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6話 魔法の事とお兄さんは頭が・・・

長くなってしまいました、よ、読みごたえはあると思います・・・・

 ヘレナの変貌を見てライ驚き呆けてると、女性が話し掛けてくる。


「ヘレナは放っておきましょう、確かライでしたか?」

「あい」

「ではライ、お聞きしたい事が有ります、貴方の保護者はどこかしら?」

「いにゃい」

「それは保護者が居ないのですか? それとも今は別の所に居るの?」

「いにゃい、らいひちょり」


 首を横に振りながら答える。


「ライ一人でこの場所まで来たのですか?」


(ん~どう答えたら良いものか、一人で居たんだけど来たのかは分からんし、そもそも目が覚めたら子供で、覚める前は別の世界に居たし、保護者と出かけるなんて数年前で出掛けても数回だし、森の中にどうやって来たなんて知らんし、こっちの世界に来てからの事を正直に言うか。)


「ひちょり、で、いちゃ、まえ、おぼぉえちぇにゃい」

「おぼ?…、ヘレナ翻訳なさい、私では分からないわ」

「はいお嬢様、一人で来て前の事は憶えてないって子かしら?」

「ひちょり、いちゃ」

「一人で居た? その前の記憶は無いで良いかしら?」

「あい」

「ヘレナもしかしてその、ライはまさか…」

「お嬢様! 言わなくとも理解しました、ライちゃんはわたくしが面倒を見るので、お屋敷に在るわたくしの部屋に住まわせていただけませんか?」

「ヘレナまた少し本性、いえ暴そぉ…興奮してますよ、それと屋敷は私のではなくお父様のです、ですから私の一存で決めれません、…ですが私からもお父様にお願いしてみます」

「流石お嬢様! ありがとうございます」


(このメイド…じゃなくて侍女さん、あるアニメの可愛い物好きの男性キャラと被るんだが…、それは兎も角、え? 俺の行く先が決定されてるのは気のせいではないはず、行く先が無いから助かるけど甘えて良いのか?。)


「あにょ~、らいは、ひちょりで、がんばりゅ」


(やっぱり良い歳大人が幼児として養われるのはキツイです。)


 ライの精神年齢は30歳、そんな男が成人女性に生活の殆どをやって貰うのは、精神的にくるものがある。


「まぁ、可愛らしい、大丈夫ですよ? 全部わたくしが面倒を見ますよ? おはようのキスからおやすみのキスまで! 全部!全て!お任せくださいませ!」

「「…」」


 それを見た二人の反応が、ドン引きである。


(ヤバイヤバイ、この人ダメな人だ! 関わったらダメな奴だ! この侍女は放っておいてお嬢様に話し掛けよう、うん。)


「おきじょくしゃま、らい、ひちょりで、にゃんとかしゅる、にゃにか、ありぇば、たしゅけよぶ、だめぇ?」


 コテンっと首を傾げる、本人は自覚してないが幼児がしたら可愛い仕草になっている、その所為で被害が増える。


「!!」

「ぶはぁ」


 お嬢様は胸が【キュン】となり、ヘレナは吐血しながら座席に倒れる。


「ひぅ!」


 ライはヘレナの吐血にビックリして変な声を出し思はず身を硬直させる。


「ごほん」


 お嬢様が脱線した話を戻すため咳払いをする。


「へ、ヘレナは仕方がないですね、ライは私達に気を遣わなくても良いのです、子どもであるライは保護者が今いない状態です、それならば善意で助けるのが貴族である私の責務です」

「あい、でもぉ、やえう、こちょは、がんばりゅ」

「えーそうですね、一人でも出来る事は頑張りましょう、でも無理は禁物です、ですから衛兵が来たら私達と一緒に屋敷へ行きましょう、お父様には私からお願いしてみます」

「あぁい」


 お嬢様達と会話していると、遠くから馬の蹄の音と金属同士が当たる音が聴こえてくる。


「!お嬢様、助けが来たようです」


 倒れていた変態侍女のヘレナがバッと起き上がりお嬢様に伝える。


「そうですか、では戻る準備をなさいヘ・レ・ナ、それと鼻血は拭きなさい」


(さすが変態侍女の主、扱い方を心得てるな、助けが来たんならその人に剥ぎ取りお願いしてみよう、…ん? 何か…忘れてるような…、あ! 魔法の事聞いてない!)


