3話 メイドさん?とお話し
車輪が破壊されてる馬車に向かい扉をノックする。
「ちゅみまちぇーん、もぉ、だいじょぶでしゅよ~」
(…返事がn)
「何者です!!」
扉の向こうから返事がした。
「え~っちょ、いちゃいけな、よぉうじでしゅ!」
(返事がしたから返したんだけど、聞き取れたかな?)
小窓から女性が覗き見える。
(お! メイドカチューシャが見える! まさかメイドさんか!?。)
「あら? 誰も居ないですお嬢様」
「確かに声がしました、何方かいらっしゃるはずです」
(お嬢様キターー!異世界物のテンプレですよ奥さん! おっと思わず興奮してしまった。)
鼻息荒くしてると侍女と目が合う。
「あ、どぅ「子ども! まさか子どもがサーベルライガーを倒したの!」…もでしゅ…」
(おうふ、言葉を遮られましたが凹みません、ぐすん)
「どうしたのです!? ヘレナ」
「お嬢様子どもが、いえ幼児?がサーベルライガーを倒したのです!」
「そんなまさか! 他の方はいらっしゃらないのですか? 保護者の方や冒険者などの大人がいらっしゃるはずです、探してみてください」
「か、畏まりました」
「どうですか?」
「はい、見える限り何処にも居ません、子どもだけですお嬢様」
「では、その子どもに聞きましょう」
「はい、坊や貴方一人かしら?」
(おおぉう! 置いてけぼりにされてたから呆けてた。)
「あい、ひちょりでしゅ!」
(返事は元気よくが基本ですよね。)
「…本当に一人かしら?」
ヘレナは首を傾げる。
(この人疑り深いな~、良い事なんだけど幼児の言葉ぐらい信じて欲しい。)
「あい!」
「あ~神よ、信じられません子ども一人でサーベルライガーを倒してしまったなんて」
両手を胸の前で合わせながら祈る。
「お嬢様、わたくしが見てきますのでここでお待ちくださいませ」
そう言いながら、ヘレナは扉を開けて出てきた。
「坊や、危ないから中で待ってなさい」
ヘレナが幼児に向かって優しく、言い聞かせるように話し掛けてくる。
(おおぉ、茶髪に緑色のメイド服、スカートは長いな足首隠れてるし、正にTHEメイドって感じの人だ、カチューシャだと思ったのは後ろ髪の下で括っていたんですね。)
「あれ、はぐ、もっちゃいにゃい」
首を横に振り指をさしながら答える。
「はぐ? …え~っと剥ぎ取りしたいのですね? …え? 坊やが剥ぎ取るの?」
「あい!」
「危ないわよ? 怪我でもしたらいけませんからわたくしがしましょうか?」
「? …じぶんでぇしゅる!」
「え?え? 坊や本当に大丈夫?」
「あい! だいじょぶ、でしゅ!」
「わ、分かったわ、もし怪我でもしたらすぐにでも言うのですよ?」
「あい」
(サーベルタイガー?ん? ライガーだっけ? ま~どっちでも良いか、に向かおう。)
「さちぇ、どこを、はぎちょる?…とりあえじゅ、ちゅめと、きばぁかな?」
そう呟きながらサーベルライガーの前足を見て気付く。
(あ、ナイフ無いんだった、爪が折れたら価値が下がりそうだし…あの騎士?が持ってるかもしれないけど、…よし、漁って良いのかメイドさんに聞いてみよう。)
「すいまちぇん、きししゃんの、にゃいふ、かりちぇもいいでしゅか?」
「え!? え、ええいいと思うわ、ただ持ってたかしら?」
「ありあとうごじゃいましゅ」
ペコリとお辞儀をしてヘレナから離れる。
(よし!許可は貰った、さーってナイフナイフ♪。)
サーベルライガーに食われてない騎士の方へ向かう。
今回の投稿はここまでですが、続きは三日後に投稿予定です。