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5話 変態は世界共通

 ヘレナが馬車のドアの前まで行き、ノックをする。


「お嬢様申し訳ありません、子どもを馬車の中に入れるのをお許しいただけませんか?」

「子どもを保護するのですね? それであれば構いません、お入れなさい」


(綺麗な声のお嬢様だな~、…声が綺麗だからって見た目も良いとは限らないだろう、期待してはいけない、だって期待すればするほど見た目が思ってるのと違うとショックがデカイ! それはそうと、前足は馬車下の隙間に置いて入ろう、貴族の馬車内を汚したら怒られるだけじゃ済まないような気がするからな。)


 そそくさと馬車と地面の間にサーベルライガーの前足を置く。


「それでは失礼します」


 優美な一礼をし、右手をドアノブに左手を扉の縁に置き扉を開ける、すると【ギッ】と音をたて扉が開く。


「ふゎ~、きれぇー」

「そうでしょ? この馬車はナサス様がお嬢様の為にお作りになられたのですよ?」


(いやいやメイドさん、貴方の一礼と馬車の中に居た女性が綺麗だったから声が出ちゃったんですよ? 言わないけども、この貴族のお嬢さん歳は大体15歳ぐらいか? にしても綺麗な銀髪ロングに青い目だな、胸も中学生ぐらいにしてはある方だろう。)


「坊や入りなさい」


 ヘレナは弥伊を入るように促す。


「あら? この子の名前は聞いたのですか?」

「! 申し訳ありません、まだ聞いておりませんでした、坊やのお名前は何て言うのかしら?」


(さて、どうしたものか…本名はバリバリの日本語だから言ったら色々面倒だろうな発音も出来るか知らんし、…なんて答えようかな~いっそ、オンラインゲームでよく使ってた雷って書いてライで良いか。)


「らいでしゅ」

「ライって言うのですね? ではライちゃん中に入ってください」


(ちゃん付けだと! ちゃん付けされたのいつ以来だ…なんかすっごい違和感が有るな、やめて欲しいって言ったら止めてくれるかな?。)


「あい、…ちゃんじゅけ、にゃいで、おねぇがいしましゅ」


 馬車に入って悲願してみるも…。


「それは…無理ですね、可愛い子にちゃんを付けるのは必然ですから」


 このヘレナは可愛い物に目がない、共同の自室の自分の机やベットにはファンシーなぬいぐるみや小物が多く有り、同室のメイドからは「せめて半分に減らしてほしい」っと苦情が出る程なのである。


「はぁ、ヘレナ流石に今の状況を考えなさい、屋敷に戻るまで本しょ…いえ、もてなすのは控えなさい」

「っは! 失礼しましたお嬢様、わたくしとした事が…侍女としてまだまだ未熟ですね」


(ビックリした! いきなり性格が変わったからビックリしてしまった、しかもメイドさんじゃないのか、確か侍女は貴族の個人付きだっけ? メイドは屋敷の中に居る雇われた家政婦だっけ? 詳しく調べなかったから分からんけど、でも区別はされてたような気がする。)


 弥伊改めライは侍女であるヘレナの変貌にビックリして魔法の事が頭から離れてしまった。

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