「ちゅみまちぇん、まほぉにょ、こと、おちえて、くだしゃい」

「あらそうでしたね、馬車の中で教える約束をしていましたね、…お嬢様、誠に恐縮なのですがわたくしの代わりに教えていただいてもよろしいですか? お嬢様の復習にもなりますし、いかがでしょ?」

「はぁ、分かりました、ライ私が説明できる範囲で良いですか?」

「あい」


 ヘレナはお嬢様が承諾したのを確認し、一礼をしてから外に出た。


「まず世界にはスキル、レアスキル、ユニークスキル、魔術、魔法、妖術のような神秘的な現象を起こす物事が存在しています、スキル等の話は別の機会に話しましょう、ライが聞きたいのは魔術? 魔法? どちらですか?」

「?まじゅじゅ? まほぉ? …どっちもききちゃい」

「ふふ、はい、では両方説明しますね、そうそうちなみに妖術は魔物や魔獣が稀に使う魔法のような物です、呪文や魔方陣等を使い自分の魔力で発動する物が魔術です、なので魔力があれば誰でも扱うことが出来ます、ですが魔法はそうではないのです、魔法はいくつかあります、例えば精霊魔法が有名ですね、魔法は自分のスキルの中に属性スキルが無い人は使うことが出来ません、ただ精霊などと契約して精霊に自分の魔力を与え、代わりに使ってもらうことは出来ます、ただし契約には双方の信頼関係が成立してないと出来ませんから難しいですね、後魔法に関してはまだ分からない事も多いです」

「わからにゃい、こちょ、おおい?」

「ええ、呪文を唱えて使った魔法は明らかに威力が強かったり、スキルで無詠唱ってのも在りますから、ただ属性スキルが無い人は呪文を唱えないで使うことは出来ませんね」

「ぞくしぇいが、あれぇば、となぇにゃくても、つかぇう?」

「はい、使えます」

【ドンドン】


 魔法の事を話してる途中で乱暴にドアを叩く音がした。


「メア!大丈夫か!?怪我はないか!?」

「お兄様! なぜお兄様がこちらにいらっしゃるのです? 確か王都の学園に行ってる筈では?」

「うっ、その話は屋敷に戻ってから話そう、まずはメアの安否確認の方が大事だ!」

「はぁ~、お兄様、私は怪我などはしていません、ですから心配しなくてもいいです、お兄様が居るのであれば衛兵ではなく護衛騎士が来ているのですか?」

「いや、わたし一人だが? 何か問題があるのか?」

「…はぁ」

「たいへんでしゅね」

「ええぇ、本当に」


(このお嬢様、メアさんって名前か良い名前ですね、そして良識がある方なんですね、お兄さんは…なんで兄妹でこんなに性能が違うんだってぐらい貴族意識ないでしょ、貴族社会って日本で言うVIPみたいなのでしょ? VIPって普通SPみたいなのが付いてくるのにこの人、一人で来たってバカなの?命いらないの?貴族なんでしょ? まぁ、来てしまったものはしょうがない、このお兄さんにメアさんを任せて俺は川にちょっと行ってこようかな、理由は聞かないで!。)


「らい、ちょっと、かわに、いってくりゅ」

「川に何か用があるの? それに一人は危ないですよ?」

「…いいちゃくにゃい」

「言いたくない? 言い難い事でもあるの?」


(メアさんお願いです聞かないでマジで! 成人男性としての矜持がお亡くなりなっちゃいます、…仕方がない使いたくないが使うしかない…三十六計逃げるに如かず!。)


 ライはそう考えてそっとドアノブに手をかけ勢いよく開ける。


「うぉ!なんだ!」


 そのまま走り抜けようとしたが、所詮幼児、走ってるつもりでもよちよち歩きである、当然メアのお兄さんに捕まる。


「なんだこのガキ、メアの知り合いか? …こいつ漏らしてるじゃねぇか汚ね~な、おいガキお前は何でここに居る、この馬車はバルハート家の馬車だ平民が居て良い場所じゃねぇ」


 ライの脇を両手で持ち上げて言い放つ。


「ほら、川に言って洗って来い!」


 そっと言動とは裏腹に優しく下ろす。


「ぁ、あぃ」


(ビックリして変な声出た、とりあえず川に行こう…って川はどこだよ! うぅ恥を忍んで聞くしかないか。)


「お兄様?」


 ニッコリ怖い笑顔で呼びかける。


「な、なんだ? メア」

「幼子であるライに酷い暴言を言った事は、お母様に報告しておきますね?」

「ま、まて、は、母上に言うのは待ってくれ! メア、いや可愛い妹よ兄が死んでも良いのか!?」

「大丈夫ですよ、お母様もオーガではありません、死ぬような事は致しませんよ」

「いや死ななければ良いと言う問題ではない! 死なずとも顔の原型が無くなるではないか!」

「その時は回復師が治療いたしますよ?」

「っく!…おいガキ…いや坊主、一緒に川まで行ってやろう!」


(あっれ~? 川の場所を聞こうとしたらメアさんが笑顔でお兄さんに迫ってる、しかも目の錯覚でなければ笑顔のメアさんの後ろに般若が…、メアさんは怒らせないようにしよう。)


