりに集中してました。



 さらに、恋愛ものに欠かせない心のときめき――『きゅんきゅん度』についても見ておきましょう。

 この『きゅんきゅん度』は私の心がどの程度きゅんきゅんさせられたかを数値化してみたものになります。

 女性向けではない作品ではきゅんきゅんしないので、それは除外して計算しています。

 『きゅんきゅん度』が50%以上の作品は「ちゃんとした恋愛もの」として楽しめるというイメージです。


 それでは、総合ポイント別の『きゅんきゅん度』の平均を出してみますね。



 0~99ptは『24.0%』

 100~999ptは『45.3%』

 1000~2999ptは『37.5%』

 3000pt~は『34.2%』



 アイリスIF大賞は「恋愛要素が入ったファンタジー作品」を募集しているので、恋愛要素が少ないものもあると覚悟はしていましたが、いくらなんでもこれは少なすぎます。

 しかも、高ポイント作品の『きゅんきゅん度』がかなり低い!


 えっ、なんで? どういうこと?

 動揺した私は、『きゅんきゅん度』が50%以上の作品に遭遇する確率も総合ポイント別に計算してみました。



 0~99ptは『30.0%』

 100~999ptは『56.7%』

 1000~2999ptは『41.7%』

 3000pt~は『31.6%』



 つまり、ちゃんとした恋愛ものが読みたいなら、高ポイント作品ではない方がいいということですね。

 100~999ptでは2つに1つはちゃんとした恋愛ものに当たるのに、3000pt~だと3つに1つあるくらい。

 異世界恋愛ジャンルのランキングを見てもきゅんきゅんしない作品が多いと感じたのは、決して気のせいなどではなかったのです。



 この他に、高ポイント作品の特徴として感じたことをあげておくと。


 知名度の高い作者さまの作品は、どんな内容のものでも高ポイントになりやすいようでした。

 それに、「なろうで人気の設定」を使った作品も強い。

 今回私は流行ワードの「悪役令嬢」「婚約破棄」「乙女ゲーム」「ざまあ(ざまぁ)」を除外しましたが、「チート主人公」「不遇ヒロイン」「溺愛」などの人気要素があるのはやっぱり強かったですね。




 というわけで。 

 ポイントが欲しいなら、まずは読みやすい作品にすればいいということです!

 キャラが魅力的であれば、さらに効果倍増!


 それから「流行ワード」や「人気テンプレ設定」を使うこと。

 心ときめくきゅんきゅんな恋愛が主体のお話は不利になるので要注意。

 あくまでも「恋愛はおまけ程度」にしか入れてはいけません。


 あとは、知名度を上げたら何とかなります。たぶん。




 高ポイントの作品の多くが私の好みに合わなかったのは、完成度の低さと『きゅんきゅん度』の低さが原因だったみたいです。


 だからこそ、ここで言っておきます。

 100pt以上の作品は、誰かの好みにちゃんと刺さっている可能性が高いということ!

 人によっては、10000ptの作品よりも100ptの作品の方が好きということもあるんです!

 ポイントが全てじゃない!




 とはいえ、100pt未満の作品はなかなか厳しいというのも事実です。

 そういう作品は、まず『読みやすいか』という部分からなんとかしないといけません。

 じゃあ、どうすれば読みやすくなるのか。


 というわけで。

 次は、読みやすい作品にするために注意した方がいいなと感じたことについて書いていきますね。 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

アイリスIF大賞の結果について分析・考察したエッセイ。
『アイリスIF大賞の結果を分析・考察してみた!』
― 新着の感想 ―
[良い点] 忖度なく、言いにくいことをばしっと書いてくださって気持ちいいです。 わたしも恋愛ものならきゅんきゅんするか否かをもっとも重視したいです。また、結末に向けて大きな盛り上がりはほしいです!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