24 ひらき
なんとか川原まで蛇の亡骸を運ぶことができた。
段差から落とした後はもう死体が動くことはなかったが、ずいぶん汚れてしまっていた。
川原に運ぶのに無駄に損傷させるのも…。と考え、茅を巻き付けた上で引き摺って運んできたのだ。
途中藤棚さんで休憩は入れたが、水筒の水も使ってしまっていたので、一息ついて焚き火に燃料を足したぐらいで、すぐに川原に向かった。
川原にたどり着く頃には華は汗だくになっていた。
カバンを含むすべての荷物から解放された華は、カーディガンを脱いで手と顔を気が済むまで洗って水を飲んだ。
(お風呂入りたい…。お風呂作れないかな。土器とかで…)
水筒に水を汲みお魚の罠を確認する。
罠にお魚が入っている様子はなく、華はついほっとしてしまった。
(お魚さんが来てくれても今日は捌くのとかもう無理…)
運んできた蛇を見る。
すでに西日が射している。皮だけでも剥いでしまわなければ。
巻き付けた茅を外して、うなぎのように背か腹を割いて…のつもりだったが、脇を割くことにした。
背は鱗がびっしりで難しそうだったし、せっかく皮を使うなら素材をなるべく大きく取れた方がいいだろうと、背と腹の色の変わるところで割いていく。
(裁ち鋏があれば楽なんだろうけど…)
小刀で苦労しながら割いていく。
なんとか最後まで割いたが、引っ掛かりながら割いていったその痕は決して綺麗なものではなかった。
綺麗には割けなかったが皮を剥ぐのに支障はないだろうと、首のほうから皮を剥いていく。
意外と皮は簡単に剥け、少し肉が付いてしまっているものの、中身と皮とに分けることができた。
皮は蛇首といっしょに川に沈めて重石を乗せておく。
(これは明日まで放置!お魚さんどうぞつつきにきてー)
中身は今度は腹から割いて、川でじゃぶじゃぶしながら内臓を掻き出した。
鞄の底から焚き付け用の新聞紙を出して、その上に開きにした長いままの身を無理矢理畳んで乗せた。長いままなのはまだ骨を取っていないからである。
びっしりある蛇の骨を見た瞬間に、骨を外して切り分けるのは藤棚さんに戻ってからゆっくりやろうと思った華は、藤棚さんにいかにして運ぶかを考えたのだ。
カーディガンを着てカバンを掛けた華は、うず高く積まれた蛇の開きが落ちないように新聞紙を抱えて藤棚さんへ戻っていった。