「あい、ありあとう、ごじゃいましゅ」

「う、うむ、では早速行こう」

「お兄様? せめて他の救援が来てから行ってくださいな」

「そ、そうだな、少し待ってから行くぞ?」


 【びっく】っとなりながらメアの様子を見て言う。


「はい、そうしてください」

「あ、あぁあわかった、…ただ待っているのもなんだからあのサーベルライガーを解体して良いか?」

「あのサーベルライガーはライが倒したものです、ですからライに聞いてください」

「なに! サーベルライガーをこのガキが倒したのか!?」

「そうです、偶然か奇跡かは分かりませんが確かにライが倒したものです、護衛騎士は倒されてしまって、困っていたらライが話し掛けてきたのです」

「あい、らい、ぐうじぇん、たおちた」

「ぐ、偶然でもすごい事だぞ坊主!」

「う?」


(いやすごい事でも、偶然に偶然が重なって出来た事で、もう一度同じことは出来ないよ?)


「お嬢様準備が出来ましたが…まだ離れるわけにはいきませんね」

「ええ、せめて衛兵かお兄様の護衛騎士が来るまでは動けませんね」

「ラウル様はなぜお一人なのですか?」

「話せば長くなるが良いか?」

「ええ、長くなっても良いので是非お聞きしたいです、お兄様」

「っう、………はぁ、わかった、わたしが王都から戻ってきて、門に入る直前で森の方から救難の魔法が見えたから、駆け付けたらいつの間にか護衛騎士が居なくなったみたいでな、その後は知らん」

「お兄様、居なくなった ではなく 置いてきた ですよね? お兄様の愛馬であるデルンターはケルピーなのですから他の馬と違って速いに決まってます! お兄様が足並みを揃えないでどうするんです」

「そうは言うが、救難の魔法に気づいたら急いで駆け付けなければ手遅れになるかもしれんではないか」


 兄妹で言い争いしていると、ラウルの護衛騎士が遅れて到着した。


「ラウル様! 我々護衛を置いて先に行かないで下さい! 我々が奥様に叱られてしまいます!」

「むぅ、お前達が遅いのではないか」

「「ラウル様が」」「お兄様が」「「「速いんです!」」」

「う、うむ…す、すまん」

「はぁ、毎度毎度、ラウル様は急ぎすぎです! 我々護衛や侍女の身になって下さい、奥様からお怒りを受けるのは我々なのですよ?」

「それは、本当にすまん、母上の怒り(お仕置き)は恐ろしいからな」

「ええ、本当にお怒り(お仕置き)の後は皆死屍累々状態なんですよ?」


(お母さん怖すぎ! どんな人なんだ、しかも敢えてスルーしたけど、メアさんあなた母親の事オーガって言わなかった? え?もしかして般若の親はオーガですか? おや? 何故だろうメアさんから殺気が…いや背後から般若が出てる!ひぃ、すいませんすいません!メアさんは可愛いお嬢さんですお母さんも美人で綺麗なお人です! …ふぅ殺気が消えた、良かった~。)


「ど、どうしたんだ、いやどうされたのでしょうか? メア?」

「いえ、何方か分かりませんが、よからぬことを考えてた気がしたのですが、気のせいですね」

「フェンリルの子はフェンリルだな…」


 ボソッと護衛騎士が呟くが誰も気が付かない様だ、もしフェンリルじゃなくオーガと言ったら、聴こえずとも間違いなくメアは気付いただろう。


「護衛も来たし坊主、川に行くか!」

「あ、あい」

「はぁ、お兄様忘れてますよ、サーベルライガーはどうするのですか?」

「おっと、すまんすまん、坊主あれは解体しても構わんか?」

「あい、おねぇがい、しましゅ」

「では、解体とメア様の護衛は二人に任せますので、ラウル様の護衛はわたしが行きます」

「アルトお願いします、お兄様の事は任せましたよ? 後何かあればお兄様よりライを助けてください」

「そうです、アルトさん、ラウル様は放っておいても問題はありません、ライちゃんを優先してくださいませ」

「お前らな、一応わたしはバルハート家の長男なんだが? 扱いが酷くないか?」

「仕方がないですよ、いつも独りで突っ走てるんですから、お二方もあーなりますよ」

「はぁ、じゃー行くか、坊主と護衛!」

「ラウル様いい加減憶えてくださいよ、アルトですよア・ル・ト」

「あ~、はいはいわかったわかった」

「覚える気ないですよね? 1年も護衛騎士してるのに、いったいいつ覚えてくれるんですか?」


 アルトの願いも虚しく受け流されてしまう、そしてライ達一行は川へ向かう。

次回はやっと登場しするマスコット話です(だがそんなに出てこないかも)

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