1:きっかけ
私は女性向けの恋愛ものが大好きです。
可愛くて、キラキラしていて、時にはピンチに陥ってドキドキハラハラする恋物語――最高ですよね。
そんな恋物語を探し求めて、女性向けの恋愛ものが多く集まっているという異世界恋愛ジャンルのランキングを覗いてみると。
「婚約破棄された悪役令嬢だけど……!」
「わがままな妹の身代わりで嫁いだけど……!」
「君を愛することはないと言われていたけど……!」
ありふれた設定。どこかで見たような展開。
しかも、ほとんどの作品に「ざまあ」がついている?
私は「ざまあ」が苦手だから、そういうの読めないのに!
その上、恋愛要素が少なすぎて、あまりきゅんきゅんしない作品が多い気がする。
まあ、ありふれた設定、どこかで見たような展開のお話って確かに面白いのです。
面白いから、私も読み専時代はそういうのをよく読んでました。
でも、読みすぎて「悪役令嬢」も「婚約破棄」も「乙女ゲーム」も飽きてしまったのです。
もうどの作品も、似たり寄ったりな感じに見えます。
そして気付いたら「悪役令嬢」「婚約破棄」「乙女ゲーム」「ざまあ」という言葉が入っているだけでも避けるようになってしまいました。
既視感のあるタイトル、あらすじ、冒頭はそれだけでうんざりするので、その先を読む気になれないのです。
でも、ランキングにはそういう話が多すぎて、読みたいものが見つからない。
そこで、私は気付いてしまったのです。
え、もしかして、ランキングに入ってる作品や高ポイントの作品って、もう私の好みに合わないものばかり?
これは大変! なんとかして自分好みの作品を発掘しないと!
――というわけで、ひとまず「第1回アイリス異世界ファンタジー大賞(アイリスIF大賞)」の応募作品を読んでみることにしました。
この「第1回アイリス異世界ファンタジー大賞(アイリスIF大賞)」というのは、女性向けの「恋愛」「ファンタジー」をメインテーマにした作品を募集している企画のことです。
開催期間は2022年3月10日から6月9日までの3ヶ月間。
株式会社一迅社様とのタイアップ企画で、受賞作品は書籍化するみたいです。
アイリスIF大賞なら「恋愛」「ファンタジー」がメインテーマと決まっているし、女性向けの恋愛ものがいっぱい集まっているはずですよね。
埋もれてしまっている隠れた名作も多く参加していると思われます。
これは期待ができます。ワクワクしてきます。
たくさん自分好みのお話を発掘できる気がします!
こうして、私はアイリスIF大賞の応募作品の中から、自分好みのお話を探してみることにしたのでした。
このエッセイは、アイリスIF大賞の応募作品を読んで、気付いたことをまとめたものになります。
とりあえず100作品に目を通して、独自の評価基準に基づいた評価点をつけ、そのデータをもとにいろいろ考えました。
この評価点はお星さまとは別物で、合計20点満点になってます。
自分好みの作品を探すという目的のため、点数は思いきり主観的につけました。
だから、男性向けの作品よりも女性向けの作品の方が高評価になってます。
さらに言えば、恋愛要素が少ないものよりも多いものの方が高評価。
女性向けの恋愛ものが好きなので、どうしてもこうなってしまうのです。
なので、私がつけた点数が低くても、他の人が見たら面白いという作品はいっぱいあります。
そのあたり、ご了承いただけると幸いです。
次は、アイリスIF大賞の応募作品の中からどうやって100作品を選んだのか、というお話をしていきますね。