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異世界で、平和を願う。  作者: ちょこぼーらー
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59 武具店発見

『へえ?可愛いコ?』


『『はい!』』


『へー!開店前に来るなんて、急ぎの用事でもあったんじゃないのか?また来るって言ってたか?』


 新人のパマットとテオはそれぞれ12才と11才。

 そんなお年頃の二人が即答する可愛いコが見れるかもと思ったカイだったが、その前に店長の声が飛んできた。


『おら、お前ら。開店するぞ』


『『『はい!』』』


 大店の店長らしくビシッと決めた紳士の口から出る柄の悪い口調に、カイはここ数日特に指導されていた言葉遣いを、この店長こそが指導された方がいいのではないかと思うのだが、この店長はカイと違って外と中での使い分けが完璧なのだ。


『開店しまーす』






 昼になり、いつまでもこうしていても仕方がないかと、小腹が空いてきたのを機に立ち上がった華は、再び背負子を担いで町中探検を再開することにした。


 午前中、華が見て回っていた時間帯は、市の出店は食料品がほとんどだったのだが、午後になって衣類や雑貨等も増えてきた。

 町を出る前に市で買い物して帰るのもいいかもしれない等と思ったが、その日の内に、出来れば明るい内に藤棚さんまで帰り着きたい華は、また暗い内に出発する予定なので、そんな時間にはきっと市はやっていないだろう。


(やっぱりもう一泊かな!)


 気になるお店はたくさんあったが、武器を購入するのにいくらかかるかわからない。結局華は何も買わずに市のある広場を出て町中探検に出るのだった。



 朝は東西のメインストリートを踏破したので、今度は南北のメインストリートかなと歩き出す。どうも町の北側は小洒落た感じの住宅が並んでいる一方で、南側は小さな工房やお店が多いようだった。


 メインストリートに並ぶ店舗を覗きつつ今朝来た道を歩いて行くと、南北メインストリートと交差する十字路に差し掛かった。

 ここの角地にローレンス商会の大きなお店があったと今朝は思ったのに、ちょっと違うということに華は気付いて愕然とした。


 正確には、十字路の北側両方の角地にローレンス商会の大きなお店があるのだ。

 外からぱっと見ただけでも衣料品や雑貨のみならず、宝飾品、なんと材木等も扱っているようだ。


(うん。ファーナさんたちに会えないのも当然だよね)


 今朝華がちらりと考えた、百貨店で個人を呼び出すと言うのを本当にやってしまっていたらしい。個人宅に訪問したかのように「ファーナさん居ますか」と。


(お恥ずかしいぃ……。まあ、やってしまったことはしょうがない。目撃者も二人だけだし)


 気を取り直してと、十字路を南に歩いて行くと、南側の塀と門が見えてきた。

 北側の距離はわからないが、南側は東西と同じくらいの距離に感じる。


 門が近くに見えて来ると、規則正しい打撃音が何処からか聞こえてきた。


(これは、もしかして鍛治屋さんの音!?建築現場の音じゃないよね?)


 南門に近付くと、カキンカキン鳴っていた音が止んでしまったが問題なかった。

 町に来た目的の武具店らしきものを見付けたからだ。



 木の看板に剣と盾の絵。


(あ、もしかして…識字率がそんなに高くない?)


 だとすれば、ファーナやアルベルトに少しでも文字を教えて貰えたのは本当に幸運だった。


 開きっぱなしの扉を入ると八畳ほどの広さの壁に武器と防具が並んでいて、カウンターはないが椅子と小さな机があり、恰幅のいいおばさんがそこで作業をしている。客は黒髪の男が1人いるだけだった。


『こんにちは』


 華が入っても顔を上げなかったおばさんは、声を聞いて驚いたように会釈をして槍コーナーに近付く華を見た。


(どうしよう…使えそうなのがない…)


 槍コーナーの前に立った途端に華は困ってしまった。

 10本くらいある槍すべてが華には長過ぎて扱えないのだ。

 考えてみたら当然だった。ここの人たちは大きい。ロイに貰った槍だって折れてロイたちには使えないのが華のサイズだったではないか。


 ちらりと剣のコーナーを見る。

 刀を薙刀に仕立てるのはよくあることだったので、使えそうな物がないかと思ったのだが。

 たくさんある中で小さい剣を手にとって直ぐに戻す。


(重い。無理!)


 刀に比べたら樋も入っていない幅広の剣は華には重すぎた。

 これを薙刀に仕立てて貰っても取り回しが出来ないのは明らかだった。

 それなら槍の柄を切ってもらう方が現実的だった。


 問題はお店の人にどうやって説明するかだ。

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